政府は個人事業主を登録・識別する番号制度をつくる。補助金の支給や社会保険、税務などの手続きを一元管理できる仕組みを検討する。
今後の番号制度は、①国民個人のマイナンバー(12桁)、②個人事業主の新番号(13桁)、③企業の法人番号(13桁)の予定です。
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公示地価、6年ぶり下落
国土交通省が23日発表した2021年1月1日時点の公示価格は、商業・工業・住宅の全用途(全国)が前年比0.5%のマイナスと6年ぶりに下落に転じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、三大都市圏はそろって下落。外出自粛や訪日客急減に伴う飲食店や小売店などの不振が地価を押し下げた。
2021年公示地価の変動率(1月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):
地域 | 住宅地 | 商業地 | 全用途 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
前年 | 2021年 | 前年 | 2021年 | 前年 | 2021年 | |
全国平均 | 0.8 | ▲0.4 | 3.1 | ▲0.8 | 1.4 | ▲0.5 |
三大都市圏 | 1.1 | ▲0.6 | 5.4 | ▲1.3 | 2.1 | ▲0.7 |
東京圏 | 1.4 | ▲0.5 | 5.2 | ▲1.0 | 2.3 | ▲0.5 |
大阪圏 | 0.4 | ▲0.5 | 6.9 | ▲1.8 | 1.8 | ▲0.7 |
名古屋圏 | 1.1 | ▲1.0 | 4.1 | ▲1.7 | 1.9 | ▲1.1 |
地方圏 | 0.5 | ▲0.3 | 1.5 | ▲0.5 | 0.8 | ▲0.3 |
公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。
公示地価 | 基準地価 | 路線価 | 固定資産税評価額 | |
---|---|---|---|---|
調査主体 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 | 市町村 |
調査地点数 | 約26,000 | 約21,700 | 約334,000 | 多数 |
調査時点 | 1月1日 | 7月1日 | 1月1日 | 1月1日(原則3年に1回、 次回は2021年) |
公開時期 | 3月 | 9月 | 7月又は8月 | 3月 |
公開サイト | 国交省(土地総合情報ライブラリー) | 国交省(土地総合情報ライブラリー) | 国税庁 | 資産評価システム研究センター |
その他 | 調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格(更地価格)の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。 | 調査対象は地方の調査地点が多く、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から | 相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準 | 土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準 |
保険契約の変更(支払保険料の停止):払済保険と失効との違い
保険料の支払いが厳しくなった時には、解約や保険料の減額等が考えられますが、解約返戻金のある保険契約において、保険料の支払いを完全に停止し既払保険料に係る解約返戻金を利用して保険期間を継続(保障保険金は減額)させるという「払済保険」という方法があります。この払済保険に変更した時に税務上の処理は、一旦解約し新規契約したものと見做した処理が要求されます。つまり、その変更時における解約返戻金相当額とその保険契約により資産に計上している保険積立金との差額をその変更した日の属する事業年度の益金の額(又は損金の額)に算入しなければならない点に留意する必要があります。そこで、保険契約を「失効」させることで、この様な解約返戻金の洗替処理を避けることができます。生命保険が失効すると保障を受けられなくなるだけで解約返戻率は維持され保険料の支払いはありません。但し、失効期間(例えば、2年、3年等)には保険会社により異なりますが制限(一定期間の措置)があります。この失効の措置活用も状況に応じて検討することが考えらえます。
節税保険「抜け道」ふさぐ 経営者向け 国税庁が追加対応へ
国税庁は6月末にも、経営者向け保険の課税手法を追加で見直す方向で調整に入った。
当該保険の中に加入初期に解約返戻金を抑え、その低い返戻金時に経営者に名義変更し課税額を抑え、経営者は返戻金が増加後に解約し節税効果を得るという保険商品が広まっていました。これを、新たな課税方法では、解約返戻金が保険料の資産計上額の一定割合を下回る場合に資産計上額で課税額を算出する方針です。2019年以降の解約が対象になる見込みです。
