最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は19日、 裁判所での審判で相続の取り分を決める「遺産分割」の対象に預貯金は含まないとしてきた判例を変更した。 遺族間で争われた審判の決定で、 「預貯金は遺産分割の対象に含む」とする初判断を示した。 相続の話し合いや家庭裁判所での調停では預貯金を含めて配分を決めるケースが多く、 こうした実態に沿う形に見直した。
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与党大綱決定 所得税 抜本改革先送り
自民、 公明両党は8日、 2017年度税制改正大綱を決めた。 所得税の配偶者控除は配偶者(妻)の年収上限を103万円から150万円に事実上引き上げ、 パート主婦がより長く働きやすくする。 働き方を左右しない中立な税制の実現に向けて半歩前進したものの、所得税改革は来年度以降に抜本的な見直しを先送りした。
当該2017年度税制改正大綱の概要につきましては、「税務情報」で紹介していきます。
年末調整の概要と平成28年度の給与源泉徴収事務
- 年末調整とは
毎年11月となりますと会社(給与支払者)の給与担当部署は、 「年末調整」の準備・対応という大変忙しい時期を迎え、 勤務者(従業員)はその年末調整の為に必要となる申告書や証明書類等を所定の期限までに会社に提出することが求められます。 会社は、 勤務者から回収した年末調整用の書類の内容を確認しその最終提出情報に基づいて、 暦年の最終給与支払時(通常、 12月給与)に納めるべき年間の所得税及び復興特別所得税(年税額)を算出し、 これまでの給与支給時に源泉徴収された累計税額とを比べその差額となる過不足額を精算(徴収又は還付)します。 その一連の精算手続が年末調整ということになります。 一般的には、 年末調整により還付されるケースが多いかと思います。
- 平成28年度(2016年度)の所得税に係わる改正
平成28年度の年末調整において、税制改正により影響を受ける主な項目は以下の通りです。
(1) 通勤手当の非課税限度額の引上げに伴う精算
平成28年1月1日以降に支払われる通勤手当の非課税限度額が、 月額10万円から15万円に引上げられましたので、 通勤金額が10万円超でこの改正前の月額10万円で源泉徴収計算されていた方が精算の対象者となります。 具体的な手続きは次の様になります。
① 源泉徴収簿の「年末調整」欄の余白に、 「非課税となる通勤手当」を表示して、 追加で非課税となる部分の金額を記入します。
② 「年末調整」欄の「給与・手当等①」欄に、 本来の総支給金額から上記①の追加で非課税となる通勤手当部分の金額を控除した後の金額を記入します。
③ その後は、 通常の計算を行うことになります。
なお、 追加で非課税となる当該通勤手当部分の計算根拠が、 他の方法で記録、 保全されていればその方法も認められます。
* 中途退職者に既に給与所得の源泉徴収票を交付されている場合には、 「支払金額」欄を訂正し、 「摘要」欄に「再交付」と表示した源泉徴収票を再交付する必要があります。
* 年末調整の際に精算する機会の無い人は、 確定申告で精算することになります。
(2) 国外居住親族に係る扶養控除等の適用時に所定の書類添付等の義務化
平成28年1月1日以後に、 非居住者である親族(国外居住親族)に係る扶養控除、 配偶者控除、 障害者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、 「親族関係書類」及び「送金関係書類」の提出又は提示を受ける必要があります。
具体的な手続きとして、 適用を受ける旨を「扶養控除等(異動)申告書」上の「非居住者である親族」欄に○印を付し、 関係書類の提出等を行います。
(3) マイナンバー制度の導入
平成28年1月よりマイナンバー制度の導入にあたり、 個人であれば個人番号を記載して申請・申告等が必要となる書類が順次出てきます。 その最初となるものが、 「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出にあたり、 給与所得者本人、 控除対象配偶者、 控除対象扶養親族等の個人番号を記載することになります。
提出にあたり、 給与支払者が給与所得者から個人番号の提供を受ける場合は、 本人確認として、 提供の番号が正しいことの確認(番号確認)と、 番号提供者が真にその番号の持ち主であることの確認(身元確認)を行う必要があります。 なお、 控除対象配偶者、 控除対象扶養親族等の本人確認は、 給与所得者が行うことになっています。
