事業所得及び雑所得の所得区分

副業収入等を確定申告する時に、その所得区分(事業所得、雑所得、給与所得)に悩むことがあるかと思います。個人で収入を得た場合には、所得税法の所得区分は10種類ありそのいずれかに区分して所得税額等を計算していく必要がありますが、判断に迷うことがあることも事実です。特に、事業所得と雑所得の解釈に疑義が生じることが少なくありませんが、所得税基本通達の改正がありましたのでその内容を含めて確認したいと思います。
1.基本的な定義
(1)事業所得
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業、等から生じる所得ということで、社会通念上事業と判定される基準として、①営利性・有償性の有無、②継続性・反復性の有無、③自己の危険と計算における企画遂行性の有無、④その取引に費やした精神的或いは肉体的労力の程度、⑤人的・物的設備の有無、⑥その者の職歴・社会的地位・生活状況、等を総合勘案するということになっています。
(2)雑所得
他の9種類の所得区分に属さない所得となります。
(3)給与所得
雇用契約に基づいて勤務の対価として受給する給与・賞与からなる所得ということになります。上記2つの所得との大きな違いは、雇用契約の存在ですが、雇用契約と同じく、他人のために活動をする契約として、「請負契約」や「委任契約」というものもあります。雇用契約の場合は、労働者は雇用者の指揮・命令に従って仕事をすることになりますが、請負契約や委任契約では、雇用主の指示ではなく自らの判断で独立して仕事をするという点が異なります。税務上で注意しなければならない点は、契約というよりも業務実態から判定されることになります。
2.事業所得及び雑所得の判定基準
(1)原則
その所得を得る為の活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているか否かでの判定となります。
なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存があれば概ね事業所得に該当として申告可能となります。
(2)その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合の取扱い
① その所得の収入金額が僅少となっている場合
例年(概ね3年程度の期間)、300万円以下で主たる収入金額に対する割合が10%未満である場合には僅少に該当となります。
② その所得を得る活動に営利性が認められない場合
その所得が例年赤字で、かつ、赤字解消の取組を実施していない場合(収入を増加させる、或いは所得を黒字にする為の営業活動等の実施が無い状況)には、営利性が認められないことになります。
上記に該当する場合には、事業所得ではなく業務に係る雑所得に該当することになります。

以上から、記帳・帳簿書類の保存の有無で所得区分を判定することになり、記帳・帳簿書類を保存していれば、売上300万円以下の副業であっても概ね「事業所得」として申告可能とのことです(ただし、社会通念上の「事業」に該当することが前提)。
事業所得と雑所得の区分:

収入金額他記帳・帳簿書類の保存有り記帳・帳簿書類の保存無し
300万円超社会通念上の事業状況で判定:事業所得社会通念上の事業状況で判定
300万円以下で主たる収入の10%未満、又は例年赤字で営利性無し社会通念上の事業状況で判定:事業所得社会通念上の事業状況で判定
業務に係る雑所得

パートの厚生年金加入 企業の規模要件撤廃

政府はパートやアルバイトらの短時間労働者が厚生年金や健康保険に入れる要件を緩和する検討に入る。
2024年10月には法人の従業員規模を51人以上まで下げることは既に決まっており、今後は、労働時間が週20時間未満の労働者への適用拡大の検討や5人以上の個人事業における飲食行等の対象外の業種への拡大、更に5人未満の個人事業所への対象者の拡大を議論するとのことです。

ふるさと納税 控除手続 「郵送不要」が広がる

ふるさと納税の住民税控除手続をオンラインで完結できるサービスが増えている。寄附仲介のポータルサイトを運営する、さとふるは9月26日、オンライン完結型のサービスを始めた。寄付者は専用のスマートフォンアプリを使い、マイナンバーカードの電子証明書をスマホで読み取って本人確認したうえで手続する。こちらが利用できる対象者は、確定申告不要者で寄付先が年間5自治体以下の「ワンストップ特例制度」適用者である必要があります。

配偶者及び親族が被扶養者となる適用条件

年末調整の時期が近づいてきていますが、被扶養者になるか否か気になる方も少なくないかもしれません。この被扶養者に関しましては、所得税上と社会保険上の取扱いが、以下の様に異なりますので留意する必要があります。
1.所得税上の被扶養者とは(下記の全てを満たすこと)
「所得税の扶養」とは、扶養している親族等の人数に応じて所得の控除を受けることができる制度のことになります。
① 「生計を一にする(家計を共にしていれば同居でなくてもOK)」
② 以下の所得基準(収入金額ではありません)があります。
年間所得金額が480千円以下(給与収入で1,030千円)であること。なお、70歳以上の老人扶養は、同居での所得で580千円以下(年金収入で1,680千円・給与収入で1,130千円)・同居外での所得で480千円以下(年金収入で1,580千円・給与収入で1,030千円)であること。

