フリーランス保護 厳格に

公正取引委員会は12日、ライターやカメラマンの原稿料などを不当に引き下げたのは下請法違反にあたるとして、出版大手のKADOKAWAと子会社に再発防止などを求める勧告を出した。
11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス保護法)が施行され、フリーランスが安定的に働く環境を整備する目的で制定されたもので、事業者(発注元)はフリーランスに対して業務委託した場合には、発注先に業務内容や報酬額等の取引条件を書面やメールで明示することを義務付けや禁止行為等の順守すべき7項目が定められています。この「フリーランス」とは、業務委託の相手方(発注先)で次の事業者となっています。
1. 個人の場合で従業員を使用していない。
2. 法人の場合で代表者1名以外に従業員を使用していない。
この従業員の使用とは、1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、継続して31日以上雇用することが見込まれる労働者を雇用するというものであり、事業に同居親族のみを使用している場合には、従業員の使用に該当しません。なお、法人において、他に同居親族役員がいるこの場合には、従業員の使用に該当することになります。
このフリーランス保護法は、業種・業界に限定されることなく、従業員を雇用せずに一人の個人として業務委託を受ける事業者に適用されるものとなっています。

2024年11月13日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

「106万円の壁」撤廃へ 厚生年金の対象拡大

厚生労働省が月額88千円(年額106万円)以上とするパート労働者の厚生年金適用要件を撤廃する方向で調整に入った(2025年の制度改正で撤廃する方針)。労働時間が週20時間未満で働くとこれまでの労働時間要件は残し社会保険の適用対象外となる見込みです。
現在、所得税が課税される、いわゆる「103万円の壁」問題が議論されていますが、同時に社会保険料の負担問題の壁も合せて議論されることになるでしょう。

配偶者の給与収入額(年収)住民税の課税所得税の課税社会保険料の負担配偶者特別控除の減額(注1)
188万円超有り控除の適用無し
188万円以下150万円超有り
150万円以下130万円超有り無し
130万円以下106万円超有り従業員数51人以上会社:有り無し
106万円以下103万円超有り無し
103万円以下100万円超有り無し
100万円以下無し

注1:配偶者特別控除額は、給与所得者とその配偶者の各合計所得金額の組合せで決まりますが、給与所得者の合計所得金額が1,000万円超(給与収入額では1,195万円超)には、配偶者特別控除の適用は無く控除額はありません。又、配偶者の給与収入額が150万円超から188万円以下の間で段階的に配偶者特別控除額が減少していきます。

2024年11月9日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

厚生年金 パートに手厚く 従業員51人以上の企業も対象

10月から、パート労働者の厚生年金の加入対象が拡大となる。これまでは従業員101人以上の企業に限られていたが、51人以上の企業も適用となる。なお、適用要件には、雇用契約で週所定労働時間20時間以上、月額賃金88千円以上、等があり、その要件に該当するパート者が含まれることになります。

2024年10月1日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

基準地価、地方32年ぶり上昇 訪日客増・半導体が起点

国土交通省が17日公表した2024年の基準地価で、地方圏の全用途の平均が地方4大都市を除いても前年から0.2%上昇し、32年ぶりのプラスになった。
2024年基準地価の変動率(7月1日時点、 前年比%、 ▲は下落):

地域住宅地商業地全用途
前年2024年前年2024年前年2024年
全国平均0.70.91.52.41.01.4
三大都市圏2.23.04.06.22.73.9
東京圏2.63.64.37.03.14.6
大阪圏1.11.73.66.01.82.9
名古屋圏2.22.53.43.82.62.9
地方圏0.10.10.50.90.30.4
中核地方4市7.55.69.08.78.16.8

地価が最も高かった地点は19年連続で東京・銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。1平方メートル当たりの地価は4,210万円で前年比5.0%伸びた。

