土地登記 相続3年以内に 法制審答申 違反なら過料

法制審議会は10日、相続や住所・氏名を変更した時に土地の登記を義務付ける法改正案を答申した。相続から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料を科す。
以下の様に、土地相続や登記が大きく変わる(法制審の民法など改正案)。2023年度にも施行予定(法施行後に新たに相続する人らが対象となり、施行前に関しては、一定の猶予期間を定めて適用する見通し)。
1.相続時の登記を義務化
① 取得を知ってから「3年以内」に登記申請 ==>違反すれば10万円以下の過料
② 10年間、遺産配分未定なら法定割合で分割
③ 住基ネットで行政が死亡情報を把握・登記処理
④ 死亡者が名義人だった不動産一覧を行政が発行
2.土地の所有権を放棄しやすく
① 建物や土地汚染がなければ国庫に返納可
② 審査手数料と管理負担金を納入
3.住所・氏名変更 法人の移転登記の義務化
① 2年以内に申請==>違反すれば5万円以下の過料
② 本人意向を確認後、行政が登記変更可
③ 海外移住者は国内連絡先を登記に記載
4.所有者不明の土地・建物を活用
① 広告を経て他の共有者で管理や変更も
② 補修や短期の賃貸借を共有者の過半数で決定
③ 裁判所の許可で管理人を選べば売却も(要供託金)

2021年2月11日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

確定申告 4月15日まで 国税庁、延長を正式発表

国税庁は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて昨年と同様、2020年分の所得税と贈与税の確定申告の期限を1ヵ月延長し、4月15日までとすると正式発表した。個人事業者の消費税の申告・納付期限も3月31日から4月15日までに延長する。

2021年2月3日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

2021年度(令和3年度)税制改正大綱:法人税

2020年(令和2年)12月10日に自民、公明党の両党は2021年度(令和3年度)の与党税制改正大綱が発表されました。以下は、その法人税の改正大綱の概要となります。

法人税
1.中小企業における所得拡大促進税制の見直し
中小企業の適用要件判定において、継続雇用者給与等支給額(抽出不要となります)
から雇用者給与等支給額へと見直し、適用期限が2年間延長となり改正内容は、2021年(令和3年)4月1日から2023年(令和5年)3月31日までの開始事業年度に適用となります。

改正前改正後
適用要件①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額
②当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X101.5%
当期の雇用者給与等支給額≧前期の雇用者給与等支給額X101.5%(注1)
注1:判定には、雇用調整助成金及びこれに類する額は控除しない。
税額控除(当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15%




下記の①及び②の適用要件を満たす場合には、
(当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率25%

①(当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X102.5%
②以下のいずれかを満たす場合
イ当期の教育訓練費≧前期の教育訓練費X110%
ロ中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その計画が実行されていることの証明されている
税額控除額の上限は、当期の法人税額の20%
(当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15%(注2)
注2:税額控除において増加支給額は、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除した金額を上限とします。


下記の①及び②の適用要件を満たす場合には、
(当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率25%

①(当期の雇用者給与等支給額≧前期の雇用者給与等支給額X102.5%(注1)

②以下のいずれかを満たす場合
イ当期の教育訓練費≧前期の教育訓練費X110%
ロ中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け、その計画が実行されていることの証明されている

税額控除額の上限は、当期の法人税額の20%

2.大企業における賃上げ・投資促進税制の見直し
大企業の適用要件判定において、継続雇用者給与等支給額(抽出不要となります)から新規雇用者給与等支給額へと見直し、適用期限が2年間延長となり改正内容は、2021年(令和3年)4月1日から2023年(令和5年)3月31日までの開始事業年度に適用となります(但し、設立事業年度は対象外)。

  改正前改正後
適用要件賃上要件:
①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額
②当期の継続雇用者給与等支給額≧前期の継続雇用者給与等支給額X103%
賃上要件:
①当期の雇用者給与等支給額>前期の雇用者給与等支給額
②当期の新規雇用者給与等支給額≧前期の新規雇用者給与等支給額X102%(注1)
設備投資要件:
当期の国内設備投資額≧当期の減価償却費総額X95%(令和2年4月1日以前の開始事業年度は90%)
廃止
税額控除(当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額)X税額控除率15%