令和2年度(2020年) 個人確定申告
個人並びに個人事業者の方の令和2年度確定申告の時期がきました。 以下に、 令和2年度分の確定申告の提出期限及び確定申告の対象となる人(任意ではなく申告しなければならない人)、 等に関しまして概要を纏めてみました。 なお、 確定申告の対象者は前年度と変更はありませんが、 税金の申告は、 本人自ら課税金額や税額を計算し、 その税額を申告納付する制度「申告納税制度」を採用していますので、 期限後申告・納付となりますと延滞税等がかかります。
なお、 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて昨年と同様に確定申告書の提出期限等が、下記の様に延長となっています。
令和2年度確定申告の提出・納付期限
所得の種類 | 令和元年度申告期間・納付期限 | 口座振替による納税日(振替日) |
---|---|---|
所得税 | 令和3年2月16日(火)から4月15日(木) なお、還付申告は令和3年1月から可能 | 5月31日(月) (新規の利用者の方は「預貯金口座振替依頼書」を申告期限までに要提出) |
消費税 | 令和3年1月 から4月15日(木) | 5月24(月) |
贈与税 | 令和3年2月 から4月15日(木) | 非該当 |
(1) 申告書の提出方法には、 ①持参(所轄税務署等の所定の提出場所)、 ②郵送、 ③電子申告(e-Tax利用によりデータ送信、この利用には事前準備が必要となりますが、 所得税では一定の第三者作成の提出書類を省略可の恩典があります)、の方法があります。
(2) 納税方法には、 ①持参(所轄税務署)、 ②金融機関から納付書を付けて納付、 ③ダイレクト納付(e-Taxの利用で、 かつ、 事前にダイレクト納付利用届出書の所轄税務署に要提出)、 ④インターネットバンキング・クレジットカードによる電子納税、⑤口座振替(上記を参照) の方法があります。
(3) 平成25年度から25年間には、 復興特別所得税として各年分の所得税額に2.1%の税率を掛けて計算した税額が発生することに留意してください。
(4) 平成28年分以降の確定申告にあたり、 マイナンバー(個人番号)の記載が必要となります。 申告書を書面提出する際には、 申告者のご本人の本人確認書類(番号確認書類及び身元確認書類)の提示又は写しの添付が必要です。 具体的な本人確認書類とは、
① マイナンバーカード(個人番号カード)
② 通知カード又は個人番号付の住民票の場合には、 身元確認書類として顔写真付きの運転免許証、 等の点、 又は顔写真付きでない場合には、 2点の確認書類(保険証、 年金手帳、 等)
A. 所得税
1. 令和2年度確定申告の主な改正・留意事項
(1)給与所得控除及び公的年金等の控除額10万円引下げ
(2)基礎控除額の10万円引上げ
(3)所得金額調整控除の創設
(4)ひとり親控除の創設及び寡婦(寡夫)控除の見直し
(5)医療費控除の明細書の添付義務化
(6)青色申告特別控除の65万円控除の適用要件見直し
2. 令和2年度確定申告が必要となる対象者の方
1. 給与所得者(サラリーマンの方)
① 給与の年間収入金額が2,000万円超となる方(年末調整対象外の方)
② 給与(年末調整済)を1箇所から受けていて、 給与所得及び退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円超となる方 (給与収入額が2,000万円以下で、 給与・退職所得以外の所得が20万円以下の場合には申告の必要はありません)
③ 給与(源泉徴収済)を2箇所以上から受けていて、 年末調整されなかった給与の収入金額と、 給与所得及び退職所得を除く各種の所得金額との合計額が20万円超となる方。
但し、 給与所得の収入金額から、 一定の所得控除の金額(雑損控除、 医療費控除、 寄付金控除及び基礎控除の項目を除く)の差引金額が150万円以下で、 かつ、 給与所得及び退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円以下となる方は、 申告不要となります。
2. 上記の給与所得者以外の方、 又は個人事業者で納付税額が発生する方
事業所得や不動産所得等がある方で、 各種の所得金額の合計から各種の所得控除後で計算した税額が、 配当控除よりも多くなる方
3. 源泉徴収の適用を受けない給与等の支払を受ける方
① 家事使用人等の方で給与から源泉所得税を徴収されていない方: 常時2人以下の家事使用人だけを雇用している使用人等には源泉徴収の義務が無いことから、 その使用人等から給与を受給されていた方
② 在日外国公館から給与等の支払を受けた方
③ 国外から給与、 退職金等の支払を受けた方
4. 同族会社の役員やその親族等で、 その会社から給与以外に利子、 家賃、 使用料等の支払を受けている方は、 その利子、 家賃、 使用料等は全て申告の対象
