防衛特別法人税の2026年4月1日以後の開始事業年度より適用

2025年度の税制改正で防衛力強化のための財源を確保することを目的として、法人税額に対し税率4%の新たな付加税として、防衛特別法人税が創設されています。

(1)税額計算

(基準法人税額(注1)-基礎控除年500万円(注2)×4%=防衛特別法人税額
注1:基準法人税額

基準法人税額は、法人税の計算で通常認められる「所得税額控除、外国税額控除」などを適用しないで算出した法人税額。

注2:基礎控除

年500万円の定額控除。通算法人等の場合は、各社の「基準法人税額」の比率で500万円を按分します。

(2)繰戻還付の計算

法人税の還付金額×4%×(基準法人税額-基礎控除年500万円)÷基準法人税額=防衛特別法人税額に係る還付金額

注:適用開始時期:令和8年4月1日以後(中間申告:令和9年4月1日以後)に開始する事業年度から適用となります。

注:事業年度が1年未満の場合、500万円を12で除し、その事業月数(1月未満は切上げ)を乗じて基礎控除額を計算します。

注:基準法人税額が500万円以下の場合、防衛特別法人税額がゼロであっても当該申告書の提出が必要となります。

世界成長2.3%に下振れ 米関税響く

世界銀行は10日、すべての新興地域で2025年の経済成長率見通しを下方修正した。世界全体でも2.3%と1月時点の見通しから0.4ポイント下げた。新型コロナウイルス禍を除けばリーマン危機以来の低水準だ。

令和7年度以降の所得税における基礎控除引上げ

以前に税制改正による基礎控除引上げを記載いたしましたが、基礎控除の上乗せ特例の部分が洩れておりましたので追加記載いたします。

1.基礎控除の通常引上げ

物価上昇への対応として、令和7年分以後の所得税から、合計所得金額が2,350万円以下である個人に関しては、所得税の基礎控除の金額が48万円から58万円に10万円のアップとなります。なお、個人住民税については、基礎控除の控除額(43万円)の引上げは実施されません。

注:改正は、令和7年分以後の所得税について適用(年末調整時)とされますが、給与等及び公的年金等の源泉徴収については、令和8年1月1日以後に支払ものから適用となります。

令和7年以後の所得税の基礎控除額は以下の金額となります。

合計所得金額基礎控除額
現行改正
2,350万円以下480,000円580,000円
2,350万円超 2,400万円以下480,000円
2,400万円超 2,450万円以下320,000円320,000円
2,450万円超 2,500万円以下160,000円160,000円
2,500万円超0円0円

実務上の留意点:

(1)基礎控除について上乗せ特例があります(令和7年分と令和8年分、並びに令和9年分以降の各年分)

(2)令和7年度の年末調整における適用規定

①令和7年12月1日以後に給与支払いによる年末調整を行う場合には、改正後の規定を適用

*従業員に、改正による新たに扶養親族等の対象となった親族等がいる場合には、「扶養親族等(異動)申告書」の提出が必要

*特定親族特別控除の適用を受ける従業員から「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要

②令和7年11月30日以前に給与支払いによる年末調整を行う場合には、改正前の規定を適用

(3)給与所得等の源泉徴収税額表の改正については、令和8年1月1日以後に支払ものから適用

(4)令和7年11月30日以前での死亡や出国等に伴う年末調整、準確定申告等

令和7年11月30日以前には、改正前の制度内容*に基づき年末調整事務を行います。この場合、令和7年分の改正制度を適用するには、確定申告を行うことが必要となります。又、準確定申告された場合にも、5年以内の更正の請求で改正制度の適用ができます。

 

1-2. 基礎控除の上乗せ特例

中所得者層を含めた税負担の軽減を行う観点から、所得税の基礎控除の上乗せ特例が創設され課税最低限が、以下の様に給与収入額160万円(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)に引き上げられました。

(1)令和7年分と令和8年分の2年間限定

合計所得金額基礎控除額
現行改正(上乗せ)
132万円以下480,000円950,000円改正(上乗せ)
132万円超 336万円以下880,000円
336万円超 489万円以下680,000円
489万円超 655万円以下630,000円
655万円超 2,350万円以下580,000円
2,350万円超 2,400万円以下480,000円
2,400万円超 2,450万円以下320,000円880,000円320,000円
2,450万円超 2,500万円以下160,000円160,000円
2,500万円超0円0円

(2)令和9年分以後の各年分

合計所得金額が132万円以下である場合のみ上乗せとなります。

合計所得金額
基礎控除額
現行 改正(上乗せ)
132万円以下480,000円950,000円
132万円超 2132万円以下,350万円以下580,000円
2,350万円超 2,400万円以下480,000円
2,400万円超 2,450万円以下320,000円320,000円
2,450万円超 2,500万円以下160,000円160,000円
2,500万円超0円0円

基礎控除の引上げに伴い、令和7年分以後の所得税(年末調整を考慮して、令和7年12月1日から施行)から、控除判定の要件となる合計所得金額等も10万円のアップとなります。

項目現行改正
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件480,000円以下580,000円以下
ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件480,000円以下580,000円以下
勤労学生の合計所得金額要件750,000円以下850,000円以下
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例における必要経費の最低保証額550,000円以下650,000円以下

2.給与所得控除の最低保障額の引上げ

物価上昇への対応とともに、就業調整にも対応するという観点から、令和7年分以後の所得税(及び個人住民税)から、給与所得控除額の最低保障額の金額が55万円から65万円に10万円のアップとなります。

改正は、令和7年分以後の所得税について適用(年末調整は、令和7年12月1日以後に支払う給与分から適用となり、その支払いが12月1日前であるものについては、なお従前の取扱いとなります)とされますが、給与所得の源泉徴収税額表の改正については、令和8年1月1日以後に支払ものから適用となります。

 

給与等の収入金額別の給与所得控除額は以下の様になります。

給与等の収入金額給与所得控除額
現行改正
1,625,000円まで550,000円650,000円
1,625,001円~1,800,000円収入金額×40%―100,000円
1,800,001円~1,900,000円収入金額×30%+80,000円
1,900,001円~3,600,000円収入金額×30%+80,000円
3,600,001円~6,600,000円収入金額×20%+440,000円収入金額×20%+440,000円
6,600,001円~8,500,000円収入金額×10%+1,100,000円収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)1,950,000円(上限)

3.所得税・個人住民税の特定親族特別控除の新設

現下の厳しい人出不足の状況において、特に大学生のアルバイトの就業調整について、税制が一因となっているということから、令和7年分以後の所得税(及び個人住民税)から、扶養親族の合計所得金額が58万円を超えると扶養控除による控除ができないことになりますので、19歳以上23歳未満の同一生計の親族(大学生世代の子ども等)がいる場合において、その親族等(配偶者及び青色事業専従者等を除く)の合計所得金額が123万円以下であるときは、一定の金額を控除(特定親族特別控除額)できることになります。なお、合計所得金額が85万円(給与収入150万円相当)までは、親等が特定扶養控除と同額(63万円)の所得控除が受けられます。

 

親等の特定親族特別控除額は、その親族等(子ども等)の合計所得金額によって、以下のように段階的に変わります。

親族等(19歳以上23歳未満)の合計所得金額特定親族特別控除
所得税控除額(円)住民税控除額(円)
58万円超 85万円以下630,000450,000
85万円超 90万円以下610,000
90万円超 95万円以下510,000
95万円超 100万円以下410,000410,000
100万円超 105万円以下310,000310,000
105万円超 110万円以下210,000210,000
110万円超 115万円以下110,000110,000
115万円超 120万円以下60,00060,000
120万円超 123万円以下30,00030,000
123万円超00

国の借金1323兆円で最大 昨年度末

財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が、2024年度末時点で1323兆7155億円になったと発表した。前年度から26兆5540億円増えて、9年連続で過去最高を更新した。

国の借金1323兆円で最大 昨年度末

財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が、2024年度末時点で1323兆7155億円になったと発表した。前年度から26兆5540億円増えて、9年連続で過去最高を更新した。

退職所得関連の改正(令和8年1月より適用)

令和7年度税改正により退職所得関連で改正がありました。

(1)退職所得控除額の計算における勤続期間等の重複排除の特例に関する改正
一定期間内に会社の退職金や老齢一時金(確定拠出年金法の老齢給付金として支給される一時金)を複数回受け取った場合において、その勤続期間が重複する時は、退職所得控除の計算において重複する勤続期間の退職所得控除相当額を控除した残額が控除額となる調整規定が適用されます。この調整対象となる期間は通常は5年以内で判定を行うが、後で老齢一時金を受け取る場合には、過去20年間で判定を行うことになっていました。

今回、この取扱いにより老齢一時金を先に受取るか、後で受取るかで控除額計算で有利不利が生じるため、会社の退職金(老齢一時金(確定拠出年金法の老齢給付金として支給される一時金)を除く退職所得手当等)よりも前に老齢一時金を受け取った場合には、その老齢一時金等について、退職所得控除額の計算における勤続期間等の重複排除の特例の対象とされ、前年以前9年以内(現行:4年以内)の老齢一時金を調整対象に含めることに改正されます(令和8年1月1日以降に老齢一時金の支払を受けており、その後に退職手当等について適用)。

退職手当の受取順別の勤続期間等の重複排除期間は以下の様になります。

[table id=341 /

又、老齢一時金に係る退職所得の受給に関する申告書の保存期間が、10年(現行7年)とされます。 この改正は、令和8年1月1日以後に支払いを受けるべき退職手当等について適用されます。

 

(2)職所得等の源泉徴収票・特別徴収票の提出範囲を見直し(居住者の全員)

令和8年1月1日以降に税務署・自治体へ提出すべき退職所得等の源泉徴収票・特別徴収票(記載事項に見直し有り)より、全ての居住者への支払について一律で提出が義務化となります(現行:役員のみ)。この提出は、退職日ベースではなく、支払日ベースで判断することになっています。