以上から、 平成28年1月以降の支払に係る給与所得の源泉徴収票には、 上記の個人番号を記載して税務署等の行政機関に提出することになりますので、 「扶養控除等(異動)申告書」に必要なマイナンバーが記載されていない場合には、 源泉徴収票作成までにマイナンバーの提供を受ける必要があります。 なお、 給与所得者への源泉徴収票には、 個人番号は記載されません。
平成29年分以後の扶養控除等(異動)申告書等へのマイナンバーの記載不要の特例制度が創設されました。 既にマイナンバーの情報が提供されており、 その情報を記載した帳簿を備えているときには記載不要となりました。
(4) 給与所得控除額の上限額引下げ
給与収入1,200万円超から給与所得控除額は230万円が上限となりました。
- 年末調整の対象者
年末調整の対象者は、 原則として会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人は全員含まれます。 但し、 給与収入額が2千万円を超える人は年末調整を行ないませんので自身の確定申告を通じて年税額の精算をしなければなりません。 通常、 1カ所から給与支給を受けている人は、 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出し年末調整を受けることになります。
次の人は年末調整の対象者にはなりません。
(1) 年中の給与収入額が2千万円を超える人
(2) 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人(年末調整を行うことができませんが、 支払の際の源泉徴収においては乙欄の税額表が適用となります)
(3) 年中に退職(死亡退職した人、 非居住者として国外勤務者となった人、 等を除く)した人
(4) 国内に住所も1年以上の居所を有していない人(非居住者)
(5) 災害免除法の規定により源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
(6) 日雇労働者等(丙欄の税額表適用者)
年末調整の為に提出が求められる申告書とその中に記載される控除項目は以下のとおりです。 当該控除項目以外に所得から控除可能な項目がある場合にはそれらの項目は確定申告で行うことになります。
| 申告書の名称 | 控除項目 |
| 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 配偶者控除、 扶養控除、 障害者控除、 寡婦(夫)控除、 勤労学生控除、 基礎控除 |
| 給与所得者の配偶者特別控除申告書 | 配偶者特別控除 |
| 給与所得者の保険料控除申告書 | 生命保険料控除(一般生命・介護医療・個人年金)、 地震保険料控除、 社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除 |
| 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 | (特定増改築等)住宅借入金等特別控除(2年目から年末調整の対象で初年度は確定申告が必要) |
申告書記載上の主な注意点は以下のものがあります。
(イ) 12月31日時点の現況で記載
その年の12月31日現在の現況を見積もりで記載することになります。 見積記載の内容に修正が生じた場合(例えば、 扶養者数の増減、 等)には、 再年末調整(翌年の1月末までは可能)又は確定申告により適正な精算を行うことになります。
(ロ) 人的控除項目の判定基準に合計所得金額基準
控除項目の中(控除対象配偶者、 控除対象扶養控除、 配偶者特別控除等の人的控除項目)には、 その控除に該当するかの判定基準にその年度の合計所得金額がありますので留意してください。 多い誤りとしては、 配偶者の合計所得金額が控除対象金額を超えているケースです。
配偶者控除の場合の合計所得金額は、 38万円以下(給与収入額では103万円以下)でなければなりません。 「配偶者」とは、 婚姻の届出をしている配偶者をいい、 内縁関係の人は含まれません。
配偶者特別控除の場合の合計所得金額は、 38万円超~76万円以下でなければなりません。
公的年金等の雑所得だけの方で控除対象扶養者(合計所得金額が38万円以下)になる場合には、 公的年金等の収入金額が158万円以下(年齢65歳未満の人は108万円以下)という条件を満たす人です。
