中小企業等経営強化法に係る税制措置 (固定資産税特例と中小企業経営強化税制)

平成28年7月1日より施行された中小企業等経営強化法による「経営力向上計画」(人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資等により、事業者の生産性を向上させるための計画であり、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます)の認定を受けた中小企業者等は、一定の要件を満たす場合、以下の税制措置を受けることができます。

平成29年度税制改正により、税制措置として拡充となりました「固定資産税の軽減措置特例」と改組・創設された「中小企業経営強化税制」の2つとなりました。 又、 中小企業に対する他の投資優遇制度(中小企業投資促進税制と特定中小企業者等の経営改善設備投資促進税制)も併せて以下に紹介します。

 

1.固定資産税の軽減措置特例

経営力向上計画に基づき認定された事業者は、平成31年3月31日までに生産性を高める一定の設備を新規取得した場合、その翌年度から3年間の当該固定資産税の課税標準が2分の1に軽減されます。

(1)対象設備

種類 最低取得価額 販売開始要件(*1) 用途・細目 経営力向上要件(*1)
機械装置 1台160万円以上 10年以内 限定なし 旧モデル比で経営力に資するものの指標が年平均1%以上向上
工具 1台30万円以上 5年以内 測定工具及び検査工具に限る
器具備品 1台30万円以上 6年以内 限定なし
建物附属設備 1台60万円以上 14年以内 限定なし

*1: 工業会等による証明書で、販売開始時期と生産性向上に係る要件を確認するために取得する必要があります。

(2)地域・業種の制限

生産性を向上させて賃上げに繋げる必要性の有無が制限に関連しています。 なお、この地域・業種限定の判定は、本社所在地ではなく、設備の設置場所に応じて判定されることになります。

① 最低賃金が全国平均以上の7都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪)の地域

上記記載の機械装置以外の設備を当該7都府県に設置する場合、対象業種によって適用が制限(機械装置は制限無し)されるものがありますので、確認は中小企業庁が公表しています7都府県ごとの業種リストで行う必要があります。

② 最低賃金が全国平均未満の地域

制限なく、全業種が特例の対象となります。

業種の判定は、日本標準産業分類の「中分類」で行われます。

(3)基本的な手続フロー

① 事業者は対象設備の取得を決めたら、設備メーカを通じて工業会発行の証明書を入手

② 上記証明書と投資計画申請書を主務大臣(担当省庁)に提出

③ 主務大臣(担当省庁)は、計画認定書と投資計画申請書(写し)を事業者に交付

④ 事業者は、固定資産税の納税書類と一緒に、投資計画申請書(写し)・計画認定書(写し)・工業会証明書(写し)を自治体に提出

原則、対象設備取得前に計画申請書を主務大臣に提出することになっています。なお、取得後に提出する場合には、取得日から60日以内に計画申請書等の必要書類が受理される必要があります。

 

2.中小企業経営強化税制

青色申告書を提出する中小企業者等で中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、平成29年(2017年)4月1日から平成31年(2019年)3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、及びソフトウェアで特定経営力向上設備等に該当するもののうち、一定の規模以上のものの取得等をして、その特定経営力向上設備等を国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合に、その普通償却限度額との合計で取得価額までの特別償却(即時償却)と、その取得価額の7%(特定中小企業者等では10%)の税額控除(但し、法人税額の20%が限度で、控除限度超過額は1年間繰越可能)との選択適用が認めるというものです。

 

制度の目的 生産性の高い先進的な設備や生産ライン等の改善のための設備投資に対する税制支援(即時償却又は税額控除)を行い、 中小企業者の民間投資を活性化させる。
適用法人 青色申告書を提出する中小企業者等で、経営力向上計画の認定を受けた事業者。