控除率の上乗せ:
下記の教育訓練費の適用要件を満たす場合には、税額控除率は20%となります。
当期の教育訓練費≧前期及び前々期教育訓練費の平均額X120%の場合
税額控除額の上限は、当期の法人税額の20%
控除対象新規雇用者給与等支給額X税額控除率15%(注2)


控除率の上乗せ:
下記の教育訓練費の適用要件を満たす場合には、税額控除率は20%となります。
当期の教育訓練費≧前期教育訓練費X120%の場合
税額控除額の上限は、当期の法人税額の20%
新規雇用者給与等支給額とは注1:新規雇用者給与等支給額とは、国内事業者で新たに雇用した雇用保険法の一般被保険者等に対してその雇用から1年以内に支給する給与額(一般被保険者のみが対象とし、支配関係がある法人からと海外から異動した者を除く)。なお、当該支給額からは、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除しない。
控除対象新規雇用者給与等支額とは注2:控除対象新規雇用者給与等支
給額とは、国内事業者で新たに雇用した者等に対してその雇用から1年以内に支給する給与額(労働者名簿に記載された者が対象:一般被保険者、高年齢被保険者等)。なお、当該支給額からは、雇用調整助成金及びこれに類する額を控除します。
但し、当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額の増加額が上限となります。
又、法人事業税(外形標準課税)の計算において、改正後の適用要件(注1の増加割合2%以上)を満たすときは、控除対象新規雇用者給与等支給額を付加価値割の課税標準から控除することとなる。なお、
中小企業者等については、一定の要件を満たせば適用できる法人税の税額控除を、法人住民税の計算においても税額控除の適用があります。

3.中小企業者等の法人税軽減税率の特例期限延長
中小企業者等の年所得800万円以下の部分に適用される法人税の軽減税率15%(本則課税:19%)の適用時期が、2年間延長され、2023年(令和5)年3月31日までに開始する事業年度となります。

4.中小企業投資促進税制の期限延長と見直し
(1)適用期限を2年延長(2023年(令和5)年3月31日まで)となります。
(2)指定対象事業に以下業種が追加されます。
イ 不動産業
ロ 物品賃貸業
ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る)
(3)対象法人に商店街振興組合が追加、等

5.特定中小企業者等の経営改善設備の税制(商業等活性化税制)
特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度を適用期限到来時(2021年(令和3年)3月31日までの期間に取得等)に廃止となります。

6.中小企業経営強化税制の新たな類型
中小企業経営強化税制について、関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等の対象に計画終了時に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置が記載されたものに限る)を実施するために必要不可欠な設備を追加し、適用期限を2年延長(2023年(令和5)年3月31日まで)となります。

7.中小企業の経営資源の集約化に資する税制創設(中小企業事業再編投資損失準備金制度)
(1)中小企業事業再編投資損失準備金の繰入
M&Aに関する経営力向上計画(経営資源集約化措置が記載されたものに限る)の認定を受けた中小企業者が、他の法人の株式等の取得(購入の取得に限り、取得価額が10億円以下に限る)し、その取得の事業年度末まで継続保有している場合において、株価下落の損失(簿外債務、偶発債務等のリスク)に備える為、株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業再編投資損失準備金として積立てたときは、損失算入を認められます。
(2)中小企業事業再編投資損失準備金の取崩
積立てた準備金は、その株式の売却、帳簿価額の減額等で取崩す他、5年間の据置期間経過後、原則として5年間で均等額を取崩して益金算入する。
(3)適用要件
中小企業経営強化法の改正施行日から2024年(令和6年)3月31日までの間に、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

8.デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設
企業の持続的成長のためにデジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル技術<D>
を活用した企業変革<X>)が重要となってくることを踏まえ、新規ビ ジネスの構築等に関する計画(事業適応計画))に基づく、持続性・クラウドの利用・レガシーシステムからの脱却・サイバーセキュリティーといった点が確保された「事業変革デジタル投資」を促進することを目的として、産業競争力強化法の改正により認定を受けた「事業適応計画」に基づき、2023年(令和5年)3月31日までの間にソフトウェアの新設若しくは増設し、又はソフトウェア利用に係る費用(繰延資産に限る)を支出した時には、取得価額の30%の特別償却又は取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ連携する場合は5%)の税額控除との選択適用ができる。