「所得金額」として、 税法の規定のなかに「合計所得金額」、 「総所得金額」、 「総所得金額等」の3種類が適用判定基準の中に出てきますが、 それぞれ多少の違いがあります。
(1) 所得金額基準は主にどの適用範囲に出てきているか
| 所得金額 | 主な適用範囲 |
| 合計所得金額 | l 扶養控除対象者: 合計所得金額が38万円以下
l 配偶者控除対象者: 合計所得金額が38万円以下 l 配偶者特別控除対象者: 合計所得金額が38万円超76万円未満、 並びに申告者本人の控除対象者: 合計所得金額が1,000万円以下 l 寡婦(寡夫)控除対象者: 合計所得金額が500万円以下 l 勤労学生控除対象者: 合計所得金額が65万円以下 l 住宅ローン控除対象者: 合計所得金額が3,000万円以下の年 l 居住用財産の買換えの譲渡損失の損益通算・繰越控除の適用対象者: 合計所得金額が3,000万円以下の年 l 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除の適用対象者: 合計所得金額が3,000万円以下の年 l 市県民税均等割の非課税判定基準・市県民税の扶養親族や各種控除の判定基準 l 直系尊属から住宅取得等資金の受贈与者の非課税対象者: 合計所得金額が2,000万円以下 |
| 総所得金額 | |
| 総所得金額等 | l 医療費控除限度額: 総所得金額等の5%
l 雑損控除限度額: 損失の金額 - 総所得金額等 X 10% l 寄付金控除限度額: 総所得金額等 X 40% - 2,000円 l 寡婦となる要件: 扶養親族その他その人と生計を一にするその年分の総所得金額等が38万円以下の子がいる人 l 寡夫となる要件: 生計を一にするその年分の総所得金額等が38万円以下の子がいる人 l 市県民税所得割の非課税判定基準 |
(2) ①合計所得金額、 ②総所得金額、 ③総所得金額等の定義
左から右にみて所得の範囲等がそれぞれ異なっていることがお分りになるかと思います。
| 所得種類 | ① | 各種繰越控除の適用(①から控除) | ② | ③ | |||
| 利子所得 | 所得金額の損益通算 |
合計所得金額 |
* 純損失や雑損失の繰越控除
* 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除 * 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除 * 上場株式等の譲渡損失の繰越控除 * 特定中小会社発行株式の譲渡損失の繰越控除 * 先物取引の差金等決済損失の繰越控除 |
総所得金額 |
総所得金額等 |
||
| 配当所得 | |||||||
| 不動産所得 | |||||||
| 事業所得 | |||||||
| 給与所得 | |||||||
| 雑所得 | |||||||
| 一時所得 | 2分の1 | ||||||
| 総合課税の譲渡所得 | 長期 | ||||||
| 短期 | |||||||
| 分離課税(土地・建物等)の譲渡所得(特別控除適用前) | 長期 | ||||||
| 短期 | |||||||
| 分離課税の株式等の譲渡所得 | |||||||
| 分離課税の先物取引の雑所得 | |||||||
| 退職所得 | |||||||
| 山林所得 | |||||||
配偶者控除、 扶養者控除等の所得基準額は、 「総所得金額」より範囲が広い「合計所得金額」で判定することになり、 分離課税所得の発生年度には注意が必要となります。
(ハ) 年齢16歳未満の年少扶養親族
控除対象扶養控除に関して、 平成23年度から年齢16歳未満の年少扶養親族に対する扶養控除が所得税では廃止となっています(年齢16歳未満は所得税における扶養控除対象者ではありません)。 しかし、 住民税の方では控除対象となっていますので住民税に関する欄への記載を忘れないでください。 なお、 年齢16歳未満の年少扶養親族であっても、 障害者又は特別障害者に該当する場合には、 障害者控除を受けることはできます。
平成28年度の年末調整時における年齢16歳未満とは、 平成13年1月2日以後に生まれた人が年少者となります。
(ニ) 扶養親族
所得者と生計を一にする親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)で、 合計所得金額が38万円以下の人を扶養親族(配偶者、青色事業専従者及び白色事業専従者を除く)といいます。 その中には、 以下のように区分されています。