具体的には、資本金1億円以下の企業、もしくは従業員千人以下の事業者、組合等。

適用要件 「生産等設備」を構成する「特定経営力向上設備等」のうち、 一定規模以上のものを取得等し、 その設備を国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合。
指定事業 一部の事業は対象外、例えば、金融業、電気業(太陽光発電設備に関し、全量売電の場合には、電気業の用に供する設備として指定事業外となります)、映画業を除く娯楽業、風俗営業等であるが、ほぼ全営業が指定事業の対象とされる。
生産等設備とは 法人の指定事業用に直接供される生産等設備の減価償却資産で構成されるもの。 従って、 本店、 寄宿舎等の建物附属設備、 福利厚生施設等は非該当となります。国内への投資であること。中古資産・貸付資産でないこと等。
特定経営力向上設備等とは 経営力向上設備等(①生産性向上設備と②収益力強化設備)のうち経営力向上に著しく資する一定のもので、その法人の認定を受けた経営力向上計画に記載されたもの。
①生産性向上設備(A類型):個別設備の性能の向上の度合いを確認
種類 最低取得価額 販売開始(*1) 用途・細目 経営力向上要件(*1)
機械装置 1台160万円以上 10年以内 限定なし 旧モデル比で経営力に資するものの指標が年平均1%以上向上

 

 

 

 

工具 1台30万円以上 5年以内 測定工具及び検査工具に限る
器具備品 1台30万円以上 6年以内 限定なし
建物附属設備 1台60万円以上 14年以内 限定なし
ソフトウエア 1台70万円以上 5年以内 稼働状況等を情報収集機能及び分析等するものに限る

 

*1: ソフトウエア及び旧モデルがないもの(*1の販売開始要件を満たすこと)以外は、 同メーカーの旧モデル比で経営力の向上に資するものの指標(生産効率、 エネルギー効率、精度等)が年平均1%以上向上するものであること。

確認者:工業会等による証明書で、販売開始時期と生産性向上に係る要件を確認するために取得する必要があります。

証明書を入手後、経営力向上計画の申請書に当該証明書を添付して事業分野別の主務大臣に申請して認定を受けることになります。

基本的なフロー:

イ 証明書「入手」

ロ 計画「申請」

ハ 計画「受理」

二 計画「認定」

ホ 設備「取得」

へ 設備「事業供用」

②収益力強化設備(B類型):設備投資計画の投資収益力を確認 ① 経済産業局の確認を受けた投資計画に記載された設備(機械装置160万円以上、 工具30万円以上、 器具備品30万円以上、建物附属設備60万円以上、及びソフトウエア70万円以上)。

② 投資利益率が年平均5%以上となることが見込まれる投資計画に係る設備であること。

確認者:確認申請は所轄の経済産業局に対して行いますが、設備投資計画案については、税理士又は公認会計士から事前確認書を得ておくことが必要となります。

経済産業局から確認書を入手後、経営力向上計画の申請書に当該確認書を添付して事業分野別の主務大臣に申請して認定を受けることになります。

基本的なフロー:

イ 投資計画「事前確認」

ロ 投資計画確認書「発行申請」

ハ 確認書「入手」

二 計画「申請」

ホ 計画「受理」

へ 計画「認定」

ト 設備「取得」

チ 設備「事業供用」

特別償却と税額控除との選択適用 その普通償却限7%(資本金3千万円以下の特定中小企業者等では10%)の税額控除(但し、法人税額の20%が限度 (20%限度は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制及び経営改善設備投資促進税制における税額控除額の合計で20%)で、控除限度超過額は1年間繰越可能)との選択適用が認めるというものです。

中小企業者等 即時償却、又は税額控除(取得価額の7%)
特定中小企業者等 即時償却、又は税額控除(取得価額の10%)
適用時期 同法の施行日(平成29年4月1日)から平成31年3月31日までの間の取得等。

なお、この中小企業経営強化税制に関するQ&A集が、中小企業庁より平成29年4月4日に公表されています。

 

3.経営力向上計画の概要

中小企業等経営強化法による「経営力向上計画」は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資等により、事業者の生産性を向上させるための計画であり、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。また、計画申請においては、経営革新等支援機関(士業等の専門家、商工会議所・商工会、地域金融機関等)のサポートを受けることが可能です。

