国土交通省が16日公表した2025年の基準地価は、住宅地や商業地といった全用途平均の全国の上昇率が1.5%だった。4年連続で上昇した。海外からの投資マネーが流入する東京圏がけん引役となった。
2025年基準地価の変動率(7月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):
地域 | 住宅地 | 商業地 | 全用途 |
| 2025年 | 前年 | 2025年 | 前年 | 2025年 | 前年 |
全国平均 | 1.0 | 0.9 | 2.8 | 2.4 | 1.5 | 1.4 |
三大都市圏 | 3.2 | 3.0 | 7.2 | 6.2 | 4.3 | 3.9 |
東京圏 | 3.9 | 3.6 | 8.7 | 7.0 | 5.3 | 4.6 |
大阪圏 | 2.2 | 1.7 | 6.4 | 6.0 | 3.4 | 2.9 |
名古屋圏 | 1.7 | 2.5 | 2.8 | 3.8 | 2.1 | 2.9 |
地方圏 | 0.1 | 0.1 | 1.0 | 0.9 | 0.4 | 0.4 |
中核地方4市 | 4.1 | 5.6
| 7.3
| 8.7
| 5.3
| 6.8
|
地価が最も高かった地点は20年連続で東京・銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。1平方メートル当たりの地価は4,690万円で前年比11.4%伸びた。
公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。
| 公示地価 | 基準地価 | 路線価 | 固定資産税評価額
|
調査主体 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 | 市町村 |
調査地点数 | 約26,000 | 約21,000 | 約320,000 | 多数 |
調査時点 | 1月1日 | 7月1日 | 1月1日 | 1月1日(原則3年に1回、 次回は2027年) |
公開時期 | 3月 | 9月 | 7月又は8月 | 3月 |
公開サイト | 国交省(土地総合情報ライブラリー) | 国交省(土地総合情報ライブラリー) | 国税庁 | 資産評価システム研究センター |
その他 | 調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。 | 調査対象は地方の調査地点が多く、 不動産鑑定士の評価を参考に調査し、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から | 相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準 | 土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準 |
パート主婦(短時間労働者)の中で年間パート給与収入が一定額を超えると税金、社会保険料等の負担増になることから就業調整するケースを聞くことがあります。いわゆる「年収の壁」と言われていますが、税制改正などにより令和7年度から、その年収の壁が多少ですが上昇していますので紹介したいと思います。
以下は、年間給与収入額に対する各種の年収の壁を纏めてみたものです。
(パート年間給与収入額 | 影響する項目 | 影響する人 | 影響する内容 |
106万円未満
| 社会保険 | パート者本人 | 社会保険に加入義務なし |
106万円以上 | 社会保険加入 | 従業員数51人以上の企業に勤務しているパート者本人(週の所定労働時間20時間以上等の加入要件対象者) | パート者本人が社会保険に加入義務発生。今後、社会保険加入対象者の適用拡大予定(注1参照) |
110万円以下 | 住民税 | パート者本人 | 住民税は非課税内 |
110万円超 | 住民税 | パート者本人 | 住民税が発生する |
123万円以下 | 夫の配偶者控除 | 夫 | 夫の配偶者控除(38万円満額控除):但し、夫の給与収入額が10百万以下のケース(注2参照) |
123万円超~
160万円以下 | 夫の配偶者特別控除 | 夫 | 夫の配偶者特別控除(38万円満額控除)
|
160万円超~
201.6万円以下
| 夫の配偶者特別控除 | 夫 | 夫の配偶者特別控除(収入額の増加に応じて、36万円から減額されていき3万円控除)
|
201.6万円超 | 夫の配偶者特別控除 | 夫 | 夫の配偶者特別控除(控除額0円となる) |
130万円以下 | 夫の社会保険の被扶養者基準 | パート者本人(既に、社会保険加入者は除く) | 夫の社会保険の被扶養者として、パート者本人は第3号被保険者を継続 |