① 控除対象扶養親族
扶養親族のうち、 年齢16歳以上の人をいいます(平成28年度の年末調整では、 平成13年1月1日以前に生まれた人)。
② 特定扶養親族
扶養親族のうち、 年齢19歳以上23歳未満の人をいいます(平成28年度の年末調整では、 平成6年1月2日から平成10年1月1日までの間に生まれた人)。
③ 老人扶養親族
控除対象扶養親族のうち、 年齢70歳以上の人をいいます(平成28年度の年末調整では、 昭和22年1月1日以前に生まれた人)。
④ 同居老親等
老人扶養親族のうち、 所得者又はその配偶者の直系尊属でいずれかとの同居を常況としている人をいいます。
(ホ) 生命保険料控除の改組
平成24年(2012年)1月1日からの契約分(新契約)から一般生命保険に含まれていた「介護医療保険」が独立の控除対象となりました。 平成23年までの契約分(旧契約)については、 昨年までと同様に「一般生命保険」と「個人年金保険」の2つに分けられ最高控除額は、 各5万円です。 新契約は、 「一般生命保険」、 「介護医療保険」と「個人年金保険」の3つに分けられ最高控除額は、 各4万円となります。 なお、 旧契約と新契約が混在するケースも発生することもありますが、 各保険料控除の合計適用限度額が12万円とされています。 従いまして、 支払保険契約が、 旧契約か新契約かを保険会社からの証明書で確認しながら申請書に正しく記載する必要があります。
生命保険契約等により支払われた保険料や掛金は所得者本人が支払ったものに限られています。 又、 保険金、 共済金等の給付金の受取人の全てが所得者本人又は所得者の配偶者や親族となっていることが必要です。
翌年以後に払込期日が到来する保険料を一括して前納保険料がある場合には、 本年中に相当する部分のみが支払保険料の金額となります。
(ヘ) 社会保険料控除
所得者本人と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料を所得者自身が支払った場合(時限措置により納付可能となった過去分の保険料の支払分も含む)には、 所得者本人の社会保険料として控除できます。
年金から特別徴収された介護保険料や後期高齢者医療保険料については、 支払者が年金受給者自身となることから、 その年金の受給者の社会保険料として控除となります。
翌年以後に払込期日が到来する保険料を一括して前納保険料がある場合には、 前納期間が1年以内の場合には、 その全額を本年の社会保険料として控除することができます。 なお、 国民年金保険料については、 2年分を前納できることになりましたので、 全額控除をするか、 又は期間按分して控除(この場合には、 按分の明細書が要作成)する方法のいずれかを選択することが可能です。
(ト) 地震保険料控除
所得者本人と生計を一にする親族が所有して常時居住している家屋や生活に通常必要な家財に対して支払った保険料の内、 一定の金額を地震保険料控除として控除できます。
一つの契約等で、 地震等損害に対する損害保険契約と旧長期損害保険契約のいずれの契約区分にも該当する場合には、 選択によりいずれか一方の契約区分のみが地震保険料控除の控除額となります(有利な方を選択する)。
(チ) (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
現在、 各種の住宅借入金等特別控除がありますが、 控除を受けようとする初年度分については、 確定申告により控除の適用を受ける必要があります。 2年度以降分については、 年末調整の際に下記のものを給与支払者に提出します。
① 税務署長が発行した「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」。 この証明書の上部に「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」がありますので、 控除金額等の記載を行い提出します。
② 金融機関等が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
一般の住宅借入金等特別控除は、 居住者が一定の要件を満たす住宅の取得等して、 その人の居住の用に供した場合(その家屋の取得等の日から6ケ月以内に居住用に供したものに限られています)において、 その住宅の取得等のために一定の住宅借入金(償還期間10年以上等)を有するときには、 居住年以後10年間(平成13年7月1日から平成29年12月31日までの間で居住した場合には、 最長10年間。 それ以前のもは最長15年間)の各年のうち、 合計所得金額が3千万円以下である年について、 住宅借入金等の年末残高を基にした所定額を住宅借入金等特別控除としてその年の所得税額から控除できるというものです。
家屋に入居後、 本年12月31日まで継続して居住用に供していることが控除の適用要件ですので、 年度の途中で海外勤務となり出国している場合には、 この制度の適用はありません。
自己の居住用の家屋が2以上有する場合には、 主として居住用とする1の家屋に限られます。
連帯債務(共有)の場合には、 各年12月31日現在のその住宅借入金等の金額に控除を受ける人の負担割合(持分割合)を加味して控除額を計算します。 その割合は、 小数点以下第4位を切上げ、 90%以上である場合は100%とします。
住宅ローンの借換え: この制度の適用者が、 住宅借入金等の借換えをした場合に一定の要件を満たすときには適用が継続します。 住宅ローン金利が低くいものがあるとローンの借換えを行う場合があります。 一般の住宅ローンの場合の借換えでは、 新たな借入金が当初の借入金を消滅させるもので、 適用対象となっていた家屋の取得等のための資金に充てるものであれば住宅ローン控除の継続適用の対象となります。 その場合の新たな借入金の償還期間も10年以上であることが適用要件となっています。 ローン借換後の借入額が借換前の借入残高以下であれば、 年末借入残高が控除対象額となりますが、 逆に借換後の借入額が借換直前の借入残高を上回る場合、 次の按分計算して控除対象額を導く必要があります。
ローン借換後の借入額の年末残高 X (借換直前の借入残高 ÷ 借換直後の借入額) = 控除対象借入額の年末残高
(リ) 給与と徴収税額の集計
年中に支払った給与・賞与が対象になりますが、 本年分の給与で未払いであっても、 本年中に支給日が到来して支払の確定したものについても年末調整の対象になります。
以上が年末調整の概要となります。
介護保険 来年度から負担増 高所得者頼みに限界も
財務・厚生労働省が検討していた介護保険制度改革の概要が固まった。 収入によって保険料が変わる「総報酬割」の仕組みを導入することで大企業に勤める会社員の保険料を引き上げるとともに、 現役並みの所得がある高齢者の自己負担を2割から3割に増やし、 増加が続く介護費用を賄う。 所得が多い人に照準を合わせた負担増には限界もみえる。
高齢者医療 保険料上げ 75歳以上の専業主婦 特例廃止
政府・与党は75歳以上が加入する公的健康保険「後期高齢者医療制度」で、 一部の保険料を軽減する特例措置を見直す。 まず家計に余裕ある専業主婦らの保険料を1割負担とする特例をなくす方向だ。 一定の所得がある人への軽減も見直す。 高齢者にも経済力に応じた負担を求め、 医療費の膨張に歯止めをかける。
現在、 会社の健康保険などに加入する配偶者の扶養を受ける専業主婦らは、 74歳まで保険料を払う必要がない。 75歳以降も特例で、 所得に関係なく保険料は9割軽減され、 負担は1割の月380円ですむ。 この特例の廃止を検討する。
又、 低所得者向けの特例も縮小を検討する。 現在、 夫婦2人の年金収入がそれぞれ80万円以下の世帯は1割負担で、 80万円以上は段階的に負担が増えていく仕組ですが、 この特例の縮小も検討されることになっています。
中小の賃上げ 減税拡充
財務省は賃上げした中小企業に減税する制度を拡充することで経済産業省などと調整に入った。 収益改善を賃上げにつなげる仕組みを強化し、 大企業中心の賃上げを中小にも行き渡らせる環境を整える。
見直すのは「所得拡大促進税制」で、 賃上げ税制などと呼ばれる。 2013年度から導入している。 企業の規模を問わず、 2012年度の給与総額に比べて一定基準を上回る賃上げをした企業を対象に、 賃上げ総額の10%を法人税の納税額から差し引いている。 具体的な見直しは、 中小企業の減税幅を引き上げる方向で、 経産省は今夏の税制改正要望で中小企業に限って減税率を10%から20%に2倍にするように求めていた。
商業登記規則の改正 登記申請に係る「株主リスト」の添付 2016年10月1日以降
商業登記規則の改正により、 2016年10月1日以降の株式会社・投資法人・特定目的法人の一定の登記申請に際して、 「株主リスト」又は「社員リスト」の添付が必要となりました。
1.株主リストの添付が必要となる場合