ITシニア人材の価値、生成AIで際立つ

高年齢者雇用安定法の改正に伴う経過措置期間が2025年3月で終了した。同年4月以降、企業は希望する従業員全員を対象に、65歳までの雇用機会を確保することを義務付けられた。高齢化が進行する中で、シニア層の従業員が意欲と能力に応じて働き続けられるようにする。

人材不足が続くIT(情報技術)業界では、これまでもシニア人材の登用が注目されてきた。

令和7年度税改正法の可決・成立

令和7年度税制改正法が成立しました。所得税におきましては、基礎控除の引上げ、配偶者控除や扶養控除の合計所得金額要件に引上げ等の他、「基礎控除の特例」や「特定親族特別控除」が新たに創設されています。
1.基礎控除の引上げ
物価上昇への対応として、令和7年分以後の所得税から、合計所得金額が2,350万円以下である個人に関しては、所得税の基礎控除の金額が48万円から58万円に10万円のアップとなります。なお、個人住民税については、基礎控除の控除額(43万円)の引上げは実施されません。
注:改正は、令和7年分以後の所得税について適用(年末調整時)とされますが、給与等及び公的年金等の源泉徴収については、令和8年1月1日以後に支払ものから適用となります。
令和7年以後の所得税の基礎控除額は以下の金額となります。

合計所得金額基礎控除額
現行改正
2,350万円以下480,000円580,000円
2,350万円超 2,400万円以下480,000円
2,400万円超 2,450万円以下320,000円320,000円
2,450万円超 2,500万円以下160,000円160,000円
2,500万円超0円0円

基礎控除の引上げに伴い、令和7年分以後の所得税から、控除判定の要件となる合計所得金額等も10万円のアップとなります。

項目 現行改正
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件 480,000円以下 580,000円以下
ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件 480,000円以下580,000円以下
勤労学生の合計所得金額要件750,000円以下850,000円以下
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例における必要経費の最低保証額 550,000円以下650,000円以下

2.給与所得控除の最低保障額の引上げ
物価上昇への対応とともに、就業調整にも対応するという観点から、令和7年分以後の所得税(及び個人住民税)から、給与所得控除額の最低保障額の金額が55万円から65万円に10万円のアップとなります。
改正は、令和7年分以後の所得税について適用(年末調整時)とされますが、給与所得の源泉徴収税額表の改正については、令和8年1月1日以後に支払ものから適用となります。
なお、令和7年分及び令和8年分の時限措置として、「基礎控除の特例」が創設され給与等の収入金額別の給与所得控除額は以下の様になります。

給与等の収入金額給与所得控除額
現行改正
1,625,000円まで550,000円650,000円
1,625,001円~1,800,000円収入金額×40%―100,000円
1,800,001円~1,900,000円収入金額×30%+80,000円
1,900,001円~3,600,000円収入金額×30%+80,000円
3,600,001円~6,600,000円収入金額×20%+440,000円収入金額×20%+440,000円
6,600,001円~8,500,000円収入金額×10%+1,100,000円収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)1,950,000円(上限)

3.所得税・個人住民税の特定親族特別控除の創設
現下の厳しい人出不足の状況において、特に大学生のアルバイトの就業調整について、税制が一因となっているということから、令和7年分以後の所得税(及び個人住民税)から、扶養親族の合計所得金額が58万円を超えると扶養控除による控除ができないことになりますので、19歳以上23歳未満の同一生計の親族(大学生世代の子ども等)がいる場合において、その親族等(配偶者及び青色事業専従者等を除く)の合計所得金額が123万円以下であるときは、一定の金額を控除(特定親族特別控除額)できることになります。なお、合計所得金額が85万円(給与収入150万円相当)までは、親等が特定扶養控除と同額(63万円)の所得控除が受けられます。

親等の特定親族特別控除額は、その親族等(子ども等)の合計所得金額によって、以下のように段階的に変わります。

親族等(19歳以上23歳未満)の合計所得金額特定親族特別控除
所得税控除額(円)住民税控除額(円)
58万円超 85万円以下630,000450,000
85万円超 90万円以下610,000
90万円超 95万円以下510,000
95万円超 100万円以下410,000410,000
100万円超 105万円以下310,000310,000
105万円超 110万円以下210,000210,000
110万円超 115万円以下110,000110,000
115万円超 120万円以下60,00060,000
120万円超 123万円以下30,00030,000
123万円超00

4.実務上の年末調整対応
令和7年度中の源泉徴収は改正前の税額表により行うことになります。
(1) 令和7年12月1日以降の年末調整
改正制度の内容に基づき年末調整事務を行います。
(2) 令和7年11月30日以前での死亡や出国等に伴う年末調整等
改正前の制度内容に基づき年末調整事務を行います。この場合、令和7年分の改正制度を適用するには、確定申告で行うことになります。又、準確定申告された場合には、5年以内の更正の請求で改正制度の適用ができます。

全銀協、電子交換所を終了 2027年4月

全国銀行協会(全銀協)は紙の約束手形、小切手を決済する電子交換所の運営を2027年4月に終了する。その後は、決めた期日に金融機関の間で代金を自動送金する「電子記録債権」などの電子決済手段への移行となります。