「相続税対策で孫と結んだ養子縁組は有効かどうか」が争われた訴訟の上告審判決で、 最高裁第3小法廷(木内裁判長)は31日、 「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」との初判断を示した。 判決は相続税対策として縁組が広がりつつある現状を追認した形。 縁組が無効となるのは当事者に縁組の意思がない場合などに限られるそうだ。
相続税額は遺産全体から一定額を差し引いた上で算出される。 この控除分は3千万円が基本で、 相続人1人につき600万円を加算。 実子がいても養子は1人まで、 実子がいなければ2人まで相続人に含められる。 最高裁第3小法廷は「説明の動機と縁組の意思は併存し得る」と指摘。 縁組の意思があれば節税目的の養子縁組を認める初の判断を示したことで、 当事者の意思が確認されれば、 養子縁組が無効になる余地はほぼなくなった。 なお、 国税庁は「縁組に至った経緯や生活実態など個々の事例に応じて判断する」としている。