5. 災害減免法の適用を受け給与に対して源泉徴収の猶予や源泉徴収税額の還付を受けていた方
6. 上記以外の方で納付税額がある方
各種の所得金額の合計から各種の所得控除後で計算した税額が、 配当控除よりも多くなる方
注1: 公的年金等に係る所得の確定申告不要制度
その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、 その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、 かつ、 その雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、 所得税の確定申告書の提出は必要ありません(申告されれば還付となる場合もありますので、 その場合には申告される方が有利となる場合もあります)。 なお、国外源泉で国内源泉税の対象とならない国外年金収入等がある場合には、この確定申告不要制度の適用対象外となります。
この所得税の申告不要となる場合であっても、 住民税の申告が必要となることもありますので注意が必要です。
公的年金等の受給者で所得税の申告不要な者でも、住民税の申告が以下のような場合には必要となります(主に住民税の減額になるケース有り)。
① 年金や給与の源泉徴収票に記載されていない所得控除(扶養控除、障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除、医療費、社会保険料、生命保険料、地震保険料, 寄附金等)のある方は、住民税の申告で住民税が減少する可能性があります。
② 上記①の控除を追加したい方で、公的年金等収入が105万円(65歳以上の方は155万円)を超えている場合(この場合とは、公的年金等以外の合計所得金額が1千万円以下のケース)、或いは、超えていない場合でも公的年金等以外の所得金額がある場合。
③ 日本年金機構等に扶養親族等申告書を提出しているが、その内容に変更がある場合等。
注2: 確定申告不要(任意)となる方で申告すれば税金が戻ってくる方(還付申告者)
確定申告の総件数は2,000万件以上になるようですが、 この内の約半数近くが還付申告のものとなっているようです。 収め過ぎた税金を戻すためには確定申告書の提出が必要となります。 以下の様な場合には、 還付されるかもしれませんので調べてみてはどうでしょうか。
1. サラリーマンで年末調整を受けた方で次の年末調整では取扱わない項目があった方
① 一定金額以上の医療費(医療費控除: 限度額200万円)
生計を一にする家族の支払医療費が、 以下の金額以上になっている場合が対象:
所得が200万円以上: 支払医療費 – 保険給付金等 – 10万円 = 医療費控除額
所得が200万円未満: 支払医療費 – 保険給付金等 – 所得金額 × 5% = 医療費控除額
② 災害(地震、 台風等)や盗難により住宅や家財に被害を受けた場合(雑損控除)
災害の場合には、 災害減免法により所得税の軽減・減免を受けられることもあります。
③ 特定の寄付をされた方(寄付金控除や政党等寄付金特別控除)
④ 初めて住宅ローン控除を受ける方(住宅借入金等特別控除)
⑤ 年末調整時に提出ができなかった、 或いは洩れている控除項目がある方
生命保険料控除、 地震保険料控除、 配偶者特別控除、 各種の扶養者控除等
⑥ 中途退職され再就職しなかった方
退職までの給与収入に対する源泉徴収税額が年税額として過大となっているケースが殆どです。 又、 退職金に対して20%源泉になっている場合も可能性がありますし、退職所得を除く各種の所得の合計額から所得控除を差し引くと赤字になっている方。
2. 上場株式等に係る配当所得(申告分離課税選択)と上場株式等に係る譲渡損失との損益通算
3. 予定納税されたが確定申告不要となった方
4. 所得が少ない状況で配当や原稿料収入等からの源泉徴収税額が、 本来の納付すべき税額よりも多額となっている方
5. 外国税額控除の適用がある方
6. 申告の要件となっている項目がある方
① その年の翌年以降に純損失又は雑損失の繰越控除を受けるため、 ② その年分の純損失の金額について純損失の繰戻しによる還付を受けるため、 ③ 居住用財産の買換又は特定居住用財産の譲渡損失及び繰越控除を受けるため、 等には確定申告の提出が必要となります。
B. 贈与税
ご存知かと思いますが、 下記に示す様に年間に受けた贈与額が110万円以下ならば非課税範囲のために贈与税の申告等は必要ありません。
1. 年間合計で110万円超の財産贈与(個人からの土地、 建物、 現金、 預貯金、 株式、 債権等の財産の贈与)を受けた方(暦年課税で下記の②の選択者を除く)
2. 相続時精算課税制度(60歳以上の父や母の直系卑属からの贈与者ごとに累積で特別控除額2,500万円)の選択者で財産贈与を受けた方(20歳以上の推定相続人の子、 並びに孫に限る)