2.社会保険上の被扶養者とは(下記の全てを満たすこと)
「社会保険の扶養」とは、被保険者の扶養している親族等が、自分自身で社会保険料を負担することなく保険の給付を受けられる制度のことになります。
① 「三親等以内の親族は同一の世帯(同居して家計を共にしている)」であること
② 年間の収入金額(所得金額ではありません)が1,300千円未満(60歳以上は1,800千円未満)であること、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること。いわゆる「130万円の壁」と言われるのは、この認定基準があるからです。
③ 75歳未満であること(従って、75歳以上は扶養者になれません。何故ならば、75歳から後期高齢者医療保険制度に移行になりますので、社会保険制度への加入資格はありません)

なお、社会保険加入で収入金額を「106万円」未満に収めたいと言われることがありますが、いわゆる「106万円の壁」とは、働く方でその方自身が厚生年金保険や健康保険といった社会保険への加入が必要となる収入基準のことです。こちらの保険適用基準は、以下の一定の条件を満たした場合に対象となります。
① 週20時間以上働いている
週20時間を算出する際は、残業時間を合算せずに計算します。
② 1年以上継続して勤務する見込み
雇用契約書等に1年以上継続して勤務する見込みがあること。
③ 1カ月の賃金が8.8万円超
1カ月の賃金が8.8万円を超すというもの。1カ月の賃金が8.8万円を超すと、1年の年収が計算上、で106万円以上になります。ここでいう1カ月の賃金とは所定内賃金のみで、各種手当や賞与などは含みません。
④ 学生ではない

住宅地31年ぶり上昇 基準地価 全用途プラスに

国土交通省が20日発表した2022年の基準地価は住宅地や商業地など全用途の全国平均が前年比0.3上がり、3年ぶりのプラスだった。住宅地は1991年以来、31年ぶりに上昇。
2022年基準地価の変動率(7月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):

地域住宅地商業地全用途
前年2022年前年2022年前年2022年
全国平均▲0.50.1▲0.50.5▲0.40.3
三大都市圏0.01.00.11.90.11.4
東京圏0.11.20.12.00.21.5
大阪圏▲0.30.4▲0.61.5▲0.30.7
名古屋圏0.31.61.02.30.51.8
地方圏▲0.7▲0.2▲0.7▲0.1▲0.6▲0.2
中核地方4市4.26.64.66.94.46.7

公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。

公示地価 基準地価路線価 固定資産税評価額
調査主体国土交通省 都道府県国税庁市町村
調査地点数約26,000約21,500約330,000多数
調査時点1月1日7月1日1月1日1月1日(原則3年に1回、 次回は2021年)
公開時期3月9月7月又は8月3月
公開サイト国交省(土地総合情報ライブラリー)国交省(土地総合情報ライブラリー)国税庁資産評価システム研究センター
その他調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。調査対象は地方の調査地点が多く、 不動産鑑定士の評価を参考に調査し、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準

雇用保険料率の改正(令和4年10月より)

雇用保険料率が令和4年10月より労働者及び事業主のそれぞれの負担率が、2/1000の増加となります。以下の様に、一般事業会社での労働者負担率が、3/1000から5/1000に上昇します。
(1)令和4年4月1日~9月30日までの期間
①一般の事業    9.5/1000(うち労働者負担 3/1000・事業主負担 6.5/1000)
②農林水産業等   11.5/1000(うち労働者負担 4/1000・事業主負担 7.5/1000)
③建設業      12.5/1000(うち労働者負担 4/1000・事業主負担 8.5/1000)
(2)令和4年10月1日~令和5年3月31日までの期間
①一般の事業    13.5/1000(うち労働者負担 5/1000・事業主負担 8.5/1000)
②農林水産業等   15.5/1000(うち労働者負担 6/1000・事業主負担 9.5/1000)
③建設業      16.5/1000(うち労働者負担 6/1000・事業主負担10.5/1000)

改正電子帳簿保存制度の概要

改正電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿及び書類の保存方法等の特例に関する法律:電帳法)の適用開始が、2年間の適用猶予期間の終了後の2024年(令和6年)1月1日となっています。
この電帳法による電子データ保存の3分類の内の「電子取引」に係るデータ保存制度では、電子で取引した際の電子取引データは所定の保存要件に基づいて保存しなければならないという保存義務が課されています。その大きな改正点は、電子取引に該当する場合には、これまでの電子取引データを紙に出力して保存することが認められなくなり、保存要件に従って電子取引データそのものを保存しなければならなくなっています。逆に、電子取引に該当しない帳簿・書類はこれまでどおり紙での保存で良いのですが、この紙での保存に代えて電子化して保存を望む場合には、所定の保存方法(電子帳簿等保存又はスキャナ保存)に従う必要があるというものです。電帳法の保存概要を纏めると以下の様になります。
① 電子取引の書類・帳簿等の保存方法(電子取引データとして保存強制)
電子的に授受される取引データ(電子取引となります)は、必ず電子取引データとして保存しておく必要があります。従って、当該電子データを紙で出力しその紙を保管し、電子データは削除することで紙を会計帳票書類とすることは保存においては認められません。この電子取引に関してのみ注視すれば良いことになります(電子取引は電子データのまま保存し所定の保存要件を満たす)。
② 電子取引以外の書類・帳簿等の保存方法(保存方法は任意選択)
上記①の電子取引以外の書類・帳簿の保存は、これまでと同様に紙での保存で問題はありません。ここで選択として、紙の保存量を減らしたい等の理由(ペイパーレス化)で紙での保存をせずに電子データ化して保存する場合には、書類・帳簿の内容別に「電子帳簿等保存」或いは「スキャナ保存」の適用要件を満たす保存法が要求されることになります。

1.電子データの保存分類
電子データの保存方法には、書類・帳簿等の内容別に「電子帳簿等保存」、「スキャナ保存」、「電子取引に係るデータ保存」の3種類に分かれています。その種類別に電子データ保存の要件が定められています。重要なことは、電子帳簿等保存とスキャナ保存については企業の任意選択(紙の保存又は電子データ化の保存の選択でよく、電子データで保存する場合には、所定の保存方法を遵守する必要があるということ)ですが、電子取引に係るデータ保存内容(紙の出力保存のみでは不可)については、該当する電子取引データを授受する全ての企業に適用される点が挙げられます。

2.電子データ保存義務の対象となる電子取引及び取引情報
(1)電子取引
電子取引とは、通信手段を問わず「取引情報」の受け渡し(授受)を電子データ(電磁的記録)により行う取引をいいます。以下は電子取引にあたり、書類等の受け渡しが電子データで行うものが含まれます。
① EDI 取引
② インターネット等による取引(クラウドサービスの利用等も含む)
③ 電子メールによる取引情報の受け渡し取引(添付ファイルも含む)
④ インターネット上のサイトで受け渡し取引
注:EDIとは「Electronic Data Interchange」の略称で、日本語では「電子データ交換」を意味します。企業間の商取引で発生する契約書や受発注書、納品書、請求書等といった帳票のやり取りを、専用回線やインターネットを用いて電子的に交換ができるシステム(企業間でやり取りする仕組)のことです。
更に、具体例として、
* 電子メールにより受領した請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)
* インターネットのホームページからダウンロード・スクリンショットした請求書や領収書等のデータ
* 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用
* クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、 スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用
* 特定の取引に係るEDIシステムを利用
* ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
注:FAXでの取引について
FAXで請求書等を受信することがありますが、この場合、その書面をスキャンして送信し書面で受領するタイプと、複合機などのFAX機能を介してデータを送受信するタイプの2種類があるかと思いますが、前者は書面(紙)での取引とされ、後者は電子取引に該当することになります。
* 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領、等があります。
(2)取引情報
取引情報とは、取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項(取引先・取引日・取引金額等の事項)となります。従って、この様な取引情報が含まれていない電子データの保存義務はありません。
(3)電子取引で受渡しのデータにおける所得税・法人税法と消費税法の違い
① 所得税(源泉所得税を除く)・法人税法
電帳法は税務関係帳簿書類の電子データ保存を可能とする法律であり、2024年1月1日以後は授受した電子取引データを書面等に出力(紙出力)して保存することは認められません(記帳管理上、書面等を紙で出力保管することは全く問題ありません)。 全ての電子取引の情報は、電帳法に定められる要件を満たした上で、電子データを保存しなければなりません。 もし、同日以後に行う電子取引の取引情報を書面のみで保存していた場合、青色申告の承認の取消対象となる可能性もあるため注意が必要です(取消等は説明、資料、情報等を総合勘案されますが、書面で取引内容の確認ができ、かつ、申告内容が正しく、書面保存以外の特段の事由がないような場合には、青色申告の取消や費用の経費性が認められないことにはならないとのことです)。
② 消費税法
電子データを書面等に出力しての保存が可能です。2023年10月から始まるインボイス制度導入後も、書面の保存でも仕入税額控除の適用が受けられます。

