軽減税率、悩むスーパー 店内飲食・持ち帰りで違い

2019年10月に予定される消費税率引き上げまで1年余りとなり、小売業界が軽減税率制度への準備を本格化してきた。食料品を持ち帰るか店内で食べるかで顧客が払う消費税率が異なるので、スーパーのレジ精算などに混乱が懸念されます。
軽減税率制度は消費税率が10%になっても食品や新聞などの税率を8%に据え置く低所得者対策だ。食品は8%の軽減税率が適用とされるが、外食は対象外で税率は10%。スーパーで買った食品でも、店内のイートインコーナーなどで食べる場合には外食扱いとなり10%になる。この税率適用は、レジでの顧客の申告に基づくことになります。

路線価3年連続上昇 2018年分0.7% 都市部で売買活発

国税庁は2日、相続税や贈与税の算定基礎となる2018年分の路線価(1月1日現在)を発表した。全国約32万4千地点の標準宅地は2017年比で0.7%のプラスとなり、3年連続で上昇した。
都道府県別の路線価は、東京、 大阪、 愛知など18都道府県で上昇した。 前年の上昇は13都道府県だった。 首都圏では東京都(上昇率4.0%)、千葉県(0.7%)、神奈川県(0.6%)、埼玉県(0.7%)がいずれも5年連続で上昇。愛知県(1.5%)は6年連続、大阪府(1.4%)も5年連続で前年を上回った。最も上昇率が高かったのは、ホテル重要の高まりやリゾート開発が影響して沖縄県の5.0%(前年は3.2%)でした。
路線価とは、 主要道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2018年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約33万1千地点。 公示地価の8割を目安に売買実例などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 33年連続でお馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座5の「鳩居堂」の1平方メートル当たり44,320千円(前年40,320千円)でした。

「合同会社」起業しやすく 新設企業の4社に1社

企業を設立する際に「合同会社」の形態を活用するケースが増えている。2017年に新設された企業のうち、合同会社は23%を占め、足元では4社に1社のペースで推移する。
合同会社(LCC)は、2006年の会社法施行で、それまでの「有限会社」に代わる企業形態として解禁された。不特定多数の出資者を募る株式会社に対し、少人数による出資を前提とする。株式会社よりも設立時の費用や手間が少なく、株主総会や決算公告も義務付けられていないため、経営の意思決定を素早く進めやすい。

働き方改革法が成立

政府が今国会の最重要法案と位置づけた働き方改革関連法案が29日の参院本会議で可決・成立した。

主な項目 改革内容導入時期
残業時間の上限規制
原則、月45時間・年360時間が上限
特別な事情ある場合でも、
年720時間以内、2~6ヶ月平均で80時間以内、単月で100時間未満
月45時間超となることは6回まで
2月連続で90時間残業は禁止、等
年5日の有給休暇の消化義務(2019年4月より)
大企業:2019年4月
中小企業:2020年4月
脱時間給制度の創設
高収入の一部専門職は働いた時間でなく成果で評価
(年収1,075万円以上の金融ディーラー、コンサルタント、アナリスト等が対象)
2019年4月
同一労働同一賃金の実現
正規と非正規の不合理な待遇差を解消大企業:2020年4月
中小企業:2021年4月

公益利用認める措置法成立 所有者不明地 公園や施設に

所有者が分からない土地の利活用を促す特別措置法が6日の参院本会議で成立した。都道府県知事の判断で最長10年間の「利用権」を設定し、公園や仮設道路、文化施設など公益目的で利用できるようになる。来年の6月までに施行される。

働く高齢者 年金減額縮小 政府方針 就労促進、廃止も視野

政府は一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度を見直す方針を固めた。将来的な廃止も視野に高所得者の年金減額の縮小を検討する。2020年度の法改正を見指す。
現行の在職老齢年金制度では、高齢者の給与と年金の合計額が一定の水準を超えると、厚生年金の一部を減額・支給停止する。対象は60~65歳未満が月28万円、65歳以上は46万円を超える人。65歳以上で見ると、給与に年金を足した年収が552万円を超える人が対象だ。
改正は、年金が減らないように意図的に働く時間を短くする高齢者もいること、更に少子高齢化に伴う人手不足が経済成長を抑える構造問題になってきたためと言われています。