3. 直近尊属から住宅取得等資金贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置
特定受贈者(贈与年の1月1日現在20歳以上で合計所得金額2,000万円以下の者)が、 その直系尊属(親、祖父母等)から受ける居住用家屋の新築・取得・増改築等用に住宅取得等資金の贈与については、非課税限度額が定められていますが、消費税率の8%から10%への引上日が平成31年10月1日に延期されたことに伴い、 非課税措置の適用期限を令和3年12月31日まで延長し、 非課税限度額は以下のようになります。
① 住宅用家屋の取得価額に消費税率10%の消費税等が含まれている場合 (消費税率10%で契約した者)
住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 | 良質な住宅用家屋(省エネ等住宅) | 左記以外の住宅用家屋(その他の一般住宅) |
---|---|---|
平成31年4月~令和2年3月 | 3,000万円 | 2,500万円 |
令和2年4月~令和3年3月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
令和3年4月~平令和3年12月 | 1,200万円 | 700万円 |
なお、 東日本大震災の被災者が受贈者の場合には、 以下のようになります。 平成31年4月~令和2年3月 令和2年4月~令和3年12月 | 3,000万円 1,500万円 | 2,5000万円 1,000万円 |
② 上記(1)以外の場合 (消費税率8%で契約した者や個人間売買で中古住宅売買契約した者)
住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 | 良質な住宅用家屋(省エネ等住宅) | 左記以外の住宅用家屋(その他の一般住宅) |
---|---|---|
平成28年1月~令和2年3月 | 1,200万円 | 700万円 |
令和2年4月~令和3年3月 | 1,000万円 | 500万円 |
令和3年4月~令和3年12月 | 800万円 | 300万円 |
なお、 東日本大震災の被災者が受贈者の場合には、 以下のようになります。 平成26年度申告対象分 ~令和3年12月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
4. 配偶者控除の特例(控除額2,000万円)を適用し、 配偶者から居住用不動産又はその取得資金の贈与を受けた方(婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与に限る)
5. 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度、等
平成25年4月1日から令和3年3月31日までの期間に直系尊属が30歳未満の子や孫へ教育資金を拠出し、 金融機関(信託会社・信託銀行)、 銀行及び金融商品取引業者に信託等した場合、 受贈者(子・孫)1人当たり1,500万円(学校等以外への支払は500万円)までを非課税とする特例があります。 この制度適用のためには、 受贈者は教育資金非課税申告書を金融機関等を経由して税務署に提出する必要がありますが、 申込時に対応されていると思いますので特に問題となることはないでしょう。
C. 消費税
個人事業者で下記に該当する方は納税義務者(課税事業者)として申告する必要があります。
1. 基準期間となる前々年度(平成30年度)の課税売上高が1,000万円超の事業者の方
2. 特定期間となる前年(令和元年度)の1月1日から6ケ月間の課税売上高が1,000万円超で、 かつ、 同期間の給与等支払総額が1,000万円超の事業者の方
3. 免税事業者となる方が、 課税事業者となることを選択(消費税課税事業者選択届出書を事前に提出)している方(簡易課税選択者も含む)
納税義務者の判定上の留意事項:
(1) 基準期間の課税売上高は、 消費税込の金額となり、 事業用資産(住宅用として貸付けていた建物等)の譲渡の対価金額も含まれます。
(2) 被相続人(亡くなられた方)の事業を相続により承継した相続人には、 被相続人が提出していた各種の届出書の効力は及ばないので、 新たに提出する必要があります。
(3) 新規開業又は相続により事業を承継したときに、 消費税課税事業者選択届出書を提出した場合の適用開始時期は、 当該課税期間か翌課税期間かを選択できます。
(4) 消費税課税事業者選択届出書を提出されている場合には、 「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出しない限り、 その効力が消滅することはありません。
以上が、所得税、贈与税、消費税に関する確定申告の対象者の概要です。
土地登記 相続3年以内に 法制審答申 違反なら過料
法制審議会は10日、相続や住所・氏名を変更した時に土地の登記を義務付ける法改正案を答申した。相続から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料を科す。