(1)申請・認定の時期(弾力的な運用可)

原則、経営力向上計画の申請・認定は、設備の取得前に行うことが必要ですが、①取得後60日以内に計画が「受理」され、かつ、②設備の「取得」と計画の「認定」が同一事業年度内であれば、設備の取得後の計画申請・認定も容認されます。

具体的には、中小企業経営強化税制のA類型については、工業会等の証明書の入手の前から設備の取得等が可能となります。 一方で、B類型は、経済局に投資計画の確認書の「発行申請」を行った後に設備の取得等が可能となります。また、固定資産税の軽減と同様に「60日ルール」が課され、設備の取得日から60日以内に経営力向上計画が「受理」されることが必要となります。加えて、A類型、B類型ともに、設備の「取得」と同一事業年度内に計画が「認定」されることも必要となります。

(2)計画認定申請書

計画認定申請書は事業分野別の主務大臣に提出し認定を受けることになります。 記載内容は以下のようになります。

①企業の概要、②現状認識、③経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標、④経営力向上の内容など簡単な計画、等を策定することになります。

 

  1. 中小企業投資促進税制

上述以外に中小企業に対する投資優遇税制の中に、中小企業投資促進税制があり、平成29年度税制改正により、対象資産から器具備品が除外され、 適用期限が2年延長(平成31年3月31日まで延長)となりました。

特別償却の種類 対象法人、 対象設備の範囲等 限度額
特別償却等 税額控除
中小企業者等の機械等(平成10.6.1から31.3.31まで)

(①機械装置で、 1台又は1基で取得価額160万円以上、 ②ソフトウエアで70万円以上、 ③車両総重量3.5トン以上の貨物自動車、 ④内航船舶)

新品を指定事業に供する

中小企業者等(資本金3千万円以下)で大規模法人(資本金1億円超の法人で、 単独所有で50%以上、 又は複数所有で3分の2以上の所有関係。 なお、 所有割合判定では、 親会社の同族関係者の持株等は考慮しません)の所有法人を除き、 常時勤務従業員数が1千人以下等)が新品の一定の機械装置等を取得し事業に供した場合には、特別償却、 又は税額控除の選択可(特別償却の適用要件としては、 資本金1億円以下の中小企業者等) 基準取得価額の30%

(なお、 内航船舶の基準取得価額は、 実際の取得価額の75%相当額)

次の①と②のいずれか少額の金額

①基準取得価額(内航船舶では、取得価額の75%相当額)の7%

②当期法人税額の20% (20%限度は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制及び経営改善設備投資促進税制における税額控除額の合計で20%)

また、 ①>②のときには、 限度超過額を1年間の繰越控除可

 

  1. 特定中小企業者等の経営改善設備投資促進税制の期限延長

平成29年度税制改正により、特定中小企業者等の経営改善設備投資促進税制の適用期限が2年延長(平成31年3月31日まで延長)となります。 その概要は以下のとおり(商業・サービス業・農林水産業の中小企業等の設備投資促進税制とも呼称されています)。

青色申告法人で指定事業を営む中小企業等が経営改善に関する指導及び助言を受けて行う店舗改修等に伴い器具備品及び建物附属設備の取得等を行なった場合、その取得価額に対して特別償却か税額控除かを選択適用できる制度(所得税についても同様の取扱い)。

適用期間 平成29年4月1日~平成31年3月31日の間に店舗改修等を行なった場合
指定事業 卸売業、 小売業、 サービス業、 農林水産業(性風俗関連特殊営業及び風俗営業を除く)
適用要件 商工会議所、 認定経営革新等支援機関等による法人の経営改善に係る指導及び助言を受けて行う店舗改修等であること
対象設備 ① 器具備品: 1台又は1基の取得価額が30万円以上

② 建物附属設備: 1つの取得価額が60万円以上

特別償却額 対象設備の取得価額 X 30%
税額控除額 対象法人は、 資本金3,000万円以下の中小法人等に限定 (但し、 認定経営革新等支援機関等は対象から除外)

対象設備の取得価額 X 7%

(但し、 控除限度額は当期法人税額の20% (20%限度は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制及び経営改善設備投資促進税制における税額控除額の合計で20%)であり、 控除限度超過額は1年間の繰越可能)

 

高齢者に応分負担要求 介護保険法 改正案きょう成立

現役並みの所得がある高齢者が介護サービスを利用する際の自己負担割合を引き上げる介護保険関連法改正案が、25日の参院厚生労働委員会で与党などの賛成多数で可決した。 2018年8月から一部の利用者の負担割合が2割から3割に引き上げられる。

自己負担を3割にする基準は今後政令で定める。単身世帯の場合、年収340万円以上の高齢者が想定されている。

空き店舗への課税強化 政府方針 地方の商店街再生

「まち・ひと・しごと創生基本方針」案の中で、地方の商店街を活性化させるため、空き店舗への課税を強化する方針を盛り込んだ。

基本方針案では、地方の空き店舗の活用について「積極的に取り込む地方公共団体や商店街を支援する」との方針を明記した。人が住んでいる商店街の店舗は税制上、住宅として扱い、固定資産税が最大で6分の1に減額される。政府は、空き店舗となった場合は住宅の特例対象から外し、事実上増税することを検討する。

寄附金控除 (法人版)

寄附金は、 その支出に対する見返りがないため費用性に乏しく、 相手方に対する利益分の性格が強いということからその全額を損金算入とすべきではないという考え方があります。 しかし、 寄附金の中には事業との関連性のあるものもあるという考え方(しかし、 一般的に寄附金は事業に直接関係がある支出ではないものです)から、 税務上では寄附の相手先及び内容に応じて、 損金算入限度額等の規定を設けています。 寄附先別における法人税法の取扱いの概略は以下のとおりです。

寄附先別の区分
①指定寄附金等(国・地方公共団体等、 及び財務大臣の指定 ②特定公益増進法人、 認定特定非営利活動法人・特定地域雇用会社・特定地域雇用等促進法人、 又は認定特定公益信託(特増寄附金) ③一般の寄附金 ④完全支配関係がある内国法人 ⑤国外関連者
全額損金算入 特増寄附金の額又は特別損金算入限度額のいずれか少ない金額。

特増寄附金の額 > 特別損金算入限度額の場合には、 その超過部分の金額は 、一般の寄附金の支出額に含めて損金算入限度額の超過計算をおこなう。

損金算入限度額有り 全額損金不算入

(一) 国等に対する寄附金及び指定寄附金

国や地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その支払った全額が損金に算入されます。

(二) 特定公益増進法人等に対する寄附金の特別損金算入限度額

公益の増進に著しく寄与する法人を特定公益増進法人と呼称し、 公益法人等中の公益社団

法人、 公益財団法人、 学校法人、 社会福祉法人、 更生保護法人、 独立行政法人等が対象となります。 また、 認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)も含まれます。

(1) 資本等がある法人(普通法人、 協同組合等及び人格のない社団等) (2) 資本等がない法人
① 資本基準額

(期末資本金額 + 期末資本積立金額) X 当期月数/12 X 0.375%

② 所得基準額

(支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 6.25%

③ (① + ②) X 1/2 = 特別損金算入限度額

所得基準額:

(支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 6.25%

(三) 一般の寄附金の損金算入限度額

(1) 資本等がある法人(普通法人、 協同組合等及び人格のない社団等) (2) 資本等がない法人
① 資本基準額

(期末資本金額 + 期末資本積立金額) X 当期月数/12 X 0.25%

② 所得基準額

(支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 2.5%

③ (① + ②) X 1/4 = 損金算入限度額

所得基準額:

(支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 2.5%

 

公益法人等(非営利型法人等を除く)の場合:

① 公益社団法人・公益財団法人

所得基準額: (支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 50%

なお、 みなし寄附金がある場合には、 別途定めた所得基準額による損金算入限度額を計

算することになります。

② 社会福祉法人、私立学校法人、 社会医療法人、 更生保護法人

所得基準額: (支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 50%

50%相当額が200万円未満である場合には、 損金算入限度額は200万円となります。

③ 上記以外の法人

所得基準額: (支出寄附金総額 + 別表四仮計) X 20%

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税):法人住民税及び法人事業税における寄附金税額控除

青色申告法人が、改正地域再生法の施行日(平成28年4月1日)から平成32年3月31日までの間に、地方創生推進寄附活用事業(地方公共団体が「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」を地域再生法の認定地域再生計画に基づき国(内閣府)に申請し認定を受けたもの)に関連する寄附金を支出した場合、法人事業税、法人住民税、法人税から一定額を税額控除できます。 但し、次の法人への寄附は対象外となります。

① 法人の本社が立地する地方自治体(都道府県・市町村)の事業への寄附(本社所在の地方公共団体へ最も多額の法人住民税を納めていることから、既に納税という形で貢献しているために対象外)

② 地方交付税の不交付団体(地方公共団体)等への寄附(地方創生事業の財源確保することを目的としていることから、財源超過団体とみなされる東京都等は対象外)

なお、当該寄附の代償としての経済的利益の供与は禁止されています。

 

現行の寄附金の損金算入制度(税額で寄附額の約30%)に加え、以下の税額控除(地方税 + 法人税で寄附額の30%を控除)が可能となります。

寄附による税額減少のイメージ図:

寄附額(100%)
損金算入対応分(約30%)

地方税 + 国税

税額控除(30%)

事業税 +(住民税+法人税)

(10%)   (20%)

実質的な企業負担分

(約40%)

 

税額控除額 控除税額の上限
法人事業税

(注1)

寄附額の10% 法人事業税額の20%
 

法人住民税

(注1)

 

開始事業年度

道府県民税法人税割額 市町村民税法人税割額  

道府県民税法人税割額の20%

 

市町村民税法人税割額の20%

平成29年3月

31日までに開始

寄附額の5% 寄附額の

15%

平成29年4月

1日以後に開始

寄附額の

2.9%

寄附額の

17.1%

法人税 ① 寄附額の20% - 法人住民税からの控除税額

② 寄附額の10%

③ 上記①と②のいずれか少ない金額

法人税額の5%

注1:2以上の自治体に事業所等がある法人における控除税額の按分基準

法人事業税は、課税標準額を基準として按分する。

法人住民税は、従業員数を基準として按分する。

 

所得税(個人)と法人税(法人)の寄附金税制の比較(主なもの)

区分 所得税 法人税
国又は地方公共団体に対する寄附金 特定寄附金として、一定の金額を所得控除 (公益社団法人等、認定NPO法人等又は政党等に対する寄附金で一定のものについては、税額控除を選ぶことができます) 支出額の全額を損金算入
指定寄附金
特定公益増進法人に対する寄附金 一般の寄附金とは別枠で寄附金の額の合計額と特別損金算入限度額とのいずれか少ない金額の範囲内で損金算入
特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
認定NPO法人等に対する寄附金
政治活動に関する寄附金 損金算入限度額の範囲内で損金算入
一般の寄附金(上記以外) 所得控除されない

 

建築業者から紹介手数料 アパート融資 地銀、利益相反か 金融庁是正へ

相続税対策を背景に拡大している賃貸アパート向けの融資で、一部の大手地銀が顧客を建築業者に紹介する見返りに手数料を受け取っていることが金融庁の調べで分かった。 請負金額の最大3%に上り、請負額が増えるほど銀行の実入りが増える。 建築費を低く抑えたい顧客との間で利益相反が生じる懸念があり金融庁は顧客本位の原則に沿って是正を促す方針だ。

