政府が検討を進めてきた公的年金制度の改革案が5日、固まった。中小企業で働くパート労働者も厚生年金への加入を義務付けるほか、75歳から受け取り始めると月あたりの年金額を最大84%増やせる仕組みに変える。
1.厚生年金のパート適用拡大
厚生年金の対象となる企業規模の要件を、従業員501人以上から51人に引き下げる。
①2022年10月に従業員501人以上から101人以上の企業に対象を拡大
②2024年10月には51人以上に対象を拡大
2.厚生年金の受給開始年齢の拡大
今は原則65歳が受給開始年齢で、60歳~70歳の間で選べる年金の受給開始年齢を60歳~75歳まで延ばす。
3.在職老齢年金の見直し
働く高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金」を見直し、働く60歳~64歳の厚生年金の一部を停止(減額)する基準額を厚生年金と賃金の合計が月28万円から47万円に引き上げる。