3.電帳法の対象資料(帳簿、書類、電子取引)とその保存方法
電子帳簿保存法の対象となる資料は、電子帳簿保存法の第4条及び第7条に記載されています。条項ごとに整理すると以下の通りです。

各資料の保存方法

電子帳簿等保存
(自己が最初からPC等で作成した帳簿書類)
スキャナ保存
(紙で発行・受領した取引関係書類)
電子取引データ保存
(電子データで授受された取引情報)

対象の資料は、大きく分けて、帳簿、書類、電子取引の3種類に分けられます。

対象資料の種類対象となる資料電帳法
帳簿国税関係帳簿4条1項
書類国税関係書類決算関係書類4条2項
取引関係書類自己が作成する電磁的記録の書類、又は紙での書類の写し等
相手方から受領した紙の書類等4条3項
電子取引電子的取引データ7条

対象資料の保存法を改めて整理すると、
上述の通り、電帳法の資料については、その資料の種類及び作成方法により保存方法が異なります。保存方法について一覧化すると下記のとおりです。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】

4.電子帳簿等保存とは(自己が最初の記録段階から一貫してデータで作成している場合)
国税関係帳簿及び書類のうち電子計算機(コンピュータ)を使用して自己が最初の記録段階から一貫して作成している国税関係帳簿及び書類については、一定の要件の下で、電磁的記録等(電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルム(COM))による保存が認められます。 なお、手書きで作成された国税関係帳簿については、原本の書面で保存することになります。
市販の会計ソフトを使って経理処理や申告書の作成等を行っている場合には、国税関係帳簿及び書類の電磁的記録等による保存等は認められるかは、市販の会計ソフトを使用して、見読可能装置(ディスプレイ等)やシステムの開発関係書類(システムの概要書等)の備付け等の法令で定められた要件を満たしている場合には、紙による保存等に代えて、電磁的記録等による保存等を行うことが認められます。しかしながら、 この法令で定められた要件を満たせない場合には、会計ソフトを使用して作成した帳簿書類について電磁的記録等による保存等は認められないことから、紙出力して保存等を行うことになります。
なお、優良な電子帳簿の保存要件を満たすことで、過少申告課税の5%軽減措置(税務署長への要事前申請)と所得税の青色申告特別控除(65万円)の適用を受けることが出来ます。
電子帳簿等保存における保存要件:

要件概要一般帳簿書類
1.関連書類の備付け
システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)の備付け
必要必要
2.見読性の確保
保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンター及びこれらの操作マニュアルを備付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できる
必要必要
3.検索機能の確保①取引年月日、取引金額、取引先で検索できる
②日付又は金額の範囲指定で検索できる
③2つ以上の任意の記録項目での組合せ条件で検索できる
税務職員による質問検査権に基づく電子データのダウンロードの求めに応じることができる必要
(注1)
必要
(注2)

注1:優良帳簿での全ての要件を満たす場合には不要。
注2:①②の機能確保の場合には不要

5.スキャナ保存とは( 取引先から書面で受領した領収書や請求書、自己で作成した控え等の書類をスキャナで読み取る場合)
スキャナ保存制度は、取引の相手先から受け取った請求書等及び自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類(決算関係書類を除きます。)について、書面による保存に代えて、一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められる制度です。
「スキャナ」とは、書面(紙)の国税関係書類を電磁的記録に変換する入力装置をいい、 いわゆる「スキャナ」や「複合機」として販売されている機器が該当することになります。 また、例えば、スマートフォンやデジタルカメラ等についても、上記の入力装置に該当すれば、「スキャナ」に含まれることになります。
スキャナ保存の主な保存要件:

入力期限①速やかに(7営業日以内)タイムスタンプを付す。
②なお、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの事務処理規程を定めている場合は、事務処理の経過後速やかに付す(2ヶ月+7営業日以内)。
タイムスタンプ付与入力期間内に、総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプを入力単位ごとの電磁的記録の記録事項を付す。
なお、入力期間内に、別途記録事項を入力したことを客観的に確認出来る場合(例えば、外部委託会社でタイムスタンプ付与、等)には、このタイムスタンプの付与要件に代えることが出来ます。
見読可能装置の備付けディスプレイ及びプリンター並びにこれらの操作マニュアルを備付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できること。
検索機能の確保条件① 日付、金額、取引先の 3つの項目で検索ができること。
条件② 日付、金額は範囲を指定して検索ができること。
条件③ 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせて、 検索条件を設定できること。 AND検索でOK、OR検索までは求められない。
検索要件の充足方法の例外:
保存の電子データについて、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに対して全てについて応じられる場合、その条件②及び条件③の要件は不要となります。