法人税電子申告を義務に 2019年度にも実施

財務省と国税庁は企業が法人税と消費税の税務申告をする際、インターネットを使った電子申告(e-Tax)を義務化する方針だ。 納税手続きをめぐる官民の事務作業の効率化が狙い。 早ければ2019年度から始められるよう与党の税制調査会 や経済界と調整に入る。 財務省などが6月までに具体案を詰め、2018年度税制改正大綱に盛り込むことを見指す。

遺産争いの法定相続分預金 最高裁 払い戻し認めず

遺産相続を巡って親族間の争いがある場合に、法定相続分の預金を払い戻せるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は6日、預金の払い戻しを認めない判断を示した。

昨年12月の大法廷決定は過去の判例を変更。 預貯金が「遺産分割」の対象になると判断。 預貯金だけを自動的に法定相続分に応じて分けることはできないとした。 今回の判決は、大法廷決定の流れに沿った判断となった。

寄附金控除(個人版)

ふるさと納税を行う人が増えていますが、 これも寄附金ということで税制上では、 税負担の軽減が図られています。 以下では、個人からの寄附行為に対する税務上の取扱いを確認したいと思います。

1.税務上の寄附金控除(所得控除と税額控除)とは

寄附金控除の適用を受けるには、寄附の相手先が「特定寄附金」の対象として認められていることが必要となります。 「特定寄附金」に該当すれば所得から一定の寄附金額を控除できるという「所得控除」が認められ、更にその中で一定の寄附金に該当しますと、所得控除に代えて、税額から一定金額を控除できるという「税額控除」を選択することができます。

2.「特定寄附金」の主な範囲

(1)国又は地方公共団体に対する寄附金

ふるさと納税もここに含まれます。

(2)指定寄附金

公益を目的とする事業法人(公益社団法人、公益財団法人等)、又は一定の要件を満たす団体に寄附するもののうち、財務大臣が指定した緊急性を要するものとした寄附金

(3)政治活動に関する寄附金

(4)特定公益増進法人に対する寄附金

公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、一定の学校法人等

(5)認定特定非営利法人等(認定NPO法人等)に対する寄附金

3.「税額控除」対象の寄附金と税額控除額

税額控除を税務上では「特別控除」という表現で規定しており、以下のものがあります。

① 政党等寄附金特別控除

特定の政治献金のうち、政党や政治資金団体へ寄附された場合の税額控除額

(イ)年間の政党等特定寄附金合計額(注1)又は総所得金額等の40%相当額のいずれか少ない金額 - 2千円(注1)

(ロ)上記(イ)X 30%

(ハ)所得税額 X 25%

(ニ)上記(ロ)と(ハ)のいずれか低い金額 = 政党等寄附金特別控除

② 公益社団法人等寄附金特別控除

一定の要件を満たす公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人、国立大学法人、公立大学法人等へ寄附をされた場合の税額控除額

(イ)年間の公益社団特定寄附金合計額(注1)又は総所得金額等の40%相当額のいずれか少ない金額 - 2千円(注1)

(ロ)上記(イ)X 40%

(ハ)所得税額 X 25%(注2)

(ニ)上記(ロ)と(ハ)のいずれか低い金額 = 公益社団法人等寄附金特別控除

③ 認定NPO法人等寄附金特別控除

一定の要件を満たす認定NPO法人へ寄附された場合の税額控除額

(イ)年間の認定NPO特定寄附金合計額(注1)又は総所得金額等の40%相当額のいずれか少ない金額 - 2千円(注1)

(ロ)上記(イ)X 40%

(ハ)所得税額 X 25%(注2)

(ニ)上記(ロ)と(ハ)のいずれか低い金額 = 認定NPO法人等寄附金特別控除

注1:この控除対象寄附金額(総所得金額等の40%相当額)及び控除適用下限額(2千円)の判定は、 所得控除対象の寄附金額及び税額控除対象の寄附金額と合わせて総合計でおこないます。