130万円超 | 夫の社会保険の被扶養者基準 | パート者本人(既に、社会保険加入者は除く) | 夫の社会保険の被扶養者基準であり、本人が第3号被保険者から外れ、パート者本人の社会保険料(国民年金・国民健康保険料等)への加入が必要となる |
160万円以下 | 所得税課税 | パート者本人 | 所得税は非課税内 |
160万円超 | 所得税課税 | パート者本人 | 所得税が発生する |
以上から、今後の適用改正が無い限り、通常、年間パート給与収入は、130万円以下ならば、給与所得課税、社会保険料、配偶者控除・特別控除にも影響しないことになります。
注1:社会保険加入条件
A. 短時間労働者の社会保険加入条件
2025年9月現在、パート・アルバイトなどの短時間労働者が社会保険の加入対象者の加入要件は、以下の5項目の全てを満たす場合となっていました。
短時間労働者の社会保険の加入条件:
①週の所定労働時間が20時間以上(残業時間は含まれません)
②賃金が月額8.8万円以上(年間106万円)(残業代や賞与、通勤手当、臨時の手当は含まれません)
③従業員数51人以上の企業に勤務している
④2カ月を超える雇用の見込みがある
⑤学生でない(学生は加入対象外ですが、休学中や定時制、通信制の学生は加入対象となります)
今回の改正では、②の賃金要件と③の企業規模要件の2つとなっています。
②の賃金要件は、3年以内の政令で定める日で撤廃となります。
③の企業規模要件は、現行の従業員数51人以上から、次の様に段階的に縮小していきます。
施行時期 | 企業規模要件 |
2027年10月から | 従業員数 36人以上 |
2029年10月から | 従業員数 21人以上 |
2032年10月から | 従業員数 11人以上 |
2035年10月から | 従業員数 1人以上(全ての企業対象) |
上記の短時間労働者の加入要件の見直しのほか「個人事業所の適用対象の拡大」と「新たに加入対象となる短時間労働者および事業主への支援」もおこなわれます。
個人事業所における適用範囲の拡大:
現在、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業所は、法律で定める17業種に当てはまる場合は社会保険に加入しますが、農業、林業、漁業、飲食サービス、宿泊業などの業種は加入対象外となっています。しかし2029年10月から、常時5人以上の従業員を雇用している場合には、全ての業種が加入対象となります。なお、2029年10月時点ですでに存在している事業所は、当分のあいだ対象外となります。
今回の改正法により、新たに社会保険の加入対象となるパート・アルバイトなどの短時間労働者、そして社会保険料を追加負担することとなる事業主に対し、経済的な支援が実施されます。短時間労働者に対しては、3年間事業主が追加負担することで、社会保険料の負担を軽減できる措置が、事業主に対しては追加負担した保険料について、国などが全額を支援します。
B. 通常の常時雇用者の社会保険加入条件:
社会保険に加入するための条件は、主に雇用形態、勤務時間等に基づいていますが、企業で働く従業員は、次のいずれかの条件に該当する場合、健康保険および厚生年金保険(いわゆる社会保険)への加入が義務付けられます。
①常時雇用されている従業員(注)であること
注:「常時雇用」とは、長期的・継続的に雇用されている、またはその見込みがある状態を指します。具体的には、以下のようなケースが該当します。
• 雇用契約に期間の定めがない(無期雇用)
• 有期契約であっても、過去1年以上継続して雇用されている
• 又は、雇用時点で1年以上の継続雇用が見込まれる
②週の所定労働時間および所定労働日数が、正社員の4分の3以上(4分の3基準)
であること
C. 社会保険加入から除外される雇用者:
以下のいずれかに該当する人は、厚生年金保険および健康保険に加入することができません。
厚生年金保険・健康保険共通:
・継続雇用期間が1カ月以内の日雇い労働者
・2カ月以内の期間を定めて使用される人
・所在地が一定しない事業所に使用される人
・雇用期間4カ月以内で、季節的業務に使用される人
・雇用期間6カ月以内で、臨時的事業の事業所に使用される人
・船員保険の被保険者の人
・国民健康保険組合の事業所に使用される人
健康保険のみ:
・75歳以上の後期高齢者医療制度の被保険者の人
厚生年金保険のみ:
・70歳以上の人
注2:配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の変動
