住宅地の価格の下げ止まり基調が鮮明になってきた。 国土交通省が21日発表した2017年1月1日時点の公示価格は全国の住宅地が前年比0.022%プラスと9年ぶりに上昇に転じた。 景気の緩やかな回復や低金利を背景に、 先に上昇した商業地を追う。 全用途は0.4%プラスと2年続けて上昇した。 地方への波及が息長く続くかが焦点だ。
2017年公示地価の変動率(1月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):
|
地域 |
住宅地 |
商業地 |
全用途 |
| 前年 |
2017年 |
前年 |
2017年 |
前年 |
2017年 |
| 全国平均 |
▲0.2 |
0.022 |
0.9 |
1.4 |
0.1 |
0.4 |
| 三大都市圏 |
0.5 |
0.5 |
2.9 |
3.3 |
1.1 |
1.1 |
| 東京圏 |
0.6 |
0.7 |
2.7 |
3.1 |
1.1 |
1.3 |
| 大阪圏 |
0.1 |
0.0 |
3.3 |
4.1 |
0.8 |
0.9 |
| 名古屋圏 |
0.8 |
0.6 |
2.7 |
2.5 |
1.3 |
1.1 |
| 地方圏 |
▲0.7 |
▲0.4 |
▲0.1 |
▲1.4 |
▲0.7 |
▲0.3 |
公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。
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公示地価 |
基準地価 |
路線価 |
固定資産税評価額 |
| 調査主体 |
国土交通省 |
都道府県 |
国税庁 |
市町村 |
| 調査地点数 |
約26,000 |
約21,700 |
約334,000 |
多数 |
| 調査時点 |
1月1日 |
7月1日 |
1月1日 |
1月1日(原則3年に1回、 次回は2018年) |
| 公開時期 |
3月 |
9月 |
7月又は8月 |
3月 |
| 公開サイト |
国交省(土地総合情報ライブラリー) |
国交省(土地総合情報ライブラリー) |
国税庁 |
資産評価システム研究センター |
| その他 |
調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格(更地価格)の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。 |
調査対象は地方の調査地点が多く、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から |
相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準 |
土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準 |
政府が進める働き方改革の柱である残業時間の上限規制を巡り、 繫忙月に例外として認める残業を「100時間未満」とすることが固まった。
- 時間外労働の上限は、 原則、 月45時間で年間では360時間
- 残業特例
(1) 労使協定を結べば年720時間(月平均60時間)まで可能
(2) 2~6カ月平均で80時間以内を順守
(3) 繫忙期は月100時間を基準値とする
(4) 月45時間を上回る特例の適用は年6回まで
「相続税対策で孫と結んだ養子縁組は有効かどうか」が争われた訴訟の上告審判決で、 最高裁第3小法廷(木内裁判長)は31日、 「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」との初判断を示した。 判決は相続税対策として縁組が広がりつつある現状を追認した形。 縁組が無効となるのは当事者に縁組の意思がない場合などに限られるそうだ。
相続税額は遺産全体から一定額を差し引いた上で算出される。 この控除分は3千万円が基本で、 相続人1人につき600万円を加算。 実子がいても養子は1人まで、 実子がいなければ2人まで相続人に含められる。 最高裁第3小法廷は「説明の動機と縁組の意思は併存し得る」と指摘。 縁組の意思があれば節税目的の養子縁組を認める初の判断を示したことで、 当事者の意思が確認されれば、 養子縁組が無効になる余地はほぼなくなった。 なお、 国税庁は「縁組に至った経緯や生活実態など個々の事例に応じて判断する」としている。
2017年は税や社会保障をはじめ、 様々な分野で私たちの負担が変わる。 中でも年収1,000万円を超す会社員は1月から所得税が重くなり、 1,200万円超の場合は6月から地方税も増税になる。 高所得者の多くは給料が増えても「手取り増」を実感できない可能性がある。