注2:この判定は、公益社団法人等寄附金と認定NPO法人等寄附金との合計でおこないます(政党等寄附金は含まず別枠での判定)。

 

上記の①~③の特定寄附金に該当された場合には、当該税額控除と下記の所得控除の有利な方をそれぞれ選択適用することができます。

4.「所得税寄附金控除」の計算

ふるさと納税(税額控除の適用は認められません)等の特定寄附金には寄附金所得控除額が認められていますが、その計算式は次のとおりです。

(イ)年間の特定寄附金合計額(注1)

(ロ)総所得金額等 X 40%

(ハ)上記(イ)と(ロ)のいずれか低い金額

(ニ)上記(ハ)の金額 - 2千円 = 寄附金所得控除額

(ホ)所得税の軽減税額

寄附金所得控除額 X 所得税率 X 1.021%

5.「住民税寄附金税額控除」の計算

上記では、所得税における寄附金の控除についてでしたが、同時に住民税におきましても特定の寄附金に対しては寄附金控除が認められています。 例えば、次の様な寄附金が対象となります。

① 都道府県・市区町村へのふるさと納税

② 住所地の日本赤十字社支部

③ 住所地の都道府県共同募金会

④ 住所地の都道府県が条例で指定する社会福祉法人

⑤ 住所地の都道府県・市区町村ともに条例で指定する認定NPO法人

なお、住民税においての控除方式は、税額控除のみとなっています。 住民税は、都府県民税と市町村民税とに分かれ、寄附金も特定寄附金になるものか否かは条例により異なりますので別々に計算する必要があります。

(1)住民税基本控除分

(イ)年間の都府県、市町村又は特別区等への特定寄附金合計額

(ロ)総所得金額等の30%相当額

(ハ)上記(イ)と(ロ)のいずれか低い金額

(ニ)上記(ハ)の金額 - 2千円

(ホ)上記(ニ)の金額 X 10%(都府県民税4%、市町村民税6%:平成30年度分より2%と8%に標準税率の変更)= 住民税基本控除分

(2)住民税特例控除分

(イ)年間の都府県、市町村又は特別区への特定寄附金合計額 - 2千円

(ロ)上記(イ)の金額 X (90% - 所得税率 X 1.021 X 5/5(都府県民税2/5、市町村民税3/5:平成30年度分より1/5と4/5に変更))

(ハ)住民税所得割額 X 20%相当額

(ニ)上記(ロ)と(ハ)のいずれか低い金額 = 住民税特例控除分

(3)住民税の寄附金税額控除額 = (1)+ (2)

6.寄附金限度額の計算

ふるさと納税でよく言われるのが、寄附金額から2千円控除した金額の全てが税金計算上、控除されることになるということですが、 これは正しいでしょうか。 これまでの寄附金の限度計算では、総所得金額等(注3)の40%或いは30%、又は住民税所得割額(注4)の20%が限度という算式がありましたので、寄附金には所得金額の多寡により一定の寄附金額控除に限度があることが分かります。 上記から、

寄附金限度額 = 個人住民税所得割額X 20%÷(90%-所得税率X1.021) + 2千円

の算式が導かれます。 ご存知の様に所得税率は、累進税率の7段階に分かれていますので、次の表が寄附金限度額の目安となるかと思います(但し、申告分離課税のみの場合ではなく、総合課税と申告分離課税も含む場合の適用時における目安)。

所得税の課税所得額 所得税率 寄附金限度額
195万円未満 5% 個人住民税所得割額 X 23.558% + 2千円
195~330万円未満 10% 個人住民税所得割額 X 25.065% + 2千円
330~695万円未満 20% 個人住民税所得割額 X 28.743% + 2千円
695~900万円未満 23% 個人住民税所得割額 X 30.067% + 2千円
900~1,800万円未満 33% 個人住民税所得割額 X 35.519% + 2千円
1,800~4,000万円未満 40% 個人住民税所得割額 X 40.683% + 2千円
4,000万円以上 45% 個人住民税所得割額 X 45.397% + 2千円

