2023年(令和5年)も残すところ約1ヵ月となりました。近年、ふるさと納税(寄附金)の内容が理解され利用される方が多くなり、特に12月中にその頻度が高いようです。この傾向は、当該年度の年間収入・所得が予想されることで利用のメリット上限、いわゆる寄附金限度額をある程度考慮(予想)されてのことかと思われます。ご存知の様に加熱するふるさと納税の状況から、所定の基準に適合する都道府県等をふるさと納税適用の対象とされています。
①寄附金の募集を適正に実施する都道府県等
②上記都道府県等で返礼品は、以下のいずれも満たす都道府県等であること。
(イ)返礼品の返礼割合は3割以下とすること
(ロ)返礼品は地場産品とすること
このふるさと納税は寄附金として、個人所得税の寄附金の所得控除と個人住民税の寄附金の税額控除により、一定額が本来納める税額から減額・控除に代わるものであり、メリット上限(寄附金限度額)が存在します。
例えば、給与収入500万円(給与所得356万円)、社会保険料74万円、配偶者控除38万円、基礎控除48万円(住民税では43万円)の場合におけるふるさと納税の寄附金限度額は以下の算式で計算出来ます。
個人住民税所得割額X 20% ÷ (90% - 所得税率X 1.021)+ 2,000 =寄附金限度額
ご存知の様に所得税率は、累進税率の7段階に分かれていますので、次の表が寄附金限度額の目安となるかと思います(総合課税と申告分離課税も含む場合の適用時における目安)。
所得税の課税所得額 | 所得税率 | 寄附金限度額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 個人住民税所得割額 X 23.558% + 2千円 |
195~330万円未満 | 10% | 個人住民税所得割額 X 25.065% + 2千円 |
330~695万円未満 | 20% | 個人住民税所得割額 X 28.743% + 2千円 |
695~900万円未満 | 23% | 個人住民税所得割額 X 30.067% + 2千円 |
900~1,800万円未満 | 33% | 個人住民税所得割額 X 35.519% + 2千円 |
1,800~4,000万円未満 | 40% | 個人住民税所得割額 X 40.683% + 2千円 |
4,000万円以上 | 45% | 個人住民税所得割額 X 45.397% + 2千円 |
従って、
所得税の課税所得額:
所得3,560,000 - (社会保険料740,000 + 配偶者控除380,000+基礎控除480,000) = 課税所得金額1,960,000
適用所得税率は、10%となります。
個人住民税所得割額:
3,560,000 - (740,000 + 380,000+430,000) = 2,010,000
2,010,000 X 10% =201,000円(住民税所得割額)
201,000 X 20% ÷ (90% - 10% X 1.021) + 2,000 = 52,382円
又は、上記表から
201,000 X 25.065% + 2,000 = 52,381円
計算結果から、 52,380円相当額が寄附金限度額ということになります。