以下の様に、土地相続や登記が大きく変わる(法制審の民法など改正案)。2023年度にも施行予定(法施行後に新たに相続する人らが対象となり、施行前に関しては、一定の猶予期間を定めて適用する見通し)。
1.相続時の登記を義務化
① 取得を知ってから「3年以内」に登記申請 ==>違反すれば10万円以下の過料
② 10年間、遺産配分未定なら法定割合で分割
③ 住基ネットで行政が死亡情報を把握・登記処理
④ 死亡者が名義人だった不動産一覧を行政が発行
2.土地の所有権を放棄しやすく
① 建物や土地汚染がなければ国庫に返納可
② 審査手数料と管理負担金を納入
3.住所・氏名変更 法人の移転登記の義務化
① 2年以内に申請==>違反すれば5万円以下の過料
② 本人意向を確認後、行政が登記変更可
③ 海外移住者は国内連絡先を登記に記載
4.所有者不明の土地・建物を活用
① 広告を経て他の共有者で管理や変更も
② 補修や短期の賃貸借を共有者の過半数で決定
③ 裁判所の許可で管理人を選べば売却も(要供託金)
確定申告 4月15日まで 国税庁、延長を正式発表
国税庁は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて昨年と同様、2020年分の所得税と贈与税の確定申告の期限を1ヵ月延長し、4月15日までとすると正式発表した。個人事業者の消費税の申告・納付期限も3月31日から4月15日までに延長する。
2021年度(令和3年度)税制改正大綱:法人税
2020年(令和2年)12月10日に自民、公明党の両党は2021年度(令和3年度)の与党税制改正大綱が発表されました。以下は、その法人税の改正大綱の概要となります。
法人税
1.中小企業における所得拡大促進税制の見直し
中小企業の適用要件判定において、継続雇用者給与等支給額(抽出不要となります)
から雇用者給与等支給額へと見直し、適用期限が2年間延長となり改正内容は、2021年(令和3年)4月1日から2023年(令和5年)3月31日までの開始事業年度に適用となります。
改正前 | 改正後 | |
適用要件 | ①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額 ②当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X101.5% | 当期の雇用者給与等支給額≧前期の雇用者給与等支給額X101.5%(注1) 注1:判定には、雇用調整助成金及びこれに類する額は控除しない。 |
税額控除 | (当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15% 下記の①及び②の適用要件を満たす場合には、 (当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率25% ①(当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X102.5% ②以下のいずれかを満たす場合 イ当期の教育訓練費≧前期の教育訓練費X110% ロ中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その計画が実行されていることの証明されている 税額控除額の上限は、当期の法人税額の20% | (当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15%(注2) 注2:税額控除において増加支給額は、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除した金額を上限とします。 下記の①及び②の適用要件を満たす場合には、 (当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率25% ①(当期の雇用者給与等支給額≧前期の雇用者給与等支給額X102.5%(注1) ②以下のいずれかを満たす場合 イ当期の教育訓練費≧前期の教育訓練費X110% ロ中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その計画が実行されていることの証明されている 税額控除額の上限は、当期の法人税額の20% |
2.大企業における賃上げ・投資促進税制の見直し
大企業の適用要件判定において、継続雇用者給与等支給額(抽出不要となります)から新規雇用者給与等支給額へと見直し、適用期限が2年間延長となり改正内容は、2021年(令和3年)4月1日から2023年(令和5年)3月31日までの開始事業年度に適用となります(但し、設立事業年度は対象外)。
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
適用要件 | 賃上要件: ①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額 ②当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X103% | 賃上要件: ①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額 ②当期の新規雇用者給与等支給額≧前期の新規雇用者給与等支給額X102%(注1) |
設備投資要件: 当期の国内設備投資額≧当期の減価償却費総額X95%(令和2年4月1日以前の開始事業年度は90%) | 廃止 | |
税額控除 | (当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15% 控除率の上乗せ: 下記の教育訓練費の適用要件を満たす場合には、税額控除率は20%となります。 当期の教育訓練費≧前期及び前々期教育訓練費の平均額X120%の場合 税額控除額の上限は、当期の法人税額の20% | 控除対象新規雇用者給与等支給額X税額控除率15%(注2) 控除率の上乗せ: 下記の教育訓練費の適用要件を満たす場合には、税額控除率は20%となります。 当期の教育訓練費≧前期教育訓練費X120%の場合 税額控除額の上限は、当期の法人税額の20% |
新規雇用者給与等支給額とは | 注1:新規雇用者給与等支給額とは、国内事業者で新たに雇用した雇用保険法の一般被保険者等に対してその雇用から1年以内に支給する給与額(一般被保険者のみが対象とし、支配関係がある法人からと海外から異動した者を除く)。なお、当該支給額からは、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除しない。 | |
控除対象新規雇用者給与等支額とは | 注2:控除対象新規雇用者給与等支 給額とは、国内事業者で新たに雇用した者等に対してその雇用から1年以内に支給する給与額(労働者名簿に記載された者が対象:一般被保険者、高年齢被保険者等)。なお、当該支給額からは、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除します。 但し、当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額の増加額が上限となります。 |
|
又、法人事業税(外形標準課税)の計算において、改正後の適用要件(注1の増加割合2%以上)を満たすときは、控除対象新規雇用者給与等支給額を付加価値割の課税標準から控除することとなる。なお、 中小企業者等については、一定の要件を満たせば適用できる法人税の税額控除を、法人住民税の計算においても税額控除の適用があります。 |
3.中小企業者等の法人税軽減税率の特例期限延長
中小企業者等の年所得800万円以下の部分に適用される法人税の軽減税率15%(本則課税:19%)の適用時期が、2年間延長され、2023年(令和5)年3月31日までに開始する事業年度となります。
4.中小企業投資促進税制の期限延長と見直し
(1)適用期限を2年延長(2023年(令和5)年3月31日まで)となります。
(2)指定対象事業に以下業種が追加されます。
イ 不動産業
ロ 物品賃貸業
ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る)
(3)対象法人に商店街振興組合が追加、等
5.特定中小企業者等の経営改善設備の税制(商業等活性化税制)
特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度を適用期限到来時(2021年(令和3年)3月31日までの期間に取得等)に廃止となります。
6.中小企業経営強化税制の新たな類型
中小企業経営強化税制について、関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等の対象に計画終了時に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置が記載されたものに限る)を実施するために必要不可欠な設備を追加し、適用期限を2年延長(2023年(令和5)年3月31日まで)となります。
7.中小企業の経営資源の集約化に資する税制創設(中小企業事業再編投資損失準備金制度)
(1)中小企業事業再編投資損失準備金の繰入
M&Aに関する経営力向上計画(経営資源集約化措置が記載されたものに限る)の認定を受けた中小企業者が、他の法人の株式等の取得(購入の取得に限り、取得価額が10億円以下に限る)し、その取得の事業年度末まで継続保有している場合において、株価下落の損失(簿外債務、偶発債務等のリスク)に備える為、株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業再編投資損失準備金として積立てたときは、損失算入を認められます。
(2)中小企業事業再編投資損失準備金の取崩
積立てた準備金は、その株式の売却、帳簿価額の減額等で取崩す他、5年間の据置期間経過後、原則として5年間で均等額を取崩して益金算入する。
