公示価格 15年ぶり上昇率 全国1.6%

国土交通省が22日に発表した2023年1月1日時点の公示価格は、住宅地や商業地といった全用途の全国平均が前年比1.6%上昇した。上昇は2年連続で、リーマン・ショック前の2008年(1.7%)に次ぐ水準となった。往来の回復や海外マネーの流入で都市部の商業地が伸びた。
2023年公示地価の上昇率(1月1日時点):

地域住宅地商業地全用途
2023年前年2023年前年2023年前年
全国平均1.40.51.80.41.60.6
三大都市圏1.70.52.90.72.10.7
東京圏2.10.63.00.72.40.8
大阪圏0.70.12.30.01.20.2
名古屋圏2.31.03.41.72.61.2
地方圏1.20.51.00.21.20.5

公的機関が公表する土地価格情報には、 以下のものがあります。

 公示地価基準地価路線価固定資産税評価額
調査主体国土交通省都道府県国税庁市町村
調査地点数約26,000約21,700約334,000多数
調査時点1月1日7月1日1月1日1月1日(原則3年に1回、 次回は2024年)
公開時期3月9月7月又は8月3月
公開サイト国交省(土地総合情報ライブラリー)国交省(土地総合情報ライブラリー)国税庁資産評価システム研究センター
その他調査対象は都市部の比重が高い。 標準地の公示地価は一般の土地取引価格(更地価格)の指標となるだけでなく、 公共事業用地の取得価格算定や、 国土利用計画法に基づく土地取引規制における土地価格審査の基準にも使われる。調査対象は地方の調査地点が多く、 一般の土地取引価格の指標となる。 公表は国交省から 相続税・贈与税の基準となる地価で、 公示地価の8割程度の水準土地に対する固定資産税計算の基準となる地価で、 公示価格の7割程度の水準
2023年3月23日 | カテゴリー : 社会情報 | 投稿者 : accountant

年収の壁と就業調整

パート主婦の中で給与収入が一定額を超えると税金や社会保険料の負担増になることから就業調整する方がおられます。この問題に関しましては、政府でも対応策を検討すると表明しています。以前にもこの年収の壁を取り上げましたが、再確認してみたいと思います。年間給与収入額からの年収の壁に関して、一般的なケースでは、以下の様に指摘されています。

年間給与収入額影響する基準影響する人影響する内容
103万円超所得税課税パート者本人所得税が発生する
106万円超本人の社会保険の加入基準従業員数101人以上の会社勤務のパート者本人(所定の適用条件を満たす場合)パート者本人の社会保険の加入基準であり、社会保険料(厚生年金・健康保険料)が発生する。将来、厚生年金が受領できます。
130万円超夫の社会保険の被扶養者基準従業員数100人以下の会社勤務のパート者本人夫の社会保険の被扶養者基準であり、本人が被扶養対象外になることから、社会保険料(国民年金・国民健康保険料等)が発生する
150万円超配偶者特別控除夫の配偶者特別控除(最高38万円)が減額となっていく。

なお、被扶養者に関しましては所得税上と社会保険上の取扱いが、以下の様に異なりますので留意する必要があります。
1.所得税上の被扶養者とは(下記の全てを満たすこと)
「所得税の扶養」とは、扶養している親族等の人数に応じて所得の控除を受けることができる制度のことになります。
① 「生計を一にする(家計を共にしていれば同居でなくてもOK)」
② 以下の所得基準(収入金額ではありません)があります。
年間所得金額が48万円以下(給与収入で103万円)であること(いわゆる「103万円の壁」)。なお、70歳以上の老人扶養は、同居での所得で58万円以下(年金収入で168万円・給与収入で113万円)・同居外での所得で48万円以下(年金収入で158万円・給与収入で103万円)であること。
2.社会保険上の被扶養者とは(下記の全てを満たすこと)
「社会保険の扶養」とは、被保険者の扶養している親族等が、自分自身で社会保険料を負担することなく保険の給付を受けられる制度のことになります。
① 「三親等以内の親族は同一の世帯(同居して家計を共にしている)」であること
② 年間の収入金額(所得金額ではありません)が130万円未満(60歳以上は180万円未満)であること、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること。いわゆる「130万円の壁」と言われるのは、この認定基準があるからです。
③ 75歳未満であること(従って、75歳以上は扶養者になれません。何故ならば、75歳から後期高齢者医療保険制度に移行になりますので、社会保険制度への加入資格はありません)
3.社会保険加入条件とは
なお、社会保険加入で収入金額を「106万円」未満に収めたいと言われることがありますが、いわゆる「106万円の壁」とは、働く方でその方自身が厚生年金保険や健康保険といった社会保険への加入が必要となる収入基準のことです。こちらの保険適用基準は、以下の一定の条件を満たした場合に対象となります。
正社員の場合には、所定労働時間・所定労働日数が正社員の4分の3以上でありますが、パート・アルバイトなどの短時間労働者の場合には、従業員101人以上の企業(特定適用事業所)に勤務している方で、かつ、 
① 週20時間以上働いている
週20時間を算出する際は、残業時間を合算せずに計算します。
② 1年以上継続して勤務する見込み
雇用契約書等に1年以上継続して勤務する見込みがあること。
③ 1カ月の賃金が8.8万円超
1カ月の賃金が8.8万円を超すというもの。1カ月の賃金が8.8万円を超すと、1年の年収が計算上、で106万円以上になります。ここでいう1カ月の賃金とは、雇用契約時の所定内賃金のみで、残業代、各種手当や賞与などは含みません。
④ 学生ではない
の諸条件を満たす場合には社会保険加入となります。なお、2024年10月から社会保険加入条件の従業員数が51人以上に引き下げられます。

2023年3月15日 | カテゴリー : 税務情報 | 投稿者 : accountant