(1)登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
(2)登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合(注1)
注1:登記事項につき,株主総会決議を省略する場合にも,株主リストの添付が必要です。
2.株主リストの内容
(1)登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
株主全員(又は種類株主全員)について、下記4事項を記載した「株主リスト」が必要となり、代表者が証明します。
① 株主の氏名又は名称
② 住所
③ 株式数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
④ 議決権数
(2)登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合
役員の変更登記等が該当します。
(イ)記載株主の範囲
① 議決権数上位10名の株主
② 議決権割合が2/3に達するまでの株主
2/3に達するまでの株主は,議決権割合の多い方から加算していく必要があります。 同順位の株主が複数の場合には、2/3に達したといしても、同順位の株主を全員記載します。 ③ ①又は②のいずれか少ない方の株主を株主リストに記載する。
(ロ)上記の株主(又は種類株主)について、下記5事項を記載した「株主リスト」が必要となり、代表者が証明します。
① 株主の氏名又は名称
② 住所
③ 株式数(種類株式発行会社は,種類株式の種類及び数)
④ 議決権数
⑤ 議決権数割合
マンション高層階 増税 「富裕層の節税」けん制
政府・与党は20階建て以上の高層マンションについて、 高層階の固定資産税と相続税を引き上げる。 2018年以降に引き渡す新物件が対象。 一方で低層階の税負担を軽くする。 高層階の部屋は取引価格が高いわりに税金が安く、富裕層の間では節税策として購入する動きが広がっていた。
預金の遺産分割対象に 最高裁、判例見直しへ
相続税の取り分を決める「遺産分割」の対象に預金は含まれない。 こんな裁判のルールが見直されることになりそうだ。 話し合いや調停では預金を含めて配分を決めるのが一般的で、裁判所も実態に合わせる。
判例は預貯金を遺産分割の対象とせず、不動産や株式といった他の財産と関係なく、法定相続の割合に応じて相続人に振り分けられると考えてきた。 最近では2004年の最高裁判決が「預貯金は法定相続分に応じて当然に分割される」とした。
預貯金を相続人間の話し合いで遺産分割を決めるという実務と、遺産分割の対象ではなく法定相続割合となるという判例との隔たりが指摘されていた。 早ければ年内に大法廷より判例の変更があるかもしれません。
税金の消滅時効
商取引の債権・債務を始め、 各種の事柄に「時効」という法的な規定が存在しています。 当然、 税金に関しても「時効」の規定があり、 その時効後に税務署に納付した税金は、 税務署は受領せずに返金となります。 以下に、 税金の消滅時効について言及してみたいと思います。
1.更正・修正・決定
税金は納税者(会社や個人)の自らが税法規定に法り計算し、その結果を所定の申告書に記載し法定申告期限・納付期限までに提出・納付するという、「申告納税制度」を採用しています。 申告・納付後に税法規定の取誤り等で税額計算に誤りがあったことに気が付くことがあります。 その様な場合とは、納税者側で気づく場合と、課税庁側(税務署等)で税務調査等から気づく場合とがあります。
| 対応者 | 区分 | 課税処分・手続 | |
| 納税者側(法人・個人) | 税金の過大申告
(還付請求) |
更正の請求 | |
| 税金の過少申告 | 修正申告 | ||
| 課税庁側(税務署等) | 税務申告有り(更生:正しい税額に改める) | 税金の過大申告 | 減額更正 |
| 税金の過少申告 | 増額更正 | ||
| 税務申告無し(一方的に税額確定) | 決定 | ||
| 偽りその他不正行為有り(脱税行為) | 更正・決定 | ||
「更正の請求」とは、税額等の計算が国税に関する法律の規定(税法)に従っていなかったり、 又は計算に誤りがあったことにより、 当初に納めた税金額が過大であることを理由として自ら正しくすることを請求する制度です。 逆に、 当初に納めた税金額が過少の場合には、 「修正申告」をおこなうことになります。