(3)適用要件
中小企業経営強化法の改正施行日から2024年(令和6年)3月31日までの間に、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。
8.デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設
企業の持続的成長のためにデジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル技術<D>
を活用した企業変革<X>)が重要となってくることを踏まえ、新規ビ ジネスの構築等に関する計画(事業適応計画))に基づく、持続性・クラウドの利用・レガシーシステムからの脱却・サイバーセキュリティーといった点が確保された「事業変革デジタル投資」を促進することを目的として、産業競争力強化法の改正により認定を受けた「事業適応計画」に基づき、2023年(令和5年)3月31日までの間にソフトウェアの新設若しくは増設し、又はソフトウェア利用に係る費用(繰延資産に限る)を支出した時には、取得価額の30%の特別償却又は取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ連携する場合は5%)の税額控除との選択適用ができる。
適用対象者 | ①青色申告法人で産業競争力強化法の改正による「事業適応計画」について認定を受けること ②事業適応用の為の必要な事業適応設備を取得等し、国内事業に供していること |
対象資産 | 事業適応設備となるソフトウェア、繰延資産、機械装置、器具備品(開発研究用資産を除く) なお、当該支出金額の合計額で300億円が上限となります。 |
税制の選択適用 | 特別償却: 取得価額X30% |
税額控除: 取得価額X3%(グループ外の事業者とデータ連携する場合は5%) 但し、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制による税額控除との合計で、当期法人税額の20%が上限となります。 |
9.カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」という高い目標に向けて、 産業競争力強化法において規定される予定の「中長期環境適応計画」の認定を受けた法人が、2024年(令和6年)3月31日までの間に同計画に従って導入される一定の設備等の取得等をし、国内にある事業の用に供 した場合、取得価額の50%の特別償却又はその取得価額の5%(温室効果ガス削減が著しく資するものは10%)の税額控除との選択適用ができる。
適用対象者 | ①青色申告法人で産業競争力強化法の改正による「中長期環境適応計画」について認定を受けること ②当該計画に記載された中長期環境適応生産性向上設備又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備の取得等し、国内事業に供していること |
対象資産 | 一定の①中長期環境適応生産性向上設備、②中長期環境適応需要開拓製品生産設備事業適応設備 なお、当該取得金額の合計額で500億円が上限となります。 |
税制の選択適用 | 特別償却: 取得価額X50% |
税額控除:①原則 取得価額X5% ②温室効果ガス削減が著しく資するものについては、その取得価額X10% 但し、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制による税額控除との合計で、当期法人税額の20%が上限となります。 |
10.繰越欠損金の控除上限の特例創設
青色申告書を提出する法人が、産業競争力強化法の改正法の施行日から1年以内に「事業適応計画」の認定を受けた場合には、「適用事業年度」における「特例対象欠損金額」がある場合には、翌期以後、最大で5年間、欠損金の繰越控除前の所得の金額(その所得の金額の50%を超える部分については、「累積投資残高」に達するまでの金額とする)の範囲内で損金算入することができる特例制度が創設される。
「適用事業年度」とは | 下記のいずれにも該当する事業年度 ①特例対象欠損金額が生じた事業年度のうちその開始の日が最も早い事業年度後の事業年度で、所得の金額が生じた最初の事業年度(基準事業年度)開始の日以後5年以内に開始した事業年度 ②事業適応計画の実施時期を含む事業年度 ➂2026年(令和8年)4月1日以前に開始する事業年度 |
「特例対象欠損金額」とは | 2年 間(2020年(令和2)年4月1日から2021年(令和3年)4月1日までの期間内の日を含む事業年度(一定の場合には、2020年(令和2年)2月1日から 同年3月31日までの間に終了する事業年度及びその翌事業年度)において生じた青色欠損金額 |
「累積投資残高」とは | 事業適応計画に従って行った投資の額から、既に本特例により欠損金の繰越控除前の所得の50%を超えて損金算入した欠損金額を控除した金額 |
11.株式対価M&Aを促進するための措置創設
