国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基礎となる2020年分の路線価(1月1日時点)を発表した。全国約32万地点の標準宅地は2019年比で1.6%のプラスとなり5年連続で上昇した。訪日外国人(インバウンド)客の増加や都市部の再開発が地価上昇をけん引した。
都道府県別の路線価は、東京、 大阪、 愛知など21都道府県で上昇した。 前年の上昇は19都道府県だった。 首都圏では東京都(上昇率5.0%)、千葉県(1.2%)、神奈川県(1.1%)、埼玉県(1.2%)がいずれも7年連続で上昇。愛知県(1.9%)は8年連続で上昇した。最も上昇率が高かったのは、好調な観光需要が要因で沖縄県の10.5%(前年は8.3%)でした。
路線価とは、 主要道路に面した土地1平方メートル当たりの標準価格で、 2020年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与で土地を取得した場合、 今回公表された路線価を基に税額が算定される。 調査地点は国土交通省が3月に公表した公示地価(2万6千地点)よりも多い約32万強地点。 公示地価の8割を目安に売買実例などを参考にして算出するため、 公示地価よりも遅く例年7月に公表される。 路線価の最高は、 35年連続でお馴染みの東京都中央区銀座5丁目銀座5の文具店「鳩居堂」前の1平方メートル当たり45,920千円(前年45,600千円)でした。