NISAに長期積立枠 非課税、 20年を軸に

政府は利用が伸び悩んでいる少額投資非課税制度(NISA)をテコ入れする。 具体的には投資上限を現在の120万円の半分以下にする代わりに売却益や配当に税金がかからない期間を現行の5年から大幅に延ばす新たな枠を設ける方向で調整する。 毎月少額を積み立てるタイプの投資が対象となる。 実態に合わせて使い勝手を良くすることで視野を広げる。

現行の半分の60万円以下の投資について、 非課税期間を20年前後に延ばす枠をつくる方向。 非課税期間5年の現行制度との併用は認めず、 利用者はどちらを選ぶことを想定している。

配偶者控除「夫婦」に転換 政府税調 所得税改革で検討

政府の税制調査会は専業主婦世帯らを優遇する配偶者控除の見直しや子育て世帯の税負担軽減などを柱にした所得税改革の議論を9月から始める。 配偶者控除は夫婦であれば妻の年収にかかわらず一定額を控除できる制度への転換を軸に検討する。 自民党税制調査会も今秋から2017年度税制改正議論を始める。 ビールや発泡酒などの税額を統一する酒税の改革に踏み出せるかも焦点だ。

住宅資金贈与 拡充を延長 2年半、 消費増税先送りで

政府・与党は消費増税の延期に対応するため関連法を改正する調整に入った。 住宅資金の贈与時の非課税枠を最大3,000万円に上げる時期を10月から2年半延期する。 住宅ローン減税の期限も延ばすほか、 軽減税率の開始後に消費税率を記録するインボイス(税額票)も導入延期する。

増税先送りに合わせて、 関連する税制の見直し検討項目:

税制 制度の概要と予定 見直案
住宅資金の贈与 一定額まで贈与を非課税。

2016年10月~2017年9月に上限を最大3,000万円に引き上げ

2年半延期。 現行の1,200万円を当面維持
住宅ローン減税 ローン残高に応じて最大500万円減税。 2019年6月に終了 2年半延長
インボイス(税額票) 税金を細かく記録する伝票作成を事業者に義務付け。 2021年4月に導入。  

 

 

 

2年半延期を検討

自動車 自動車取得税の廃止と燃費で税率が変わる新税の導入。 2017年4月に導入
自治体間の税収格差是正 自治体税収の一部を国が吸い上げて自治体に再配分。 2017年4月に強化

 

年金受給 納付10年で

安倍晋三首相は11日、 参院選を受けて自民党本部で記者会見し、デフレ脱却に向け「内需を下支えできる綜合的かつ大胆な経済対策を実施したい」と表明した。 年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を、来年度から短縮する意向を示した。 現在の25年から10年に縮める。

公的年金制度では20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた人は、65歳から満額の基礎年金(国民年金)が支給される(国民年金の最高年金額は月65,000円ほどです)。 現状では25年間は保険料を納めないと年金の受給資格が得られない。 2017年から受給資格期間を25年から10年に短縮するというものです。 ただ、10年間納めただけで受給できる年金額は月16,000円程度ということです。

遺産相続 手続き簡素化 法務省 戸籍情報、 証明書1通に

法務省は5日、遺産相続の手続きを簡素化する制度を来春から始めると発表した。 戸籍関係の情報が記載された証明書の交付をいたっん法務局で受ければ、銀行やその他の行政窓口に大量の戸籍関連の書類を提出しなくとも、相続の手続きを進めることができる。 同省は今年度中に不動産登記規則を改正し、2017年度の運用開始を目指す。

新制度では、 遺産の相続人が戸籍関係の書類を法務局にいったん提出すると、被相続人と相続人の氏名や住所、生年月日など「法定相続情報」を記した証明書1通が交付される。 この証明書は別の地域の法務局でも使えるため、複数の地域で不動産を相続する際の負担が軽減できる。

路線価8年ぶりプラス 全国0.2% 都市・地方で二極化

国税庁は1日、 相続税や贈与税の算定基準となる2016年分の路線価(1月1日時点)を発表した。 約32万8千地点の標準宅地の評価額は、 全国平均で前年比0.2%のプラスとなり、 リーマン・ショック前の2008年以来、 8年ぶりに上昇に転じた。 東京、 大阪、 愛知など14都道府県(前年は10都府県)で上昇した。

 

路線価とは、 主要な道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2016年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約33万地点。 公示地価の8割を目安に売買実例などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 お馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座中央通りの1平方メートル当たり32,000千円(前年18.7%上昇)でした(ピークは1992年の36,500千円とのこと)。

消費増税延期を表明 2019年10月に10%

安倍晋三首相は1日、首相官邸で記者会見し、消費税の税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半先延ばしする方針を正式表明した。新興国経済の落ち込みなど世界経済の下振れリスクを挙げ「リスクには備えねばならない」と指摘。世界経済が新たな危機に陥ることを回避するため、政策総動員が必要だと強調した。増税再延期について7月参院選で「国民の信を問いたい」と述べた。

消費増税 2019年10月自公容認へ 財政健全化維持

2017年4月に予定した消費税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半延期することが30日、事実上決まった。安倍晋三首相の方針を自民、公明両党が受け入れる方向になった。7月の参院選にあわせて衆院選を実施する衆参同日選は見送る。軽減税率を増税時に導入する方針や財政健全化に向け基礎的財政収支を2020年度に黒字にする目標は維持する。

首相、 消費増税先送り 地震対応・景気に配慮 サミット後に表明へ

安倍晋三首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び延期する方針を固めた。国内外の経済に先行き不透明感が広がる中、4月の熊本地震による景気への影響も出ている。増税すれば政権の最重要課題であるデフレ脱却がさらに遠のくと判断した。今月26日~27日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論などを踏まえて表明する見通しだ。

カード交付申請の3割マイナンバー システム障害響く

税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を記載した「マイナンバーカードの個人への交付が遅れている。4月17日時点で個人がてにした枚数は291万枚で、申請者の29.4%にとどまる。1~3月に交付手続きを管理するシステムで障害が起き、一部で受け取れない状態にあったことが響いている。

マイナンバーカードで個人は身分証明書などとして利用でき、将来、インターネットバンキングの本人証明証あ明y商店街でポイントカードとしても使えるようにする方針だ。