健保組合2割「解散予備軍」 高齢者医療費の負担増大

大企業の社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。全国約1400組合の2018年度予算によると、平均の保険料率は年収の約9.2%(労使折半)と11年連続で上がる。2割強の300超は、国所管の全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率以上になり、存続の利点が少ない「解散予備軍」だ。高齢者の医療費を支える負担が重いのが原因。健保組合が国所管に移れば、税金で支える対象が増える。

健康保険制度の概要は、以下のとおり。



主な加入者加入者数(万人)一人当たりの医療費(万円)平均所得(万円)
国民健康保険自営業や非正規労働者、74歳未満の退職高齢者 3,182 35 84
協会けんぽ中小企業の従業員 3,716 17.4 145
健康保険組合大企業の従業員 2,914 15.4 211
共済組合公務員 877 15.7 235
後期高齢者医療制度75歳以上の高齢者 1,624 94.9 80

現在、健康保険組合の中で、50万人の加入者を抱える全国最大規模の人材派遣健保や、16万人の日生協健保が解散の検討に入っている。

2018年度予算成立 最大の97兆円超 子育て・事業承継支援

2018年度予算と税制改正関連法は28日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。一般会計の歳出総額は97兆7128億円で、6年続けて過去最大を更新した。子育て世帯を支援するほか、中小企業の事業承継に対して税優遇する。新規国債発行額は減少したが、高い水準が続く。高所得者を中心に負担増も目立つ。税制改正事項の主なものは、税務情報コーナー等で紹介していきます。

地価上昇 全国に波及 地方、26年ぶりプラス 公示地価

地価上昇の波が全国に広がってきた。国土交通省が27日発表した2018年1月1日時点の公示価格は、商業・工業・住宅の全用途(全国)で0.7%のプラスと3年連続で上昇した。地方圏も26年ぶりに上昇に転じ、0.041%のプラスだった。緩和マネーが下支えし、訪日客増加を受けて地方でもホテルや店舗の重要が増している。都市部の再開発も活発で、資産デフレの解消が進んでいる。

2018年公示地価の変動率(1月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):

地域住宅地 商業地 全用途 
2018年前年2018年前年2018年前年
全国平均0.30.0221.91.40.7 0.4
三大都市圏0.70.53.93.31.51.1
東京圏1.00.73.73.11.71.3
大阪圏0.10.0394.74.11.10.9
名古屋圏0.80.63.32.51.4 1.1
地方圏▲0.1▲0.40.5▲1.40.041▲0.3

公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。

    
公示地価 基準地価路線価固定資産税評価額
調査主体 国土交通省都道府県国税庁市町村
調査地点数約26,000 約21,700 約334,000多数
調査時点1月1日7月1日1月1日1月1日(原則3年に1回、 次回は2018年)
公開時期 3月9月7月又は8月3月
公開サイト国交省(土地総合情報ライブラリー) 国交省(土地総合情報ライブラリー)国税庁資産評価システム研究センター
その他調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格(更地価格)の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。調査対象は地方の調査地点が多く、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準

 

 

相続 配偶者に厚く 法制審答申

法制審議会は16日、民法の相続分野を見直す改正要綱を上川陽子法相に答申した。
(1)「配偶者居住権」の新設
遺産分割の協議が調うなどすれば、配偶者はそれまでの住居に住み続けられる「配偶者居住権」を新設する。配偶者居住権は所有権と比べて売却する権利などがないため、評価額が低くなる。
(2)住居の生前贈与
新たな規定では婚姻期間が20年以上で、配偶者に住居を生前贈与するか遺言で贈与の意思を示せば、その住居は遺産分割の対象から外れる。
(3)相続人以外の一定の親族の寄与分
被相続人の親族で相続の対象にならない人でも、介護や看病で被相続人の財産の維持などに貢献した場合は、相続人に金銭を請求できる仕組みも取り入れられます。