配偶者控除及び配偶者特別控除は、配偶者の所得金額の並びに給与所得者(夫)の所得金額に応じて控除金額が決まっています。給与所得者(夫)の所得金額が1,000万円超(給与収入額で1.195万円になりますと、いずれの控除額はゼロとなります。
都道府県ごとに決める2025年度の最低賃金の全国加重平均が過去最高の時給1121円になる見通しとなった。現在の1055円から66円増え、過去最大の引き上げ額となる。
東京の1226円が最も高く、高知、宮崎、沖縄の1023円が最も低い。
経済産業省は企業の国内設備投資を促す税制「大胆な投資促進税制」の創設を2026年度の税制改正要望に盛り込む。5年間の時限措置として投資額の一定割合を法人税から差し引ける(税額控除)ようにする。
不動産の賃貸借期間で、当初の一定期間(3か月間、等)の賃料が無償とするフリーレントを定める賃貸借契約を締結する場合がありますが、その経理処理は、通常、①賃料の支払日に計上、又は、②賃料総額を賃借期間で案分して計上の2通りがあります。その場合、新リース会計基準の適用との関連から、税務処理を含めて次の様に取扱われることになります。
新リース会計基準の適用対象企業か否か | 適用する経理処理 |
適用対象企業(上場企業等) | 賃料総額を賃貸借期間で按分して、当賃貸借期間中の各事業年度に計上する。 |
適用対象外企業(中小企業等) | 新リース会計基準に準じた会計処理を行っている | 賃料総額を賃貸借期間で按分して、当賃貸借期間中の各事業年度に計上する。 |
上記以外の会計処理を行っている | 賃料の支払日に属する各事業年度に計上する。但し、税務上では課税上弊害が無いこと。 |
上記から、中小企業は、フリーレント期間があっても賃料の支払日に経理処理することで問題はないことになります。なお、税務上は、損金(借手側)・益金(貸手側)経理が適用要件となっており、令和7年4月1日以後の開始事業年度からの適用となっています。
ライフスタイルや家族構成等の多様化を踏まえた年金制度を構築するとともに、所得再分配機能の強化や私的年金制度の拡充等により高齢期における生活の安定を図るため、①社会保険加入対象者の適用拡大、②在職老齢年金制度の見直し、③遺族年金制度の見直し、④標準報酬月額の上限の段階的引上げ、⑤私的年金制度の見直し、⑥将来の基礎年金の給付水準の底上げ等の措置を講ずることになりました。
(1)社会保険加入対象者の適用拡大
2025年6月現在、パート・アルバイトなどの短時間労働者が社会保険の加入対象者の加入要件は、以下の5項目となっていました。
短時間労働者の社会保険の加入条件:
①週の所定労働時間が20時間以上
②賃金が月額8.8万円以上(年間106万円)
③従業員数51人以上の企業に勤務している
④2カ月を超える雇用の見込みがある
⑤学生でない
今回の改正では、②の賃金要件と③の企業規模要件の2つとなっています。
②の賃金要件は、3年以内の政令で定める日で撤廃となります。
③の企業規模要件は、現行の従業員数51人以上から、次の様に段階的に縮小していきます。
施行時期 | 企業規模要件 |
2027年10月から | 従業員数 36人以上 |
2029年10月から | 従業員数 21人以上 |
2032年10月から | 従業員数 11人以上 |
2035年10月から | 従業員数 1人以上(全ての企業対象) |
上記の短時間労働者の加入要件の見直しのほか「個人事業所の適用対象の拡大」と「新たに加入対象となる短時間労働者および事業主への支援」もおこなわれます。
個人事業所における適用範囲の拡大:
現在、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業所は、法律で定める17業種に当てはまる場合は社会保険に加入しますが、農業、林業、漁業、飲食サービス、宿泊業などの業種は加入対象外となっています。しかし2029年10月から、常時5人以上の従業員を雇用している場合には、全ての業種が加入対象となります。なお、2029年10月時点ですでに存在している事業所は、当分のあいだ対象外となります。
今回の改正法により、新たに社会保険の加入対象となるパート・アルバイトなどの短時間労働者、そして社会保険料を追加負担することとなる事業主に対し、経済的な支援が実施されます。短時間労働者に対しては、3年間事業主が追加負担することで、社会保険料の負担を軽減できる措置が、事業主に対しては追加負担した保険料について、国などが全額を支援します
(2)在職老齢年金制度の見直し
年金を受給しながら働く高齢者が、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする、在職老齢年金の見直しをします。