「2017年負担こうなる」の内容は以下のとおりです。
| 時期 |
内容 |
対象者 |
負担 |
| 1月 |
年収1,000万円を超える会社員を対象に、 給与所得控除を縮小し、 所得税増税 |
高所得者のサラリーマン |
増 |
| 約1,500品目の市販薬の購入費用が控除対象に。 所得税など減税 |
一般家庭 |
減 |
| 確定拠出年金(DC)を公務員や主婦などに対象拡大 |
新たに2,600万人が対象 |
- |
| 4月 |
国民年金保険料額が16,490円に (現行16,260円) |
主に自営業者全般 |
増 |
| 雇用保険料率を労使で0.8%から0.6%に引き下げ |
企業とサラリーマン全般 |
減 |
| ガス販売の自由化でガスの購入先が選べるように。 セット販売などでガス・電気代が割安に? |
一般家庭 |
減 |
| 6月 |
年収1,200万円を超える会社員を対象に、 給与所得控除を縮小し、 住民税(地方税)増税 |
高所得者のサラリーマン |
増 |
| はがきを62円に値上げ |
一般家庭 |
増 |
| 8月 |
70歳以上の医療費自己負担の上限を引き下げ |
中高所得の高齢者420万人 |
増 |
| 介護費自己負担の上限を引き下げ |
中所得の高齢者18万人 |
増 |
| 介護保険料が収入に応じて連動する「総報酬割」を導入 (8月分の保険料から開始) |
大企業サラリーマンら1,300万人が負担増 |
増、又は減 |
| 9月 |
厚生年金保険料率が18.3% (現行18.182%)に |
主にサラリーマン全般 |
増 |
最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は19日、 裁判所での審判で相続の取り分を決める「遺産分割」の対象に預貯金は含まないとしてきた判例を変更した。 遺族間で争われた審判の決定で、 「預貯金は遺産分割の対象に含む」とする初判断を示した。 相続の話し合いや家庭裁判所での調停では預貯金を含めて配分を決めるケースが多く、 こうした実態に沿う形に見直した。
自民、 公明両党は8日、 2017年度税制改正大綱を決めた。 所得税の配偶者控除は配偶者(妻)の年収上限を103万円から150万円に事実上引き上げ、 パート主婦がより長く働きやすくする。 働き方を左右しない中立な税制の実現に向けて半歩前進したものの、所得税改革は来年度以降に抜本的な見直しを先送りした。
当該2017年度税制改正大綱の概要につきましては、「税務情報」で紹介していきます。
財務・厚生労働省が検討していた介護保険制度改革の概要が固まった。 収入によって保険料が変わる「総報酬割」の仕組みを導入することで大企業に勤める会社員の保険料を引き上げるとともに、 現役並みの所得がある高齢者の自己負担を2割から3割に増やし、 増加が続く介護費用を賄う。 所得が多い人に照準を合わせた負担増には限界もみえる。
政府・与党は75歳以上が加入する公的健康保険「後期高齢者医療制度」で、 一部の保険料を軽減する特例措置を見直す。 まず家計に余裕ある専業主婦らの保険料を1割負担とする特例をなくす方向だ。 一定の所得がある人への軽減も見直す。 高齢者にも経済力に応じた負担を求め、 医療費の膨張に歯止めをかける。
現在、 会社の健康保険などに加入する配偶者の扶養を受ける専業主婦らは、 74歳まで保険料を払う必要がない。 75歳以降も特例で、 所得に関係なく保険料は9割軽減され、 負担は1割の月380円ですむ。 この特例の廃止を検討する。
又、 低所得者向けの特例も縮小を検討する。 現在、 夫婦2人の年金収入がそれぞれ80万円以下の世帯は1割負担で、 80万円以上は段階的に負担が増えていく仕組ですが、 この特例の縮小も検討されることになっています。
財務省は賃上げした中小企業に減税する制度を拡充することで経済産業省などと調整に入った。 収益改善を賃上げにつなげる仕組みを強化し、 大企業中心の賃上げを中小にも行き渡らせる環境を整える。
見直すのは「所得拡大促進税制」で、 賃上げ税制などと呼ばれる。 2013年度から導入している。 企業の規模を問わず、 2012年度の給与総額に比べて一定基準を上回る賃上げをした企業を対象に、 賃上げ総額の10%を法人税の納税額から差し引いている。 具体的な見直しは、 中小企業の減税幅を引き上げる方向で、 経産省は今夏の税制改正要望で中小企業に限って減税率を10%から20%に2倍にするように求めていた。
政府・与党は20階建て以上の高層マンションについて、 高層階の固定資産税と相続税を引き上げる。 2018年以降に引き渡す新物件が対象。 一方で低層階の税負担を軽くする。 高層階の部屋は取引価格が高いわりに税金が安く、富裕層の間では節税策として購入する動きが広がっていた。