自社株式を対価として行われるM&Aについて、買収対象会社株主である法人及び個人が会社法の株式交付制度により、買収対象会社株式を譲渡し、買収会社の株式等の交付を受けた場合には、その譲渡した株式の譲渡損益に対する課税を繰り延べるものとする。 その際、自社株式に併せて金銭等を交付するいわゆる混合対価を一定程度認めるとともに、期限の定めのない措置とする。
混合対価につき、譲渡損益の繰延べは、対価として交付を受けた資産の価額のうち株式交付親会社の株式の価額が80%以上である場合に限るものとして、株式交付親会社の 株式以外の資産の交付を受けた場合には株式交付親会社の株式の対応する部分の譲渡損益の計上を繰り延べる。
12.地域未来投資促進税制の見直し
地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(地域未来投資促進税制)を見直した上、適用期限を2年延長する。
13.試験研究費の税額控除制度(研究開発税制)の見直し
活発な研究開発を維持するための研究開発税制の以下の事項に関して見直しがありました。
① 総額型及び中小企業技術基盤強化税制の見直し
② オープンイノベーション型の対象範囲の追加等
③ 自社利用ソフトウェアに係る試験研究費の追加
(1)総額型
2年前に高水準型は廃止され、試験研究費が高い水準の企業に対する税額控除率の割増措置を総額型に創設することによって、総額型に統合されています。
⓵ 税額控除率
改正前(6%~14%) | 改正後(2%~14%) |
増減試験研究費割合>8%の場合(上限14%): 9.9%+(増減試験研究費割合-8%)X0.3 | 増減試験研究費割合>9.4%の場合(上限14%): 10.145%+(増減試験研究費割合-9.4%)X0.35 |
増減試験研究費割合≦8%の場合(下限6%): 9.9%+(8%-増減試験研究費割合)X0.175 | 増減試験研究費割合≦9.4%の場合(下限2%): 10.145%+(9.4%-増減試験研究費割合)X0.175 |
高水準型の廃止に伴う上乗せ措置 試験研究費割合>10%の場合: 上記税額控除率X{(試験研究費割合-10%)X0.5}(上限10%) | 同左 |
⓶ 控除上限額
改正前(25%~35%) | 改正後(25%~40%) |
試験研究費割合≦10%の場合: 法人税額の25% | 同左 |
試験研究費割合>10%の場合: 法人税額の25%+法人税額X{(試験研究費割合-10%)X2} 上乗せ後、最大、法人税額X35% | 試験研究費割合>10%の場合: 法人税額の25%+法人税額X{(試験研究費割合-10%)X2 更に、以下の要件を全て満たした場合、法人税X5%の上乗せ イ 基準年度に比べて当期売上高が2%以上減少 ロ 基準年度に比べて試験研究費が増加 ハ 基準年度とは、2020年(令和年2年)2月1日前に終了した最後の事業年度 上乗せ後、最大、法人税額X4 |
2)中小企業技術基盤強化税制
⓵ 税額控除率
改正前(12%~17%) | 改正後(12%~17%) |
増減試験研究費割合>8%の場合(上限17%): 12%+(増減試験研究費割合-8%)X0.3 | 増減試験研究費割合>9.4%の場合(上限17%): 12%+(増減試験研究費割合-9.4%)X0.35 |
増減試験研究費割合≦8%の場合: 12% | 増減試験研究費割合≦9.4%の場合: 12% |
試験研究費割合>10%の場合: 上記税額控除率X{(試験研究費割合-10%)X0.5}(上限10%) | 同左 |
⓶ 控除上限額
改正前(25%~35%) | 改正後(25%~40%) |
増減試験研究費割合≦8%の場合: 法人税額の25% 増減試験研究費割合>8%の場合: 法人税額の35% 上乗せ後、最大、法人税額X35% | 増減試験研究費割合≦9.4%の場合: 法人税額の25% 増減試験研究費割合>9.4%の場合: 法人税額の35% 更に、以下の要件を全て満たした場合、法人税X5%の上乗せ イ 基準年度に比べて当期売上高が2%以上減少 ロ 基準年度に比べて試験研究費が増加 ハ 基準年度とは、2020年(令和年2年)2月1日前に終了した最後の事業年度 上乗せ後、最大、法人税額X40% |
以上
社員のテレワーク補助 通信費の半額非課税
新型コロナウイルスの感染拡大を機に企業が在宅勤務といった新しい働き方に対応したルールの整備を進めている。通信費の半額をテレワークに使用したとして所得税の課税対象から外すなど課税基準を明確にする。
通信費の非課税額の計算式:
1ヵ月の通信費 ×(在宅勤務の日数÷その月の日数)× 1/2
なお、業務目的の通話料は全額非課税
電気料金の非課税額の計算式:
1ヵ月の電気料金 ×(業務に使用した部屋の床面積÷自宅の床面積)×(在宅勤務の日数÷その月の日数)× 1/2
路線価 初の減額補正へ 国税庁 大阪市内の一部、下落で
国税庁が相続税などの算定に使う路線価について大阪市内の一部地域を対象に減額補正(下方修正)する方針を固めたことが分かった。