適用対象者①青色申告法人で産業競争力強化法の改正による「事業適応計画」について認定を受けること
②事業適応用の為の必要な事業適応設備を取得等し、国内事業に供していること
対象資産事業適応設備となるソフトウェア、繰延資産、機械装置、器具備品(開発研究用資産を除く)
なお、当該支出金額の合計額で300億円が上限となります。
税制の選択適用特別償却: 取得価額X30%
税額控除: 取得価額X3%(グループ外の事業者とデータ連携する場合は5%)
但し、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制による税額控除との合計で、当期法人税額の20%が上限となります。

9.カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」という高い目標に向けて、 産業競争力強化法において規定される予定の「中長期環境適応計画」の認定を受けた法人が、2024年(令和6年)3月31日までの間に同計画に従って導入される一定の設備等の取得等をし、国内にある事業の用に供 した場合、取得価額の50%の特別償却又はその取得価額の5%(温室効果ガス削減が著しく資するものは10%)の税額控除との選択適用ができる。

適用対象者①青色申告法人で産業競争力強化法の改正による「中長期環境適応計画」について認定を受けること
②当該計画に記載された中長期環境適応生産性向上設備又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備の取得等し、国内事業に供していること
対象資産一定の①中長期環境適応生産性向上設備、②中長期環境適応需要開拓製品生産設備事業適応設備
なお、当該取得金額の合計額で500億円が上限となります。
税制の選択適用特別償却: 取得価額X50%
税額控除:①原則 取得価額X5%
②温室効果ガス削減が著しく資するものについては、その取得価額X10%
但し、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制による税額控除との合計で、当期法人税額の20%が上限となります。

10.繰越欠損金の控除上限の特例創設
青色申告書を提出する法人が、産業競争力強化法の改正法の施行日から1年以内に「事業適応計画」の認定を受けた場合には、「適用事業年度」における「特例対象欠損金額」がある場合には、翌期以後、最大で5年間、欠損金の繰越控除前の所得の金額(その所得の金額の50%を超える部分については、「累積投資残高」に達するまでの金額とする)の範囲内で損金算入することができる特例制度が創設される。

「適用事業年度」とは下記のいずれにも該当する事業年度
①特例対象欠損金額が生じた事業年度のうちその開始の日が最も早い事業年度後の事業年度で、所得の金額が生じた最初の事業年度(基準事業年度)開始の日以後5年以内に開始した事業年度
②事業適応計画の実施時期を含む事業年度
➂2026年(令和8年)4月1日以前に開始する事業年度
「特例対象欠損金額」とは2年 間(2020年(令和2)年4月1日から2021年(令和3年)4月1日までの期間内の日を含む事業年度(一定の場合には、2020年(令和2年)2月1日から 同年3月31日までの間に終了する事業年度及びその翌事業年度)において生じた青色欠損金額
「累積投資残高」とは事業適応計画に従って行った投資の額から、既に本特例により欠損金の繰越控除前の所得の50%を超えて損金算入した欠損金額を控除した金額

11.株式対価M&Aを促進するための措置創設
自社株式を対価として行われるM&Aについて、買収対象会社株主である法人及び個人が会社法の株式交付制度により、買収対象会社株式を譲渡し、買収会社の株式等の交付を受けた場合には、その譲渡した株式の譲渡損益に対する課税を繰り延べるものとする。 その際、自社株式に併せて金銭等を交付するいわゆる混合対価を一定程度認めるとともに、期限の定めのない措置とする。
混合対価につき、譲渡損益の繰延べは、対価として交付を受けた資産の価額のうち株式交付親会社の株式の価額が80%以上である場合に限るものとして、株式交付親会社の 株式以外の資産の交付を受けた場合には株式交付親会社の株式の対応する部分の譲渡損益の計上を繰り延べる。

12.地域未来投資促進税制の見直し
地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(地域未来投資促進税制)を見直した上、適用期限を2年延長する。

13.試験研究費の税額控除制度(研究開発税制)の見直し
活発な研究開発を維持するための研究開発税制の以下の事項に関して見直しがありました。
① 総額型及び中小企業技術基盤強化税制の見直し
② オープンイノベーション型の対象範囲の追加等
③ 自社利用ソフトウェアに係る試験研究費の追加

(1)総額型
2年前に高水準型は廃止され、試験研究費が高い水準の企業に対する税額控除率の割増措置を総額型に創設することによって、総額型に統合されています。

⓵ 税額控除率

改正前(6%~14%)改正後(2%~14%)
増減試験研究費割合>8%の場合(上限14%):
9.9%+(増減試験研究費割合-8%)X0.3
増減試験研究費割合>9.4%の場合(上限14%):
10.145%+(増減試験研究費割合-9.4%)X0.35
増減試験研究費割合≦8%の場合(下限6%):
9.9%+(8%-増減試験研究費割合)X0.175
増減試験研究費割合≦9.4%の場合(下限2%):
10.145%+(9.4%-増減試験研究費割合)X0.175
高水準型の廃止に伴う上乗せ措置
試験研究費割合>10%の場合:
上記税額控除率X{(試験研究費割合-10%)X0.5}(上限10%)
同左

⓶ 控除上限額

改正前(25%~35%)改正後(25%~40%)
試験研究費割合≦10%の場合:
法人税額の25%
同左
試験研究費割合>10%の場合:
法人税額の25%+法人税額X{(試験研究費割合-10%)X2}

上乗せ後、最大、法人税額X35%
試験研究費割合>10%の場合:
法人税額の25%+法人税額X{(試験研究費割合-10%)X2
更に、以下の要件を全て満たした場合、法人税X5%の上乗せ
イ 基準年度に比べて当期売上高が2%以上減少
ロ 基準年度に比べて試験研究費が増加
ハ 基準年度とは、2020年(令和年2年)2月1日前に終了した最後の事業年度

上乗せ後、最大、法人税額X4

2)中小企業技術基盤強化税制
⓵ 税額控除率

改正前(12%~17%)改正後(12%~17%)
増減試験研究費割合>8%の場合(上限17%):
12%+(増減試験研究費割合-8%)X0.3
増減試験研究費割合>9.4%の場合(上限17%):
12%+(増減試験研究費割合-9.4%)X0.35
増減試験研究費割合≦8%の場合:
12%
増減試験研究費割合≦9.4%の場合:
12%
試験研究費割合>10%の場合:
上記税額控除率X{(試験研究費割合-10%)X0.5}(上限10%)
同左

⓶ 控除上限額

改正前(25%~35%)改正後(25%~40%)
増減試験研究費割合≦8%の場合:
法人税額の25%
増減試験研究費割合>8%の場合:
法人税額の35%

上乗せ後、最大、法人税額X35%
増減試験研究費割合≦9.4%の場合:
法人税額の25%
増減試験研究費割合>9.4%の場合:
法人税額の35%
更に、以下の要件を全て満たした場合、法人税X5%の上乗せ
イ 基準年度に比べて当期売上高が2%以上減少
ロ 基準年度に比べて試験研究費が増加
ハ 基準年度とは、2020年(令和年2年)2月1日前に終了した最後の事業年度

上乗せ後、最大、法人税額X40%

以上

2021年1月31日 | カテゴリー : 税務情報 | 投稿者 : accountant

社員のテレワーク補助 通信費の半額非課税

新型コロナウイルスの感染拡大を機に企業が在宅勤務といった新しい働き方に対応したルールの整備を進めている。通信費の半額をテレワークに使用したとして所得税の課税対象から外すなど課税基準を明確にする。
通信費の非課税額の計算式:
 1ヵ月の通信費 ×(在宅勤務の日数÷その月の日数)× 1/2
 なお、業務目的の通話料は全額非課税
電気料金の非課税額の計算式:
 1ヵ月の電気料金 ×(業務に使用した部屋の床面積÷自宅の床面積)×(在宅勤務の日数÷その月の日数)× 1/2

2021年1月15日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant