ふるさと納税見直し 高額返礼 違反自治体を除外

野田聖子総務相は11日、ふるさと納税制度の抜本的な見直しを検討すると発表した。寄付金に対する自治体の返礼品の額の割合が3割超の場合や、返礼品が地場産品でない自治体への寄付は税優遇の対象からはずす方針だ。開始から10年が経過したふるさと納税は地域活性化に一定の効果が出ている一方、本来の趣旨にそぐわないケースも残っており是正を急ぐ。
ふるさと納税は自治体に対する寄付金から2千円を引いた額が、所得税や住民税から控除される仕組み。

70歳雇用 努力目標に 政府検討

政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める。現在は原則65歳まで働けるよう企業に義務付けており、年齢引き上げの検討に入る。2019年度から高齢者の採用に積極的な企業を支援する。その上で来年以降に高年齢者雇用安定法の改正も視野に70歳まで働けるようにする。少子高齢化や人口減少社会を見据え、多様な働き方を後押しするのが狙い。

都会の農地 宅地化抑制 貸しても税優遇・面積要件緩和

国や地方自治体は都市部に集まる農地「生産緑地」の宅地への転用が急増しないように対策を急ぐ。2020年に約8割の生産緑地の税優遇が期限切れとなる「22年問題」を放置すれば、宅地供給が急激に膨らみ、住宅市場が混乱しかねないためだ。国は地主に第三者に生産緑地を貸しても税優遇を受けられる法律を9月にも施行。指定基準を緩める自治体も相次ぐ。

軽減税率、悩むスーパー 店内飲食・持ち帰りで違い

2019年10月に予定される消費税率引き上げまで1年余りとなり、小売業界が軽減税率制度への準備を本格化してきた。食料品を持ち帰るか店内で食べるかで顧客が払う消費税率が異なるので、スーパーのレジ精算などに混乱が懸念されます。
軽減税率制度は消費税率が10%になっても食品や新聞などの税率を8%に据え置く低所得者対策だ。食品は8%の軽減税率が適用とされるが、外食は対象外で税率は10%。スーパーで買った食品でも、店内のイートインコーナーなどで食べる場合には外食扱いとなり10%になる。この税率適用は、レジでの顧客の申告に基づくことになります。

路線価3年連続上昇 2018年分0.7% 都市部で売買活発

国税庁は2日、相続税や贈与税の算定基礎となる2018年分の路線価(1月1日現在)を発表した。全国約32万4千地点の標準宅地は2017年比で0.7%のプラスとなり、3年連続で上昇した。
都道府県別の路線価は、東京、 大阪、 愛知など18都道府県で上昇した。 前年の上昇は13都道府県だった。 首都圏では東京都(上昇率4.0%)、千葉県(0.7%)、神奈川県(0.6%)、埼玉県(0.7%)がいずれも5年連続で上昇。愛知県(1.5%)は6年連続、大阪府(1.4%)も5年連続で前年を上回った。最も上昇率が高かったのは、ホテル重要の高まりやリゾート開発が影響して沖縄県の5.0%(前年は3.2%)でした。
路線価とは、 主要道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2018年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約33万1千地点。 公示地価の8割を目安に売買実例などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 33年連続でお馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座5の「鳩居堂」の1平方メートル当たり44,320千円(前年40,320千円)でした。

「合同会社」起業しやすく 新設企業の4社に1社

企業を設立する際に「合同会社」の形態を活用するケースが増えている。2017年に新設された企業のうち、合同会社は23%を占め、足元では4社に1社のペースで推移する。
合同会社(LCC)は、2006年の会社法施行で、それまでの「有限会社」に代わる企業形態として解禁された。不特定多数の出資者を募る株式会社に対し、少人数による出資を前提とする。株式会社よりも設立時の費用や手間が少なく、株主総会や決算公告も義務付けられていないため、経営の意思決定を素早く進めやすい。

働き方改革法が成立

政府が今国会の最重要法案と位置づけた働き方改革関連法案が29日の参院本会議で可決・成立した。

主な項目 改革内容導入時期
残業時間の上限規制
原則、月45時間・年360時間が上限
特別な事情ある場合でも、
年720時間以内、2~6ヶ月平均で80時間以内、単月で100時間未満
月45時間超となることは6回まで
2月連続で90時間残業は禁止、等
年5日の有給休暇の消化義務(2019年4月より)
大企業:2019年4月
中小企業:2020年4月
脱時間給制度の創設
高収入の一部専門職は働いた時間でなく成果で評価
(年収1,075万円以上の金融ディーラー、コンサルタント、アナリスト等が対象)
2019年4月
同一労働同一賃金の実現
正規と非正規の不合理な待遇差を解消大企業:2020年4月
中小企業:2021年4月

公益利用認める措置法成立 所有者不明地 公園や施設に

所有者が分からない土地の利活用を促す特別措置法が6日の参院本会議で成立した。都道府県知事の判断で最長10年間の「利用権」を設定し、公園や仮設道路、文化施設など公益目的で利用できるようになる。来年の6月までに施行される。

働く高齢者 年金減額縮小 政府方針 就労促進、廃止も視野

政府は一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度を見直す方針を固めた。将来的な廃止も視野に高所得者の年金減額の縮小を検討する。2020年度の法改正を見指す。
現行の在職老齢年金制度では、高齢者の給与と年金の合計額が一定の水準を超えると、厚生年金の一部を減額・支給停止する。対象は60~65歳未満が月28万円、65歳以上は46万円を超える人。65歳以上で見ると、給与に年金を足した年収が552万円を超える人が対象だ。
改正は、年金が減らないように意図的に働く時間を短くする高齢者もいること、更に少子高齢化に伴う人手不足が経済成長を抑える構造問題になってきたためと言われています。

健保組合2割「解散予備軍」 高齢者医療費の負担増大

大企業の社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。全国約1400組合の2018年度予算によると、平均の保険料率は年収の約9.2%(労使折半)と11年連続で上がる。2割強の300超は、国所管の全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率以上になり、存続の利点が少ない「解散予備軍」だ。高齢者の医療費を支える負担が重いのが原因。健保組合が国所管に移れば、税金で支える対象が増える。

健康保険制度の概要は、以下のとおり。



主な加入者加入者数(万人)一人当たりの医療費(万円)平均所得(万円)
国民健康保険自営業や非正規労働者、74歳未満の退職高齢者 3,182 35 84
協会けんぽ中小企業の従業員 3,716 17.4 145
健康保険組合大企業の従業員 2,914 15.4 211
共済組合公務員 877 15.7 235
後期高齢者医療制度75歳以上の高齢者 1,624 94.9 80

現在、健康保険組合の中で、50万人の加入者を抱える全国最大規模の人材派遣健保や、16万人の日生協健保が解散の検討に入っている。