自民、公明両党は課税最低額を160万円に引上げる与党案に基づいて関連法案を修正し、2025年度予算案とともに年度内成立をめざす。基礎控除額の上乗せ特例に所得制限を設けた。
年収(所得制限) | 基礎控除額 | 適用 |
200万円以下 | 95万円(注1) | 恒久措置 |
200万円超~475万円以下 | 88万円 | 2025年~2026年の2年間の特例 |
475万円超~665万円以下 | 68万円 |
665万円超~850万円以下 | 63万円 |
850万円超 | 58万円 | |
注1:基礎控除額95万円プラス給与所得控除の最低保障額65万円=160万円(最低課税額)
厚生労働省はパート労働者に社会保険料が発生する「年収130万円の壁」対策として、労働時間や賃金を増やした企業に1人当たり最大75万円の助成金を支給する調整に入った。
厚生労働省は、パート労働者の厚生年金加入における企業規模要件を更に段階的に緩和する案を示しています。パート労働者は現在、①企業規模が51人以上、②所定労働時間が週20時間以上、③月額賃金8.8万円以上(年収換算106万円以上)等の要件を満たすと厚生年金に加入する義務が生じています。案では、この企業規模要件を以下の様になります。
時期 | 企業規模 |
現行 | 51人以上 |
2027年10月 | 36人以上 |
2029年10月 | 21人以上 |
2032年10月 | 11人以上 |
2035年10月 | 企業規模要件なし |
法務省は最短で24時間以内に会社を設立する手続きを終わらせる仕組みを整備する。会社設立時に必要となる定款をネットを用いて作成する簡易ツールを開発し2025年度に導入する。現行では、定款を作成し公証役場の公証人の認証を受けた後に、法務局で会社設立の登記を行いますが、簡易ツールを利用した場合、公証役場と法務局で優先して審査することになります。なお。対象となる会社は、①取締役会がない、②普通株式のみを発行、③非公開会社、等の条件を満たす場合に限ります。
年金改革法案では、在職老齢年金制度(現行では、65歳以上の就業者は厚生年金と賃金の合計が月50万円を超えると、受取る厚生年金がその超える金額の1/2相当が減る)が見直されます。その減額基準が、2026年4月からは、月62万円までならば満額支給となります。
政府は事業者に代わって土地の所有者やその住所を確認する仕組みを整える。国や都道府県が補助金を出すといった一定の公益性のある事業を対象に数日で権利関係を調べて通知できるようにする。
工場などを立地する際、予定地内に所有者不明の土地があると、相続人全ての生存や所在を確認するのは、一般的に数ヶ月から2年以上を要する場合があります。相続を重ねた結果、土地の相続人が数百人にのぼる例もある。
自民、公明党両党は20日、与党政策責任者会議で2025年度の与党税制改正大綱を決定
した。所得税の非課税枠「年収103万円の壁」を123万円にする方針を明記した。
主な税制改正の概要については、税務情報で紹介します。
公正取引委員会は12日、ライターやカメラマンの原稿料などを不当に引き下げたのは下請法違反にあたるとして、出版大手のKADOKAWAと子会社に再発防止などを求める勧告を出した。
11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス保護法)が施行され、フリーランスが安定的に働く環境を整備する目的で制定されたもので、事業者(発注元)はフリーランスに対して業務委託した場合には、発注先に業務内容や報酬額等の取引条件を書面やメールで明示することを義務付けや禁止行為等の順守すべき7項目が定められています。この「フリーランス」とは、業務委託の相手方(発注先)で次の事業者となっています。
1. 個人の場合で従業員を使用していない。
2. 法人の場合で代表者1名以外に従業員を使用していない。
この従業員の使用とは、1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、継続して31日以上雇用することが見込まれる労働者を雇用するというものであり、事業に同居親族のみを使用している場合には、従業員の使用に該当しません。なお、法人において、他に同居親族役員がいるこの場合には、従業員の使用に該当することになります。
このフリーランス保護法は、業種・業界に限定されることなく、従業員を雇用せずに一人の個人として業務委託を受ける事業者に適用されるものとなっています。
厚生労働省が月額88千円(年額106万円)以上とするパート労働者の厚生年金適用要件を撤廃する方向で調整に入った(2025年の制度改正で撤廃する方針)。労働時間が週20時間未満で働くとこれまでの労働時間要件は残し社会保険の適用対象外となる見込みです。
現在、所得税が課税される、いわゆる「103万円の壁」問題が議論されていますが、同時に社会保険料の負担問題の壁も合せて議論されることになるでしょう。
配偶者の給与収入額(年収) | 住民税の課税 | 所得税の課税 | 社会保険料の負担 | 配偶者特別控除の減額(注1) |
188万円超 | 有り | | 控除の適用無し |
188万円以下150万円超 | 有り | |
150万円以下130万円超 | 有り | | 無し |
130万円以下106万円超 | 有り | 従業員数51人以上会社:有り | 無し |
106万円以下103万円超 | 有り | 無し |
103万円以下100万円超 | 有り | 無し |
100万円以下 | 無し |
注1:配偶者特別控除額は、給与所得者とその配偶者の各合計所得金額の組合せで決まりますが、給与所得者の合計所得金額が1,000万円超(給与収入額では1,195万円超)には、配偶者特別控除の適用は無く控除額はありません。又、配偶者の給与収入額が150万円超から188万円以下の間で段階的に配偶者特別控除額が減少していきます。
10月から、パート労働者の厚生年金の加入対象が拡大となる。これまでは従業員101人以上の企業に限られていたが、51人以上の企業も適用となる。なお、適用要件には、雇用契約で週所定労働時間20時間以上、月額賃金88千円以上、等があり、その要件に該当するパート者が含まれることになります。