課税庁は、 所定の期限までに申告のない場合や、 税務申告の内容につき、 法律に従っていなかったり事実を正しく反映していないことなどが明らかになった場合に、補充的に確定をすることになります。この課税庁のなす確定は、 課税処分と総称されますが、 無申告の場合には「決定」、 税務申告内容がが適正でない場合のものは「更正」と呼ばれるところから、 更正・決定といわれます。更正・決定は納税者に対しての補充的なものです。
2.法定申告期限・法定納税期限
| 税金の種類 | 納税義務者 | 法定申告期限・法定納税期限 | ||
| 法人税 | 法人 | 事業年度終了日の翌日から2カ月以内 | ||
| 消費税 | 法人 | 事業年度終了日の翌日から2カ月以内 | ||
| 個人事業者 | 申告年度の翌年3月末まで | |||
| 所得税 | 源泉所得税 | 給与等の支払者 | 原則 | 支払月の翌月10日まで |
| 特例 | 支払1月~6月:7月10日まで
支払7月~12月:翌年1月20日まで |
|||
| 申告所得税 | 個人 | 申告年度の翌年3月15日まで | ||
| 相続税 | 相続人 | 相続を知った日から10カ月以内 | ||
| 贈与税 | 受贈者 | 申告年度の翌年3月15日まで | ||
3.消滅時効、 時効更新、 時効完成猶予、 除斥期間の定義
具体的な税法上の時効の期限(年数)に関連して、 次の定義を理解しておくことが望まれます。
(1) 消滅時効
権利者が、 一定期間内に何もせずに放置しておくと、 その権利が消滅してしまうことを「消滅時効」といいます。
(2) 時効更新(時効中断)
時効の進行中に一定の事由が発生することで、 これまでの経過期間がクリアーされ、 その事由が止んでから新たな時効が再スタートになること(振出しに戻る)を、 「時効中断」といいましたが、「時効更新」と用語変更となります。
(3) 時効完成猶予(時効停止)
時効の進行中に一定の事由が発生するが、 一時的に経過期間がストップされるだけで、 その事由が止んでから再び時効が進行となることを、 「時効停止」といいましたが、「時効完成猶予」と用語変更となります。
(4) 除斥期間
消滅時効と共通の法的性質を持ち、 権利者が、 一定期間内に何もせずに放置しておくと、 その権利が消滅するという点では同じですが、 時効更新がないところが大きく異なっています。
上記の国税の更正・決定の時効においても、 「時効更新」となることはありませんので、 この様な場合を「除斥期間」と言われます。
以上の定義事項は、 税法上の時効の時にも出てきますが、 「時効更新」及び「時効完成猶予」の用語は、 民法改正案における変更のものであり未だ成立・公布・施行には至っておりません。
4.税法上に時効
(1) 国税の更生・決定等の時効(除斥期間)
| 税金の種類 | 区分 | 課税処分 | 法定申告期限の翌日から起算した時効期間(除斥期間) |
| 法人税(注)・消費税・所得税・相続税 | 申告有り | 減額更正:更正の請求 | 5年 |
| 増額更生:修正申告 | 5年 | ||
| 申告無し | 決定 | 5年 | |
| 偽りその他不正行為有り(脱税行為) | 更正・決定 | 7年 | |
| 贈与税 | 申告有り | 減額更正:更正の請求 | 6年 |
| 増額更正:修正申告 | 6年 | ||
| 申告無し | 決定 | 6年 | |
| 偽りその他不正行為有り(脱税行為) | 更正・決定 | 7年 |
注1: 法人税の移転価格税制に係る更正の請求期間は、 法定申告期限から6年
法人税の純損失等の金額に係る更正の請求期間は、 法定申告期限から9年
更正の請求に際しては、 納税者は更正請求の理由の基礎となる「事実を証明する書面」の添付が必要となります。
なお、 原則として、 地方税の時効期間も法人税と同様です。
以上から、 申告・更正・修正・決定等における事項は、 納税者側も課税庁側も5年、 例外として贈与は6年、 脱税行為は7年ということになります。
(2) 国税債権(未納税額)の徴収権の消滅期間
| 時効 | 摘要 | 消滅時効の期間 |
| 消滅時効 | - | 原則、 法定納税期限から5年後
時効に関して、 その援用(時効の利益を受けようとする意思表示)を必要としなく、 又、 時効満了の前後を問わず、 時効の利益を放棄することが出来ないことから、 時効満了後の納税は過誤納として還付されます。 なお、 その効力は起算日まで遡りますので、 以降の利子税、 延滞税も同様に消滅します。 |
| 時効更新 | 国税債権の消滅時効の更新事由として、
① 更正・決定 ② 各種加算税の賦課決定 ③ 納税の告知 ④ 督促 ⑤ 交付要求
民法の定める消滅時効の準用される更新事由として、 ①裁判上の請求 ②仮差押え、仮処分 ③承認 ④催告 ⑤その他 |
左記の処分の効力が生じた時に時効は「時効更新」し、 これらの処分に係る税額の納期限、 その他所定の期間が経過した時に新たな時効が再スタートとなります。
*更正・決定の場合、 その通知書が発行された日の翌日から起算して1カ月後が納付期限となり、 その日から新たに時効が再スタートすることになります。 時効更新の効果は、 更新事由となる部分に係る税額ということから、 増額更正の増差税額の部分に限られます。 *納税の告知の場合、 告知にて指定された納付期限までの期間につき、 その翌日から新たに時効が再スタートします。 *督促の場合、 処分効力が生じる督促状又は督促のための納付催告書を発した日から起算して10日間までの期間につき、 その翌日から新たに時効が再スタートします。 *期限後申告、 法定納期限後の修正申告も更新事由(承認)となると解され、 申告日が納付期限となることから、 その日から新たに時効が進行することになります。 なお、 納税額の一部納付行為があった場合には、 全額について承認があったものとみなされます。 *請求は、 何らかの形で裁判所が関与する手続きが要求されますので、 単に書面で請求しても更新の効力は生じません。 *催告は、 6カ月以内に裁判上の請求等の法的なん対応がなされない限り更新事由にはなりません。 例えば、 督促状をその都度送付しているだけでは、 更新事由に該当しません。 |
| 時効完成猶予 | 脱税に係る税額 | 脱税に係る税額についての時効は、 法定納付期限から2年間は進行(一時的に経過期間がストップ)しないことから、 原則の5年と合わせて、 実質的に7年が時効期間となります。
法定納付期限の翌日から2年以内の間に、 税務申告書の提出があった場合にはその翌日から、 又、 更正・決定があった場合はその通知書の発付日の翌日から時効が進行することになります。 なお、 これらが法定納付期限までに行われた場合には、 法定納付期限の翌日から時効が進行します。 |
5.租税罰則・刑事罰則規定
(1)無申告(申告書不提出)における租税罰則
| 税目 | 状況 | 罰則 |
|
所得税、贈与税、相続税、法人税、消費税、等 |
脱税(所得秘匿のための積極的な工作という偽りその他の不正行為があり、申告書を提出せずにその結果、税を免れていた場合) | 10年以下の懲役もしくは1,000万円(情状により脱税額)以下の罰金、又はこれらの併料 |
| 故意に税を免れる意思をもって申告書を提出せず、税を免れた場合 | 5年以下の懲役もしくは500万円(情状により脱税額)以下の罰金、又はこれらの併料 | |
| 故意に税を免れる意思がなく申告書を提出せず、申告義務があった場合(秩序犯) | 1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金 | |
| 過失による場合 | 処罰対象外 |
(2)税法違反における刑事罰則
| 違反行為 | 刑事罰則 | 行政制裁 | |
| ①虚偽申告 ・無申告等による税の免脱 |
不正行為を伴う過少申告・無申告・還付金受領 | 脱税犯(直接税の場合):
10年以下の懲役もしくは1,000万円(情状により脱税額)以下の罰金、又はこれらの併料 |
重加算税
(過少・無申告) |
| 過少申告 | 程度により脱税犯として処罰されるケースあり | 過少申告加算税 | |
| 無申告 | 故意に税を免れる意思をもって申告書を提出せず、税を免れた場合:
5年以下の懲役もしくは500万円(情状により脱税額)以下の罰金、又はこれらの併料(直接税及び消費税) |
無申告加算税 | |
| 源泉徴収不納付 | 源泉所得税不納付罪:
10年以下の懲役もしくは200万円(情状により脱税額)以下の罰金、又はこれらの併料 |
不納付加算税 | |
| ②秩序犯 | 無申告 | 申告書不提出罪:
(故意に税を免れる意思がなく申告書を提出せず、申告義務があった場合) 1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金 |
無申告加算税 |
| 調書の不提出等 | 法定調書等の虚偽記載・不提出罪:
1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金 |
||
| ③滞納 | 延滞税 | ||