注3:総所得金額等とは

所得税計算での総合課税所得金額及び申告分離課税所得金額を合算し、かつ、各種の繰越損失控除を使用していた場合には、その使用額を加算(控除前に戻す)したところの所得金額。

注4:住民税所得割額とは

住民税計算での課税所得金額に税率を乗じた税額(総合課税に係る税額控除前所得割額と分離課税に係る税額控除前所得割額との合計額)から調整控除額(通常2,500円)を控除した後の税額。

 

例えば、給与所得500万円、社会保険料50万円、基礎控除38万円(住民税では33万円)の場合の人が、ふるさと納税30万円を行った場合と行わなかった場合の所得税及び住民税は以下のようになります。

(1)ふるさと納税30万円を行わなかった場合

① 所得税額

5,000,000 - (500,000 + 380,000) = 4,120,000

(4,120,000 X 20% - 427,500) X 1.021 = 404,826 à 404,800(所得税額)

② 住民税額

5,000,000 - (500,000 + 330,000) = 4,170,000

4,170,000 X 10% = 417,000円(住民税額)

(2)ふるさと納税30万円を行った場合

① 所得税額

(イ)特定寄附金合計額 300,000

(ロ)5,000,000 X 40% = 2,000,000

(ハ)上記(イ)と(ロ)のいずれか低い金額 300,000

(ニ)300,000 - 2,000 = 298,000寄附金所得控除額

(ホ)所得税額

5,000,000 - (500,000 + 298,000 + 380,000) = 3,822,000

(3,822,000 X 20% - 427,500) X 1.021 = 343,974 à 343,900 (所得税額)

(へ)寄附金による所得税額の軽減税額

寄附金所得控除額 X 所得税率 X 1.021 = 298,000 X 20% X 1.021 = 60,900円

② 住民税額

(1)住民税基本控除分

(イ)特定寄附金合計額 300,000

(ロ)5,000,000 X 30% = 1,500,000

(ハ)上記(イ)と(ロ)のいずれか低い金額 300,000

(ニ)300,000 - 2,000 = 298,000

(ホ)298,000 X 10% = 29,800

(2)住民税特例控除分

(イ)特定寄附金合計額300,000 - 2,000 = 298,000

(ロ)298,000 X (90% - 20% X 1.021) X 5/5(都府県民税2/5、市町村民税3/5)= 207,348

(ハ)住民税所得割額 (4,170,000 X 10% - 2,500) X 20% = 82,900

(二)上記(ロ)と(ハ)のいずれか低い金額 82,900

(3)住民税の寄附金税額控除額 = 29,800 + 82,900 = 112,700円

(4)住民税額

5,000,000 - (500,000 + 330,000) = 4,170,000

4,170,000 X 10% - 112,700 = 304,300円(住民税額)

③ 所得税・住民税への軽減税額

所得税60,900 + 住民税112,700 = 173,600円

④ 寄附金限度額

以上の寄附額300,000円の例からは、 制限・上限に該当となるケースでしたが、 該当しない寄附額はいくらであったかは、 以下の計算で算出できます。

個人住民税所得割額X 20% ÷ (90% - 所得税率X 1.021)+ 2,000 = 414,500 X 20% ÷ (90% - 20% X 1.021) + 2,000 = 240,286円

計算結果から、 240,286円相当額が制限・上限に触れることのないレベル、 即ち、寄附金限度額ということになります。

ふるさと納税 返礼上限3割に

総務省はふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までに抑えるように全国の地方自治体に要請する。 自治体が寄附金を集めるために高額すぎる返礼品を競って導入しているため。

4月1日付けで全国の自治体に通知する。 通知に強制力はないが、明らかに寄付額の3割を超える返礼品を出す自治体に対しては、総務省が個別に見直しを求める。 今回の目安を示すことで多くの自治体が返礼品を見直すとみられる。