公示価格、 8年ぶり上昇 2016年平均0.1% 緩和マネー浸透

リーマン・ショック後の地価下落が止まった。 国土交通省が22日発表した2016年1月1日時点の公示価格は全国平均(全用途)で前年比0.1%上昇し、 2008年以来プラスに転じた。 緩やかな景気回復の下で訪日客が急増し、 大都市の商業地で店舗やホテルの重要が高まった。 日銀による金融緩和マネーも流入した。 地方圏の商業地や住宅地は下落が続いた。

2016年公示地価の変動率(1月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):

地域住宅地商業地全用途
2016年前年2016年前年2016年前年
全国平均▲0.2▲0.40.90.00.1▲0.3
三大都市圏0.50.42.91.81.10.7
東京圏0.60.5 2.72.01.10.9
大阪圏0.10.03.31.50.80.3
名古屋圏0.80.82.71.41.30.9
地方圏▲0.7▲1.1▲0.5▲1.4▲0.7▲1.2

公的機関が公表する土地価格情報には、以下のものがあります。

 公示地価基準地価路線価固定資産税評価額
調査主体国土交通省都道府県国税庁市町村
調査地点数約25,200約21,700約334,000多数
調査時点1月1日7月1日1月1日1月1日(原則3年に1回、次回は2015年)
公開時期3月9月7月または8月3月
公開サイト国交省(土地総合情報ライブラリー)国交省(土地総合情報ライブラリー)国税庁資産評価システム研究センター
その他調査対象は都市部の比重が高い。標準値の公示地価は一般の土地取引価格(更地価格)の指標となるだけでなく、公共事業用地の取得価格算定や国土利用計画法に基ずく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。調査対象は地方の調査地点が多く、一般の土地取引価格の指標となる。好評は国交省から。相続税・贈与税の基準となる地価で、公示地価の8割程度の水準土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、公示価格の7割程度の水準

レジ補助200万円まで 軽減税率対応、 中小に限定 経産省方針

経済産業省は小売業者などが消費税の軽減税率導入に向けて実施するレジの改修や買い替えを支援する補助金を1事業者あたり200万円までに制限する方針だ。対象が中小の事業者に限定する。金額に上限を設け、より多くの中小企業を支援できるようにする。

補助金:実額費用の3分の2の金額が上限

補助金支給の対象者:

1.小売業では資本金5千万円以下、または従業員50人以下

2.宿泊施設などのサービス業では資本金5千万円以下、または従業員100人以下

 

尚、補助金申請は、小規模な事業者には手間が大きいことからレジメーカーや販売店などによる代理申請を可能としています。この4月から受付を始める見通しとのことです。

預金金利最低水準に住宅ローンも低下

日銀のマイナス金利政策決定を受け、 民間銀行が預金金利の引き下げを始めた。 預金を集め、 日銀に預けても一部にマイナス金利が適用されてしまうため。 すでに過去最低水準にある住宅ローン金利も下げる方向だ。 異例のマイナス金利政策の影響が家計や企業に広がってきた。

「マンション節税」防止 相続税 高層階、 評価額上げ

総務省と国税庁は2018年にも、 価格の割に相続税が安くて済む高層マンションを節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入った。 現在は階層や購入価格にもかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を高層階に行くほど引き上げ、 節税効果を薄める。 高層階の物件は相続税の負担が重くなる一方、 低層階を中心に税金が軽くなる人も出てきそうだ。

空き家「準公営住宅」に家賃補助子育て世帯支援

国土交通省は全国で増え続ける空き家を公営住宅に準じる住宅として活用する。 耐震性などの基準を満たす空き家の民間アパートや戸建て住宅を「準公営住宅」に指定。 所有者が生活費負担が大きい子育て世帯などに貸すことを認める。 家賃の補助も検討する。 自治体の財政が厳しくなるなかで、 公営住宅の新設費用を抑える効果も見込んでいる。