2026年4月から、減額基準限度額が月額50万円から62万円に引き上げられます。
(3)遺族年金制度の見直し
遺族年金を見直し、遺族厚生年金の男女差を解消します。また、こどもが遺族基礎年金を受け取りやすくします。
(4)標準報酬月額の上限の段階的引上げ
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引上げを行い、一定以上の月収のある方に、賃金に応じた保険料を負担いただくことで、現役時代の賃金に見合った年金を受け取りやすくします。 厚生年金等の標準報酬月額の上限が、現行の65万円から次の様に段階的引上げられます。
適用開始時期 | 標準報酬月額の上限 |
2027年9月から | 680,000円 |
2028年9月から | 710,000円 |
2029年9月から | 750,000円 |
(5)私的年金制度の見直し
3年以内に、iDeCoに加入できる年齢の上限を引き上げ、企業型DCの拠出限度額の拡充、企業年金の運用の見える化などを行います。
(6)将来の基礎年金の給付水準の底上げ
国会における審議の中で、今後の社会経済情勢を見極めた上で、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に、基礎年金と厚生年金のマクロ経済スライドを同時に終了させる措置を講じる旨の規程が追加されました。
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基礎となる2025年分の路線価(1月1日時点)を発表した。全国約32万地点の標準宅地の全国平均で前年比2.7%となった。上昇は4年連続。現在の算出方法となった10年以降では最大の伸び率で、2年連続で過去最大を更新した。
都道府県別の路線価は、北海道、宮城県、千葉県、東京、愛知県、福岡県、沖縄県など35都道府県で上昇し、昨年より6都道府県増えた。 首都圏では東京都(上昇率8.1%、前年の上昇率5.3%)、千葉県(上昇率4.3%、前年の上昇率4.0%)、神奈川県(上昇率4.46%、前年の上昇率3.6%)、埼玉県(上昇率2.1%、前年の上昇率2.1%)でした。最も上昇率が高かったのは、東京都の8.1%で2番目が、沖縄県の6.3%(前年は5.6%)でした。
路線価とは、 主要道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2025年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約32万地点。 公示地価の8割を目安に、国税庁が売買実例や不動産鑑定士の意見などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 40年連続でお馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り(文具店「鳩居同」前)の1平方メートル当たり48,080千円(前年44,240千円)でした。
2025年度の税制改正で防衛力強化のための財源を確保することを目的として、法人税額に対し税率4%の新たな付加税として、防衛特別法人税が創設されています。
(1)税額計算
(基準法人税額(注1)-基礎控除年500万円(注2)×4%=防衛特別法人税額
注1:基準法人税額
基準法人税額は、法人税の計算で通常認められる「所得税額控除、外国税額控除」などを適用しないで算出した法人税額。
注2:基礎控除
年500万円の定額控除。通算法人等の場合は、各社の「基準法人税額」の比率で500万円を按分します。
(2)繰戻還付の計算
法人税の還付金額×4%×(基準法人税額-基礎控除年500万円)÷基準法人税額=防衛特別法人税額に係る還付金額
注:適用開始時期:令和8年4月1日以後(中間申告:令和9年4月1日以後)に開始する事業年度から適用となります。
注:事業年度が1年未満の場合、500万円を12で除し、その事業月数(1月未満は切上げ)を乗じて基礎控除額を計算します。
注:基準法人税額が500万円以下の場合、防衛特別法人税額がゼロであっても当該申告書の提出が必要となります。
世界銀行は10日、すべての新興地域で2025年の経済成長率見通しを下方修正した。世界全体でも2.3%と1月時点の見通しから0.4ポイント下げた。新型コロナウイルス禍を除けばリーマン危機以来の低水準だ。
国税庁は30日、2024年分の個人の確定申告状況を発表した。国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用率は74%(前年比5ポイント増)で過去最高となった。