6.電子取引に係る電子取引データ保存とは(見積書、契約書、請求書、領収書等の送付・受領を電子データで行った場合)
電子取引制度は、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます) 及び法人税の保存義務者が取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的方式により授受する取引(電子取引)を行った場合には、その取引情報を一定の要件の下で電磁的記録により保存しなければならないという制度です。 所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められていますが、同様の取引情報を電子取引により授受した場合には、この注文書、領収書等の原始記録の保存が行われない結果となりかねない状況にあったため、電帳法において、新たに電子取引により授受した場合には、その取引情報に係る電磁的記録を一定の方法により保存しなければならないこととされています。
電子取引に係る電子取引データの保存要件(改ざん防止措置として取引情報の可視性と真実性を確保):
電子取引に係るデータは書面での保存が不可となるため、電子取引の保存要件として、「可視性の確保」と「真実性の確保」との2つを満たす必要があります。それぞれ以下の目的があります。
• 可視性の確保:保存されたデータを検索・表示できること(検索性と見読性)
• 真実性の確保:保存されたデータが改ざんされていないこと
1.可視性の確保要件(電子取引データの必須的保存3要件)

(1)関係書類の備付け電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合)。
(2)見読可能性の確保保存しているデータを速やかに出力できるよう、PCとディスプレイ・プリンターを備付ける。
(3)検索機能の確保条件① 日付、金額、取引先の 3つの項目で検索ができること。
条件② 日付、金額は範囲を指定して検索ができること。
条件③ 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせて、 検索条件を設定できること。 AND検索でOK、OR検索までは求められない。

検索要件の充足方法の例外
例外1. 保存の電子データについて、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに全てについて応じられる場合、その条件②及び条件③の要件は不要となります。
例外2. 電子取引保存に対応した専用システムを導入しておらず、一般的なパソコンやプリンターを使用している場合でも、以下のいずれかの方法でも検索要件を満たすことで保存要件を満たしたことになります。
① 取引情報のデータを規則的なファイル名により入力しておく方法。
ダウンロード可能な状態にして特定フォルダにファイル名で検索機能を活用する(税務職員の求めに応じて一括ダウンロードできるようにしておき、ファイル名に日付・金額・取引先を入れる)。
② エクセル等の表計算ソフトで索引簿を作成する方法。
範囲指定、および2以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できる機能が備わっているエクセル等の表計算ソフトに、取引データに係る取引年月日、取引金額、取引先の情報を入力して一覧表を作成する。
例外3. 以下を満たす場合には、検索要件充足は不要(免除)となります。
個人事業主の場合は2年前、法人の場合は前々年度の売上高が 1,000万円以下の場合(この売上高は、消費税における課税売上高ではありません)。

2.真実性の確保要件(選択的保存要件)
真実性の確保です。電子データは紙媒体の書類と比べて、内容の改ざんが容易です。電子データの改ざんが問題視されて、ニュースになった事例もあります。そのため、電子データを保存する際は、そのデータが改ざんされたとしても真実のデータがどういった内容のものか確認できるようにしておかなくてはいけません。

その真実性の確保として、次の①から④のいずれかの保存上の措置が必要です。

① 送信者側からタイムスタンプが付された後の取引情報を受領する。
② 速やかに(7営業日以内)タイムスタンプを付す。
取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの事務処理規程を定めている場合は、事務処理の経過後(最長2ヶ月以内)、速やか(おおむね7営業日以内)に付す。(2ヶ月+7営業日以内)
③ データの訂正削除を行った場合、その記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用する。
④ 正当な理由がない訂正削除の防止に関する事務処理規程を備え付ける。
一般的な事業者は、この④の対応となるかと思いますが、事務処理規程の例示は、国税庁から「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」として公表されていますので参考にすることができます。

電子データの隠蔽、改ざんが発覚した場合、その事実に関し生じた申告漏れ等の金額に10%の重加算税が加重され、合計45%が課されることになります。

最後に、国税庁HPに電子帳簿保存法Q&A(一問一答)により詳細説明がありますので必要に応じて参照してください。
以上

NISA上限引上げへ 金融庁、恒久化も検討

金融庁は2023年度の税制改正要望に個人が少額投資非課税制度(NISA)を使って投資できる上限を引き上げる措置を盛り込む。年間投資額120万円で期間5年の一般NISAなどを拡充する。

国の借金 初の1人1,000万円 6月末総額最大の1,255兆円

財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計したいわゆる「国の借金」が6月末時点で1,255兆1,932億円だと発表した。国民1人あたりで単純計算すると、初めて1,000万円を超えた(20年前の2003年から2倍弱に増えている)。