公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。

 公示地価基準地価路線価固定資産税評価額
調査主体国土交通省都道府県国税庁市町村
調査地点数約26,000約21,000約320,000多数
調査時点1月1日7月1日1月1日1月1日(原則3年に1回、 次回は2027年)
公開時期3月9月7月又は8月3月
公開サイト国交省(土地総合情報ライブラリー)国交省(土地総合情報ライブラリー)国税庁資産評価システム研究センター
その他調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。調査対象は地方の調査地点が多く、 不動産鑑定士の評価を参考に調査し、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から 相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準
2024年9月18日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

手形・小切手の発行終了 2025年度中にも

3メガバンクは2025年度中にも紙の約束手形・小切手の発行を終了する予定です。地方銀行なども今後追随する可能性が高い。この終了は、中小企業の金融取引は電子決済に移行し、効率性や安全性が高まる効果が期待できることになるとしています。

2024年9月6日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

リース会計 国際水準に 全資産計上 2027年度義務づけ

新リース会計基準が2027年度から上場会社と会社法上の大会社に適用されます(中小企業には適用しません)。これまでリース取引の中でオペレーティングリースは、リース料として費用処理してきましたが、新基準では、リース資産・債務として計上し、減価償却費と支払利息に区分して費用処理することになります。その適用範囲は広く、リース契約なっていなくとも借手が特定の資産をどれだけ自由に使えるかで判定することになります。従って、サービスや役務提供の契約でも要件を満たせばリース取引に該当します。但し、1契約当たり300万円以下の少額取引は対象外となります。

2024年9月4日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

戸籍謄本を電子交付 相続時の負担軽減

政府は相続手続きに必要な戸籍謄本などの戸籍証明書に関し、全国の自治体で電子交付できるようにする(検討し2024年度中に結論を出す)。家族が死亡したときの相続手続きを巡る負担を軽減する(市区町村の窓口に行ったり郵送したりする手間を省ける)。
2024年度中に対応開始には、戸籍情報とマイナンバーの連携が可能になったことから、パスポートの新規発行は行政手続きの個人向けサイト「マイナポータル」から申請し、紙の戸籍謄本を提出しなくてもよくなる。

2024年8月22日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

路線価、3年連続上昇 2024年分2.3%

国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基礎となる2024年分の路線価(1月1日時点)を発表した。全国約31万5千地点の標準宅地の全国平均で前年比2.3%のプラスとまり、現在の算出方法となり10年以降で最大の上昇率となった。
都道府県別の路線価は、北海道、宮城県、千葉県、東京、愛知県、福岡県、沖縄県など37都道府県で上昇した。 前年の上昇は29都道府県だった。 首都圏では東京都(上昇率5.3%、前年の上昇率3.2%)、千葉県(上昇率4.0%、前年の上昇率2.4%)、神奈川県(上昇率3.6%、前年の上昇率2.0%)、埼玉県(上昇率2.1%、前年の上昇率1.6%)でした。最も上昇率が高かったのは、福岡県の5.8%(前年は4.5%)でした。

路線価とは、 主要道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2024年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約31万強地点。 公示地価の8割を目安に、国税庁が売買実例や不動産鑑定士の意見などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 39年連続でお馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り(文具店「鳩居同」前)の1平方メートル当たり44,240千円(前年42,720千円)でした。

2024年7月1日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

パートらの厚生年金加入 企業規模要件を撤廃

厚生労働省はパートらの短時間労働者が厚生年金に加入する際の企業規模の要件を撤廃する方針を固めた。
現行制度では従業員101人以上の企業に勤めるパートやアルバイトらが「所定労働時間が週20時間以上」などの条件を満たすと厚生年金に入る義務が生まれる。この10月には51人以上の企業に広がる。

2024年6月26日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

保険料低い新組合へ 現役世代の負担軽減狙う

若い社員が多い企業が新しい健保保険組合を設立している。中高年層の加入者が多い全国健康保険協会(協会けんぽ)を離れ、保険料負担の抑制を狙う。けんぽ組合の加入者の平均年齢の上昇で、医療費が増えていた。

2024年6月21日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant