相続税の取り分を決める「遺産分割」の対象に預金は含まれない。 こんな裁判のルールが見直されることになりそうだ。 話し合いや調停では預金を含めて配分を決めるのが一般的で、裁判所も実態に合わせる。
判例は預貯金を遺産分割の対象とせず、不動産や株式といった他の財産と関係なく、法定相続の割合に応じて相続人に振り分けられると考えてきた。 最近では2004年の最高裁判決が「預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される」とした。
預貯金を相続人間の話し合いで遺産分割を決めるという実務と、遺産分割の対象ではなく法定相続割合となるという判例との隔たりが指摘されていた。 早ければ年内に大法廷より判例の変更があるかもしれません。
政府・与党は2017年度税制改正で、 専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除を見直して共働きも適用する「夫婦控除」の創設を見送る方針を固めた。
そこで代替案では、配偶者控除を存続させ配偶者(妻)の年収要件を103万円から150万円に引き上げ、夫の年収制限として1,000万円以下の世帯を適用対象とする案を軸に検討することになっている。
厚生年金や健康保険といった社会保険に加入して保険料を徴収される基準が10月1日、年収130万円から106万円に下がった。 パートで働く主婦が社会保険料を嫌って就労を調整する「130万円の壁」が「106万円の壁」に代わったとも言える。 政府・与党は主婦の就労を巡るもう一つの壁である取得税の配偶者控除を見直しているが、どう整合性を取るのか。
国土交通省が20日発表した2016年7月1日時点の基準地価は、 全国商業地が前年比0.005%のプラスとわずかながら9年ぶりに上昇した。 訪日外国人が増え、 店舗やホテル用の地価が上がった。 マイナス金利でだぶついたマネーが地方の中核都市に流れ込み、 札幌、 仙台、 広島、 福岡4市の商業地上昇率は6.7%と三大都市圏の2.9%を大きく上回った。
2016年基準地価の変動率(7月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):
|
地域 |
住宅地 |
商業地 |
全用途 |
| 2016年 |
前年 |
2016年 |
前年 |
2016年 |
前年 |
| 全国平均 |
▲0.8 |
▲1.0 |
0.005 |
▲0.5 |
▲0.6 |
▲0.9 |
| 三大都市圏 |
0.4 |
0.4 |
2.9 |
2.3 |
1.0 |
0.9 |
| 東京圏 |
0.5 |
0.5 |
2.7 |
2.3 |
1.1 |
1.0 |
| 大阪圏 |
0.0 |
0.0 |
3.7 |
2.5 |
0.8 |
0.6 |
| 名古屋圏 |
0.5 |
0.7 |
2.5 |
2.2 |
1.1 |
1.1 |
| 地方圏 |
▲1.2 |
▲1.5 |
▲1.1 |
▲1.6 |
▲1.2 |
▲1.5 |
| 地方4市 |
2.5 |
1.7 |
6.7 |
3.8 |
4.0 |
2.4 |
公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。
| |
公示地価 |
基準地価 |
路線価 |
固定資産税評価額 |
| 調査主体 |
国土交通省 |
都道府県 |
国税庁 |
市町村 |
| 調査地点数 |
約25,300 |
約21,700 |
約336,000 |
多数 |
| 調査時点 |
1月1日 |
7月1日 |
1月1日 |
1月1日(原則3年に1回、 次回は2018年) |
| 公開時期 |
3月 |
9月 |
7月又は8月 |
3月 |
| 公開サイト |
国交省
(土地総合情報ライブラリー) |
国交省(土地総合情報ライブラリー) |
国税庁 |
資産評価システム研究センター |
| その他 |
調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。 |
調査対象は地方の調査地点が多く、 不動産鑑定士の評価を参考に調査し、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から |
相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準 |
土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準 |
厚生労働省と日本年金機構は、 国民年金保険料の強制徴収の対象を広げる。 現在は年間所得350万円以上の滞納者に実施しているが、 2017年度から300万円以上にする。 国民年金保険料の納付率は60%程度で低迷している。 保険料の滞納に厳しく対処し、 納付率の底上げを狙う。
政府・自民党は専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除を見直し、 共働き世帯の税負担も軽くする「夫婦控除」を早ければ2018年1月にも導入する検討に入った。 適用対象の年収は800万~1000万円など一定の上限を設ける方向。 12月にまとめる2017年度の与党税制改正大綱に盛りこみたい考えで、 政府・与党内での調整が本格化する。
現在、 配偶者控除は妻の年収103万円以下であれば、 夫の課税所得から38万円を差し引ける(所得控除)。 制度の見直しは、 少子高齢化による労働力不足が経済成長の足かせとなる懸念が高まる中、 働く意欲のある女性の社会進出を促す狙いだ。 新たな夫婦控除では低所得者に税負担の少ない制度にするため、 税額控除への移行を検討する考え。 所得税額から一定額を差し引く仕組みで、 収入に占める減税効果は低所得者の方が大きくなる。
2018年度に実施する介護保険制度改革の議論が進んできた。 厚生労働省が7日開いた社会保障審議会で、 要介護認定の有効期間を現行の最長2年から3年に延ばすことで大筋合意した。 今後の焦点は現役世代や高齢者の負担増だ。 年収の高い大企業社員の保険料を増やす「総報酬割」は導入の公算が大きくなっており、 どこまで踏み込むかが争点となる。
「要介護認定」とは、 公的な介護サービスを利用したい人にどれくらいの介護が必要かを認定する仕組み。 市区町村に申請する。 「要支援1,2」と「要介護1~5」までの7段階に分かれる。 調査員が心身の状況を調べ、 主治医が意見書を作ってコンピューターが一次判定する。 その後、 介護認定審査会で二次判定をして結果を決める。
厚生労働省は10月から社会保険の加入対象を広げるのに合わせて、 企業向け助成金を拡充する。 従業員の加入を進めた場合に配る助成金について、 賃上げを条件(2%の賃上)に一人あたり最大16万円(労働時間の延長時間が4時間以上5時間未満の場合)を企業に支給する(延長時間が1時間以上2時間未満の場合には、 一人あたり4万円の支給)。 負担が増える企業に配慮するとともに、 賃上げを同時に実現し非正規など労働者の負担感も和らげる。 社会保険の適用拡大で働く時間を減らす労働者が増えないように、 加入を促す狙いだ。
社会保険の適用拡大とは:
厚生年金や医療保険などの社会保険は、 週の労働時間が30時間以上の従業員を加入対象としている。 2016年10月から従業員501人以上の企業で働く労働者で、 週20時間以上勤務、 月収88,000円以上(年収106万円以上)などの要件を満たした場合も対象となる。
財務省と国税庁は企業や富裕層に租税回避策を指南する税理士に仕組みの開示を義務付ける方針だ。 租税回避地(タックスヘイブン)に資産を移すなど悪質な税逃れを把握する狙い。 成功報酬を受け取るなどした税理士に具体策を開示させ、 拒んだ場合の罰則も設ける。 適正な助言も開示対象に含むが、 米国など各国も開示制度を設けており、 税制の不公平感の解消につなげる。
複数の基準を満たした場合に開示義務がありとするが、 その基準案として、 ①租税回避によって成功報酬を受け取る、 ②納税額を減らすための税務上の損失を生み出す、 ③守秘義務がある、 等としているようです。
政府は中古住宅を購入する際に必要なリフォーム工事の費用を、 1件当たり最大で50万円補助する制度を創設する。 欧米に比べて少ない中古住宅の取引を活発にし、 深刻になっている空き家問題の解消につなげる。 対象を40歳未満の購入者に絞り、 若年層が使えるお金を増やして個人消費を底上げする狙いもある。
補助金対象となる適用条件等は、 次の様に想定されています。
1. 中古住宅を購入する40歳未満の者
2. 申請は、 リフォームの施工業者が代理で国の事務局に行う
3. 申請には、 専門家の物件の状態を判断する住宅診断書が必要
4. 補助金は、 住宅診断費用の5万円のほか、 リフォーム工事内容に応じて最大50万円